20世紀最後のボンボン 第十部 ヨーロッパ テーマ旅行 第五章 ピラミッドへ
ロビーで待ち合わせた通訳は英語はほとんどできず、まだ日本語の方がマシで、でもそれでも案内は無理だろうというレベルだった。フランス語ならというのでカンクン君が応対するとそれも全然ダメ。昨日のタクシーのお兄ちゃんの方が良かった。
それでもホテルから見える汚いナイル川に話を振ると、やはり死体が結構浮かんでくるという話で盛り上がった。昔から「ナイルの賜物」といって、洪水のたびにナイルは豊かになっていったと世界史で習った。けれどもそれはナイルがすべての生き物を呑み込んで、暴れたということでしょうから、そこには当然人間の死体も含まれていたはずですよね。観光案内では絶対書かれてない情報ではありますが。
ホテルからピラミッドに行くまでも、支流のような川の脇をドライブしていたんですが、ゴミが積み上げられていてすごかったですね。生ゴミというよりは家具とか。どうしてなんでしょうね。
外はとても暑くて、相変わらず男性しか歩いておらず、私たちをじっとみてました。誰もが。
本当に砂漠の中に何の脈絡もなく、ピラミッドが現れるんです。
もちろん遠くから見えているところに近づいて行くのですけれど、着くとそんなに暑いのに水1つ売る店もなく、誰か男の子が何本かの冷えた水のボトルを手に持って運んでいる。5本くらいね。みんなやる気あるの?って私は尋ねたかった。確かに観光客は私たちだけだったのだけど。むしろ効率を考えて、誰もいないのかと深読みしてしまった。
それでもピラミッドの入り口に行くまでにラクダに乗った若いお兄ちゃんが小物をお土産に売りにきました。カンクン君はラクダに乗りたかったのでラクダを引っ張ってきてもらいました。乗った途端、カーッとラクダが走り出し🐪🐪あわや誘拐?まさかの展開もありました。それでもカンクン君の帽子は取られました。財布からお金も抜き取られたようでした。だいたい10ドルも入れてないですけどね。ラクダに乗っている間も足をずっといたずらしていたそうです。でも写真も撮ってもらい、そこはおしまいにしてピラミッドに入りました。でも私は一応、その僕たちに、「若い君たちがこんなところで油売ってないで、勉強をちゃんとして海外に出た方がいい。」と言わずにはいられませんでした。
ピラミッドがなぜ建てられたのか?
王族のお墓のためという話もありますが実は違うという話もあり、ピラミッド界隈はいつも現在進行形ですね。
ピラミッドは近くから見ればわかりますが、
側面は階段状になっていて、足場があります。
外壁に。
面白いですよね。
本当に緻密に計算されて建築が成功しています。
もっと小さい石の模型でも自分で作るプランを
立てれば、どれだけそれが大変かわかります。逆にそういう計算が好きな人には何でもないっていう話なんでしょう。
石をただ同じ大きさに切って積み上げても、
積み上げるところまではいいですけど、
屋根はどうするの?ってことですよね。石をただ
垂直に積み上げていったら柱と柱の間を全部屋根で埋めないといけない。でも三角形になるように傾斜させていったら、どうですか?
うまくいったら、屋根つけなくて済むかもしれない。
でも写真見るとわかりますけれども、きれいな三角形ですね。
ピラミッド。この美しさは私は権力を表すと思います。
個人的に。今の世の中でも、お金とか権力を持った人は
美しい家に住みたがるのではないですか?
どうなんでしょう。みんながもともとその人が権力者だってわかっている場合は無理に例えば、こんなに目立つ美しさのところに住まないと思うんですよね。
エジプトのピラミッドを作るような時代。どうしてこのような
建物が必要なんでしょうね。誰にこれを見せたかったんでしょうね。
その誰かはその見返りに何をその権力者に与えたのでしょうか。
最初に、ついスフィンクスの入り込んだ写真をアップしてしまったんですが
このスフィンクスの話をしだしたらまた止まらないです。
どんどん想像の翼が広がりますね。次回はツタンカーメンも考えたいです。個人的な見解として。
この章はひとまず終わりです。
20世紀最後のボンボン 第十部 ヨーロッパ テーマ旅行
第六章 に続く