「亀井さんから」の贈り物。

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河井克行容疑者が亀井静香氏の秘書氏に現金300万円を渡していたとか。その額は、これまでの最高額だというので、また話題になっているようです。

いままで河井案件は対岸の火事、というか不祥事。遠くから小石を投げているような感覚だったのですが、にわかに身近なスキャンダルになってしまいました。

というのも、不肖私の場合は逆に亀井氏の秘書と名乗る人物から物品を提供されたことがあったからなのです。
もう時効でしょうし、まあ贈収賄には当たらないでしょうからここにゲロいたしますよ。

高宮町のドリームフィールドが全国的な話題になったのが1995年でしたから、たぶん翌1996年の夏だったはずです。
グラウンドで楽しくベースボールを楽しんでいると、そこに地元の知人が何人かのおっさん連れでやってきたのですね。
見れば足元には馬鹿でかいアイスボックスがあって、中にソフトドリンクが山のように詰め込まれてあったのです。

「何事ですか?」と問うと、「みなさんで飲んでくれ」というのです。
「いいですよ、そんな気を使われなくても」
知人からの申し出だと推量した不肖私は、丁重にお断りいたしました。

するとその知人、

「亀井静香さんから」というではありませか。

いま思えば「安倍さんから」の亀井版だったのですね。(笑)

どこで知ったのか、亀井静香氏が気を使ってくれたのは嬉しかったのですが、「何か見返りを期待してるんじゃないか?」まあ普通そう思いますよね。
なんといっても相手は政治家です。触らぬ神に祟りなし、ですよ。

こちらが遠慮しているのを察しても、別に強要するでもなく、亀井氏の秘書らしき2人のおっさんはグラウンドでのゲームを楽しそうに見ているばかりなんですね。
そのうち知人がポツリと、「亀井さんが、みなさんの夢を応援したいと」と、思い出したようにいったのです。

そのひとことで、迷いは吹っ切れました。
ありがたく頂戴することにいたしたのですね。

「野球場づくりの夢への応援なら喜んで」てな感じです。

あのときの亀井氏の秘書氏たちの印象、悪くはなかったのです。どちらかといえば好感を持ってしまいました。
政治の嫌な匂いがしないというか、亀井氏をボランティア精神で支えいているというか、そんな立ち居振る舞いだったのです。

後年、亀井氏の地盤である庄原にも通いましたが、たぶん彼の息のかかった人々なんでしょう、仕事でご一緒しても謙虚で親切、酒席で飲んでも屈託のない人たちばかり。
まあ亀井氏も政治家ですから清濁なんとやらですよ。それをわきまえた上で、亀井氏には悪しからぬ印象を持っておったのですね。

彼はS学会の関連だといってKビールは飲まない主義だと聞きますし、郵政民営化で国の財産をハゲタカに差し出した小泉政権の売国政策には反旗を翻していましたし、政治的な正道は外していない人物として少しく買ってもいたのです。

でもなんですね、あのときアイスボックスを覗き込んだ不肖私のユニフォームの尻ポケットにお札で膨れた封筒がねじ込まれたらどうだったでしょうか、そう考えて背筋が寒くなるような思いをしました。(亀井氏はそんなことしないとは思いますが)

「いえいえ、開場のお祝いですよ」

そういわれれば、きっと素直に受け取ってしまっていたでしょう。
当時は野球場の維持管理にいくらでもお金が必要なときで、乞われてユニフォームまで売ってしまったほどでしたから。(笑)

まさに、きのうの我が身になりかねなかったわけです。






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