7日目・止まり木のえにし
10月23日。
ホテルで朝食。
何日ぶりの納豆だろうか。
準備すべき企画書もなんとか間に合って、そのプリントアウトに小銭がたくさん使えたこともあって、また格別に美味しくいただいた。
背中の向こうから「納豆大好きなの」との女性の声も聴こえて、なんか幸せな時間だった。笑
午前中は、知り合いの編集者相手に下北沢の喫茶店で出版企画4点セットのプチプレゼン。
昼過ぎに神保町に移動して、小諸そばの秋盛り天丼セットで腹ごしらえしてから、某版元で同じく4点セットのプチプレゼン。
どちらも決定打にはならなかったものの、それなりの感触もあって、まずは一安心。
気持ちが軽くはなったが、どこかに寄る元気は1ミリもなく、そそくさとホテルに帰ると、家から持参した乾燥ホーリーバジルをポットで煎じてバスタブに。ユニットバスがたちまち温泉気分となって、ようやくひと心地ついた。
風呂上がりにビールをひと缶あければ、現金なもので、かりそめとはいえ疲れも癒えて、歌舞伎町はゴールデン街に出撃とあいなった。
お馴染みの「鳥立ち」の止まり木に止まれば、たまたま隣り合わせたのが広島出身の女性。
聞けば広島で作られた映画を応援していて、観客の動員しだいで上映の長短、かかる劇場の多寡が決まる、できれば新宿武蔵野館で上映中につき観に行ってもらえないか、と頼まれる。
その映画「彼女は夢で踊る」は、ストリップ劇場を舞台にしたラブロマンス。失われゆくものへの挽歌でもあり、興味に誘われてすでに本場広島の横川シネマで鑑賞済みだった。
そう申し上げると、同映画を観た人間と新宿のネオン街の片隅のバーで出会ったことに、いたく感動されたご様子でご座いました。
この日の小銭買い
プリントアウト 180円
下北沢セジュール 800円
秋盛り天丼セット 590円
九段下喫茶店 286円
水切りネット 102円
計 1958円