見出し画像

20世紀最後のボンボン  第十部 ヨーロッパ テーマ旅行  第十一章 そしてカプリ



アマルフィのそばにある観光地はだいたい一日目で
回っていたが、なんとなく気になっていた、青の洞窟に
行ってみたかった。

その朝はなんというか、気持ちが焦っていた。
あとから分かったことであるが、アベノミクス関連の発言で、
5月は24日以降、FXは大きく振れていた。
私は当時はファンダメンタル派ではなかったが、あまりにも大きな流れは
通信の悪いヨーロッパでは不利であった。
旅行に行っているときはFXの建玉を減らすというのは
当然のことであるが、その前の年は持っていたからこその
2013年の繁栄であった。
6月4日か5日であったが、現地時間で午前中、
私は大変怒りを感じており、遅刻してきた通訳とツアーを
ものすごい剣幕でキャンセルした。
私はめったに怒らないが、その日は、ラテン気質ののんびりしたスケジュールの甘さと
私自体は一日、トレードをしたかった焦りで、気持ちが爆発してしまった。
前の日のイタリア美人との日本語での会話があまりにも充実していたので、
その日はどこかでのんびりしたいとも思っていた。
それで、私とカンクン君は自分たちで、フェリーを申し込み、
青の洞窟で出かけた。


29歳の時、イタリアには初めて行ったが、そのときは
イタリア人やジプシーにいつ襲われるかとか、
お金でもごまかされるのではないかと
理由のわからない不安があったが、
20年アメリカで、白人社会に浸かっていると、
だいたいあの人たちがどういうところでつけ込んで
くるかはわかるようになっていたし、
西洋文明そのものに対する衝撃もかなりなくなっていたので、
2013年のヨーロッパ旅行は異国を旅しているという感じでは
なくなっていた。
青の洞窟は静かに観光する分には十分感動的なのだと思う。


けれども、やはりそこは観光地なので、関西弁交じりの日本語で
イタリア人船頭が説明している船に隣り合わせたりすると
それはそれは興ざめなこと甚だしい。
そんなにここは日本人に人気なスポットなのだろうか。
(そうです。)


そこからカプリ行きの船が出ていて、
カプリにも行ってみようということになった。
カプリは船で少し行ったところにあるが、
広さもそんなに広くなく、道路も、島の海岸線に沿って
一本ある程度で、全体的にのんびりしたところだった。


丘の上に上ると景色は抜群に良く、

by sujikanji



この島すべてが全部自分の領地だったらいいのに、と思った。


ケビン・コスナーも、そこまで考えたかはわかりませんが、
別荘があり、プライベートジェットで訪れるということでした。
ピノキオとレモンだけが特産物のようですが、
ここの景色は、そしてそこで吹いている風は格別でした。


20世紀最後のボンボン 第十部 ヨーロッパ テーマ旅行 第十二章
に続く

What an amazing choice you made! Thank you very much. Let's fly over the rainbow together!