①アキタカターンズ疑惑リターン
古典的な腐敗政治の体現者たち
かねてから疑惑が燻り続けているアキタカターンズ疑惑だが、9月18日の安芸高田市議会総務文教常任委員会において山本数博議員が取り上げたのを受けて、疑惑がメラメラと再燃しそうな気配だ。
石丸前市長の時代に、安芸高田市と合同会社アキタカターンズとの間で総額にして3千万円あまりの事業費が不明瞭な随意契約によって垂れ流されていたこの疑惑は、これまで各方面で指摘され再々問題視されてきたが、今回あらためての議題に上がり、継続審査として調査されることになった。市民からの声がさらに大きくなれば、疑惑の解明が進む可能性もありそうだ。
上の図のように、この疑惑の対象となっているアキタカターンズは、石丸前市長が市長選に立候補したさいに陣営の「中の人」として、ネット上でせっせと石丸の広報活動を支援していた人物が社長で、彼は過日の都知事選立候補にあたっての石丸の記者会見でも配信用の動画を最前列中央の〝特等席〟で撮影していたことが話題になったことでもわかるように、石丸前市長とはただならぬ関係とも言える応援者。
その彼が社長である会社に市長選の恩返しとばかりに、あるいは日頃の感謝を込めてか、石丸執行部から無競争の随意契約で多額の事業費が注入されていたというのが、このアキタカターンズ疑惑の構図。河井事件に端を発した金権政治批判のどさくさに紛れて、政治の刷新を掲げて安芸高田市長になった人物が、市政を私物化して腐敗政治の〝模範解答〟を出していたという笑うに笑えない話なのだ。
さらにいえば、議会では石丸擁護派として知られたシセイクラブの南澤市議がアキタカターンズの前身会社の社長で、先の委員会でも地方自治法第117条に抵触する(地方公共団体の議員は自己が従事する業務に直接の利害関係のある事件については、その議事に参与できない)として議場から除斥させられたように、いわば疑惑の関係者。その彼が市の担当者とは前身会社の時代以前から顔見知りというか〝ビジネス仲間〟というきな臭い関係にあって、ここに疑惑の匂いをかぐなというのが無理な話。しかも、この南澤市議が窓口となって、契約事業の『地域おこし協力隊』に、友人・知人を就職口のように斡旋してきたというのだから、その疑惑構図の完成度には平伏するしかないではないか。
そんな会社に上の表のように、見積もりから落札価格まで1円たりとも違わない前代未聞の随意契約を石丸執行部は無反省に続けてきたわけで、そのスキームの露骨さ悪質さは他に例を見ないもの。法に抵触するかどうか以前に、社会通念上ゆるされるべきことではないっしょ、て話なのだ。
このアキタカターンズ疑惑にとどまらず、恥ずかし気もなくみずからの似顔絵を使ったLINEスタンプを応援者のイラストレーターに発注しての利益供与、さらには都知事選での支援を前提にして東京ニュービジネス協議会と市との協定をフライング気味に結んだりと、石丸前市長による行政の私物化は度を越したものだった。古い金権政治から脱却して清新な政治を期待されて誕生した石丸市政だったが、その実態は以前にも増して古い利権政治だったことが次々に明らかになってきている。
石丸前市長は先ごろ、4年間住んだアパートを引き払って安芸高田市からようやく転出してくれたらしいが、彼が残した負の遺産はいまだに不発弾のように市内の至るところに埋蔵されているというのが実情なのだ。
この疑問符だらけだった石丸政治の後継者を自認・自称するグループの現職・元職、そして新顔が近く行われる安芸高田市議選には立候補するようだが、先の市長選で石丸市政に「ノー」を突きつけた良識の振り子を元に戻すようなことだけは避けてほしいものだ。
口当たりのいい言葉だけ、若いだけ、見栄えだけで虚飾のポンコツ市長を選んで苦渋をなめることになった苦い経験はもう懲り懲りだろから…
❋この原稿は書きかけです
PDFファイルはこちら
↓