笑うシロ

勘違いでは済まないこと

「秋田犬ですか?」

リキちゃん通りの向こうから、プードルの一種らしい愛玩犬を連れたおじさんが挨拶ついでに声をかけてきた。

これまで紀州犬と間違われることは再々あったし、「ソフトバンクのお父さんだ!」と叫んで小学生たちが走り寄ってきたこともないではない。

しかし秋田犬とは、またとんでもない奇手が飛んできたものだ。

は、はーん。
例のフィギアスケートの女子選手が気に入ったとかで、秋田犬がブームになっているせいだな、とピーンときた。

おつむの中にそのイメージが占めていると、目視するものがそれに見えたり思えたりするものなのだろう。
勘違い、思い込みとは怖いものだ。

来週6月28日の木曜日にやるトークイベント「ルポの現場から・あなたのお隣りのえん罪」では、ずっと冤罪事件を追っている広島在住のルポライター片岡健氏を講師に広島で起きた有名な冤罪事件をケーススタディにえん罪事件について学んでみたいと思っている。

その打ち合わせて何度か片岡氏と話しているうちに、冤罪事件の原因のひとつに、この勘違いや思い込みが大きく関わってることを知った。

「それ、秋田犬ですか?」
こんな程度の勘違いから無実の被疑者が冤罪のトンネルにどんどん追い込まれて行ってしまうのだ。

僕自身にも冤罪の加害者になりかけたことがあった。
恥ずかしながら被害者になりかけたこともあった。
その意味でも冤罪は、すぐお隣りに潜んでいる。

そんな身近な冤罪事件を推理小説でも読むようにスリリングに、また掛け合い漫才のように楽しく学んでいければと思っている。

ご興味のある方は、ぜひ足をお運びいただきたく、シロをダシにご案内いたしまする。


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