タイトル

PINK FLOYD 「#UMMAGUMMA」

ウマグマ

キング・クリムゾンによってプログレッシブロックの洗礼を受けてからピンク・フロイドを知り、以後は主にこのふたつのグループを信奉するようになった。

ピンク・フロイドではじめて買ったのがこのウマグマで、先にご紹介したジェスロ・タルの「LIVING IN THE PAST」同様1枚がライブ、1枚がスタジオ録音の2枚組。詳しく調べてはいないが、これが発売された1969年前後にはこの構成でリリースされたアルバムがかなりあって、わがライブラリーにも少なくない。

2枚目の「#ポセイドンのめざめ」ののちは、メンバーの離合集散を繰り返しながら散発的にアルバムを出すだけになったキングクリムゾンにたいして、ピンクフロイドのほうはロジャー・ウォタース(b)、デイブ・ギルモア(g)、ニック・メイソン(ds)、リチャード・ライト(key)の4人が内省的ともいえる音づくりに取り組んでの円熟ぶり。「#原子心母」「#おせっかい」「#狂気」「#炎」へと、やや青くさかった独創性に磨きかかって、期待にたがわぬ、というより想像もかなわぬ音世界を提示しつつ「ピンクフロイドサウンド」を完成し、プログレッシブロックのひとつの到達点に至った。

その営為にリアルタイムで随伴できたのはラッキーだった。

ジャケットの壁面下に意味深に置かれてあるのはミュージカル映画「gi gi」のサントラ盤らしいが、後年、著作権の問題かで消されてしまったらしい。

これを外したスペースに、代わりにメンバーが入れ子で写っているわけで、「退場勧告」したのが関係者の逆鱗に触れたということなのだろう。

まさに青い時代のピンクフロイド。


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