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12月18日
突然おもいたって、年末の大掃除をバネにボチボチ人生の店じまいをはじめることにした。
で、最初に本棚に重ねていた写真から整理したら、探し物のポートレートが出てきた。
鉛筆画家の吉村芳生さんの作品。30年ほど前に広島YMCA近くにあったナガタ画廊でお会いした折に撮影された写真がこの作品になったのだった。
まだ彼が売れない前のことで、確か5千円だった。貧乏人でもなんとか捻出できる値段だった。
後年(若すぎる死でした)、鬼気迫るほどの筆致を獲得して名を成した吉村さんだったが、まだ描写が少しヌルく見えるのはモデルのせいもあったのか。
先日、突然探しはじめたのは、もしや値が上がって売れるかも、とさもしい情動に突き動かされてのこと。年齢を重ねてもなかなか俗っ気は抜けぬものだ。
今日は映画は観ないつもりだった。しかし風呂上がりにドキュメンタリーをつまみがわりにビールをやっていたら、やっぱり完観してしまった。
ジョーン・ディディオンというアメリカの女流作家のドキュメント。彼女を知ってる前提で構成しているため、作品のテイストがさっぱり掴めなかった。とはいえ周辺情報だけでも愉しめた。
身辺のことを普遍化した作品を書いていたらしい彼女が周囲の予想に反して政治ものにも手を染めたとき、ブッシュ時代のバイスだったチェイニーを散々に書いたらしい。それだけで親近感を覚えた。そのチェイニー評がなかなか面白かったので「8月6日のバット」(仮題)で参考にならないか、明日、感覚をリセットしてから検討して見よう。