タイトル

YES 「yessongs」

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キングクリムゾン、ピンクフロイドと並ぶプログレ御三家のひとつ、イエスのライブ盤3枚組のゴージャス。

聴きに聴きこみ血肉と化した前2グループに比して、このイエスは熱心にチェックしていたわけではなく、たしか1枚も買った覚えはない。これはライブラリーに知らぬうちに忍び込んでいたので、たぶん弟のもの。

それでもすんなり聴けたのは、耳には馴染んでいたからで、たぶん、当時、帰省すれば入り浸っていたロック喫茶「寿限無」で何度か耳にしていたからだろう。あるいはイエスがプログレッシブ黎明期に誕生したグループ特有の空気感をまとっているからだろうか。

いまネットの「プログレッシブロックの名盤」を見ると、見も知らなかったバンドが並ぶ。名盤はさておき、個人的にはプログレにカテゴライズするのは如何なものかと首を傾げざるを得ないものも少なくない。

例えば、7位にランクインのジェスロ・タル「THICK AS A BRICK(ジェラルドの汚れなき世界)」なんて、発売当時はハードロックのジェスロ・タルが出した「実験的なコンセプトアルバム」ととらえられていて、もちろんジェスロ・タルがプログレッシプロックに括られることはなかった。

同時代に体感していたプログレの空気感と、過去に遡ってカテゴリーの網に取り込む行為とのギャプを感じざるをえない。「プログレ」という大河に、いつどこから身を投じたかによって、受け手の感覚はかなり違うのだろう。

ロックをカテゴライズするの愚は承知で、この空気感という曖昧にして個人的な感覚で極論すると、わがプログレバンドは、このイエスを含めた前記3グループで打ち止め。あとは亜流か別枠ということになりそうだ。


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