名前
初めて本名ではない名前で美容室を予約した。
ちなみにその名前は水憂だ。
そこの美容師さんが「君」のインスタから私のインスタを見つけて興味を持ち、カットしたいと思ってくれたようで、私は流されるまま予約した。
「君」は貴女か水憂としか呼ばないから、本名では呼んでくれないから、美容室の人にもそう伝わった。君はいつしか私のことを本名では呼んでくれなくなったのだ。
どうして?なんてそんな、決まっている。
言葉には出したくないけど。
私は、好きな人ほど器用に接することができない、からとことん馬鹿な振りをする。馬鹿にならないとやっていけないくらい恥ずかしいことも、全て曝け出しているから。
不器用な振りもする。実際本当に不器用だけど、更にわざと不器用になっているんだよ。
そうすると何がいいんだろう。
極端な方が可愛いと思っているからなんだよな。
どうしようもない、救いようもない不器用さが愛おしい。そんな自分を私は愛することができる。