原爆投下 黙殺された極秘情報
読了。
タイトルにあるように、原爆が投下された際に、日本軍部はその情報を事前に得ていながら封印したのではないか?」という疑問の検証を試みた著書だ。
「あの時だけなぜ警報が発令されなかっのか?」
それはヒロシマの大いなるテーマであり謎であり続けている。
その歴史の闇に迫るスケールは、とても個人のライターが辿り着ける高みを超えている。
NHKの番組になったものの書籍化で、テレビならではの広範な取材がそれを可能にしている。
ということでスリリングな高揚感とともに読み進めることができる。
テーマ設定は特化したものだが、それを傍証するために広範な事実関係を網羅していて、意外にもヒロシマ関連の入門書としても読めるはずだ。
帯にあるように「日本ノンフィクション史に名を残す作品だ。」は嘘ではない。
テーマの謎は解けたのか、それは読んでのお楽しみだが、先の戦争がアメリカが原爆の開発の準備が整ったのとほぼ同時にはじまった(もちろん、その投下によって終わったのだが)、という指摘は示唆に富んでいる。
その指摘を頭に入れてこの著を読めば、またひとつ深いヒロシマの謎の周縁を、あなたは覗き見ることができるかもしれない。
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