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企業再生メモランダム・第63回 信念に生きる

「企業再生メモランダム」では、私が、20代の時に、複数の会社の企業再生に従事する過程で作成したメモを題材として、様々なテーマについて記載していきます。

メモの51枚目は6年前に作成した「信念に生きる」と題したメモです。

リチャード・ステンゲルの著書「信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学」からの転載になります。

メモの背景

私は、20代のうちにリーダーシップを学ぶことが出来て、本当に良かったと思います。

20代前半のうちは、そこそこ成績は上げていましたし、会社経営とはマネジメント(経営管理)であると信じて疑わなかったわけです。

しかし、リーダーシップの考え方を知ってからは、誰かのせいにすることもなく何ごとも自責で物事を捉えられ、地位に基づく権限(パワー)に頼ることもなくなりました。ありとあらゆる人は対等であると考えて、そのかわり毎日が勝負のような気持ちで人と前向きに接するようになりました。

対象会社の企業再生に従事していたときは、私の中でまさに、マネジメント優位からリーダーシップ優位への転換が起ころうとしていたタイミングだったと思います。

対象会社の社長が失踪する手前ぐらいから、正直なところ、嫌がらせばかりしてくる社長への怒りは少なくなっていき、むしろ社長の弱さを感じ取れるようになっていました。

この時期ぐらいから、リーダーシップが何たるかが、頭の理解だけでなく、ちょっとずつ腹落ちしていたように思います。

リーダーはリーダーを育てる。

これは私が、過去に大臣を務めた経験のあるメンターの方から教えてもらった言葉ですが、私がリーダーであるからには、今度は対象企業で私がリーダーを育てなければならないと思いました。

メモ「信念に生きる」の中身

1.人格は厳しい状況の中でこそ計られる

2.志を持つことによって自分が思っている以上に人間は強くなれる

3.「成熟する」とは、若いときにむき出しにしていた感情を胸の内に秘める術を得ること

4.変化する環境と異なる状況に置かれたとき、自ら意思決定し、選択したその行動にこそ男気が宿る

5.勇気とは、恐れを知らないということではない。抱いた恐れを克服していく意志を持つ。それが勇気なのだ

6.「勇敢に見える行動をする」勇敢に物事に立ち向かってみることで、真の「勇気」を見出すことがある。そして、その行動こそが勇気の証となるのだ

7.たとえ退屈だとしても、透明で信頼できる人間であることのほうが大事だ

8.性格とは、自分自身で形成していくものだ

9.「急いではならない。まずはじめに、物事を深く考えて分析しなさい。行動するのはそのあとだ」

10.リーダーのあるべき姿とは、自ら先陣を切ることはもちろんだが、先陣を切っているという事実を他者が理解できるということも含んでいる

11.リーダーには、一人で意思決定し、行動しなければならないときがある。行動した後に、組織に対しての説明責任を果たすべきときがあるのだ。その結果、組織と対峙しなければならないときに問うべき問いは、リーダーのとった行動が真に活動のためだったかどうかだ

12.リーダーとはある種の象徴にすぎないが、同時に、自分自身は優れた象徴にならなければならない・・・他者に権限委譲をしていかない限り、大きなゴールにはたどり着けない

13.リーダーシップの要諦は、あるゴールに向かって人を動かすことにある

14.フォロワーに対して権限を与え行動を促すことで、リーダーの考えや方向性をフォロワー自らに理解してもらう

15.他人の意見をよく聞き、要点をつかみ、総意をまとめ、人々をある方向に向かわせる

16.他者との利他的な交流を通じて自分の最高の実力を発揮できる

17.現実とは、物事がなんであるかよりも、どのように見えているか

18.リーダーとしての重責を引き受けながらも、責務を果たすことに喜びを感じる人物でありたい

19.過去をゆるし忘れ未来へ向かおう

20.「本当の気持ちを表に出す」というのは、現代的な美徳といえるだろう。しかし、すべてをさらけだせばいいのかというとそうではない。不必要にさらけだすことはなく、本物になることは可能なのだ

21.原理原則が絶対であり、それに従うための手段・戦術とは分けて理解しておく必要がある

22.人間の邪悪な面だけを見てはいけない。この世には、完全な悪人も完全な善人も存在しない

23.生まれながらに邪悪な人間などいないのだ。邪悪さは、人が育っていく過程、その人の周りの環境、受ける教育などによって植え付けられていく

24.尊敬に値しない相手に対しても、こちらが尊敬の念をもって接することで相手も尊敬の念をもって接してくれるようになるものだ

25.人の誠実さというのは、誠実な人間にこそ引き出せるものだからだ

26.「敵に会ってみたら、ヤツは私たち自身だったよ」

27.いかなる状況においても、相手を侮辱してはならない。相手の誇りを大切にしなさい。そうすれば、敵はやがてあなたの友となるのだから

28.感情的な人間は、間違った判断を下しやすく、結果的に、不誠実な人間になる可能性が高いのだ

29.言い訳は、不信感のもとだ。あいまいな「ノー」は、ストレートな「ノー」よりも人の心を傷つけるものだ

30.自分が問題に向き合いたくないがために、意思決定を先延ばしにすることはやめた方がいい。今すぐ、その問題に向き合い、選択し、明らかにする。それが、長期的に見れば、問題解決の近道になるのだから。

31.リーダーは全人格的に評価されるべきである

32.自分の考えを変えるとき、以前は異なる立場にいた素振りなど微塵も見せない。自分が新たに受け入れた考え方に歩み寄り、改宗者のような熱意でもって受容する。

33.・・・自己矛盾がしばしばおこる。しかし、一貫性も、もしそれを貫くことだけが目的になってしまったら偽善となるだろう。

34.「白か黒かはっきりさせない」

35.外の世界から少し距離をおいて、自分に喜びと満足を与えてくれる場所が必要だということ

36.信頼されるリーダーとは、公的な場においても私的な場においても一貫性のある行動をとる人物のことだ

37.「自分の行く末を決めるのは運命ではない。自分自身が決めるのだ」



本連載は事実を元にしたフィクションです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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