斃れた有翼恐竜
ある時期、ライブエイドでの「ハートビートシティ」を、気付け薬がわりに視聴していた時期があったカーズ。
なかで巨大な有翼恐竜のように悠然とリズムギターを刻むリック・オケイセックの異形は好みのビジュアルだった。
その恐竜が干からびたように老いた姿に哀感を覚えたのは、つい先日のことだったが、とうとう化石になってしまったらしい。
いっしょにカーズを結成したベースのベンジャミン・オールはとうの昔に他界しているし、これでカーズのナンバープレートは「THE END」になったということか。
いま追悼に落とした針はLPのエンディング「ハートビートシティ」をまわっている。
やっぱクールだな、この曲は。
そして不思議な懐かしさがある。
いまは有翼恐竜はきっと、ライブエイドでのプレイのように勇躍と、あちらの世界へと飛んでいることだろう…