リーダーシップ往復書簡 080
人を慮る、人に優しくする、人を愛する・・・あと少しで不惑になる私ですが、これらのことについて考えると、日々なんて難しいのだろうと反省をさせられます。
本連載では度々「人は性善なれど弱し」ということを紹介させていただいておりますが、恥ずかしながら、それこそ平時であっても、人が性善でいることは難しいことなのではないかと思う時があります。
しかも、最近は特に自分の4歳の娘を見ているからか、他人に対して優しくするという点においては、私たち大人より純真無垢な子どもの方がしっかりしているようにも思います(さすがに4歳児には人を慮るはなかなか難易度が高そうではありますが。)。
一緒に働く仲間に笑顔で話かけられないか。困っている人に心配していることをちゃんと伝えられないか。言葉選び一つでもニュアンスは変わりますし、細心の注意と感情をしっかりと自制しなければならないと思います。自然体でこういったことができない時点で、まだまだ自分の未熟さを感じずにはいられません。
自分よりも他人を優先させるというただそれだけなのですが、努力をして、人格を磨かねば、「無私」や「利他」の境地にはなかなか辿り着けません。
老婆心という言葉がありますが、老婆のような年齢にならなければ、必要以上の親切心を持てないのだろうかと思いもします。
私はライフワークとして、リーダーシップという考え方を広めるためにブログを書いたり講演する機会をいただいたりしていますが、自らがリーダーとしての振る舞いと人格を身に着けるにはどうすればいいのかと未だに自問自答をしています。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!
【Q.80】
リーダーになることの見返りは何でしょうか?
<コメント>
私はあまりリーダーになることの見返りを考えたことはありませんでしたが、今回のご質問を受けて、そういった観点もあるのだなと気づかされました。
そもそもリーダーシップとは、打算的なものではなく、自然発生的に生じるものだと考えています。
誰か他人のため、世のため人のために貢献したいという想い。これがリーダーシップの根源だと思います。
ご質問をしてくれた方は、リーダーに得があるように思えないからこのようなご質問をしたのかもしれませんが、世の中の様々なリーダーを見て、生き生きとしている人が多いようには思われないでしょうか。
リーダーになることによって、確かにフォロワーに対する責任も生まれますし、夢や希望に向かって活動していれば困難にぶつかることもあると思います。
しかし、誰かのために努力をすることは誇らしい気分とともに自己成長する機会と充実感を得ることができますし、共に困難に立ち向かうフォロワーたちは生涯の友となることもあるでしょう。そして何より、リーダーは多くの人の善意、世の中の善意を体感することができると思います。有能な人、有名な人、お金持ちなど様々な人々が、リーダーのあなたを応援してくれるのです。
リーダーとは、暗闇の中、集団の先頭で、たいまつを持って、フォロワーを率いて進む存在です。
確かに暗闇ですから怖いと思う時もあるかもしれませんが、その道を切り開いたからこそ得られる経験や仲間など、素晴らしい見返りもあると思います。
※この記事は、2021年4月10日付Facebook投稿を転載したものです。
株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。