ジェスロ・タル LIVING IN THE PAST
このジェスロ・タルも、ツェッペリンにつづいて1972年に広島でライブをしていて、幸運にもこれも生で体験している。
ボーカルとフルートのイアン・アンダーソンの、あのクリクリと愛らしい瞳と目があって、小娘のごとく半失神。ツェッペリン同様、あとはほとんど記憶はない。
ツェッペリンにしても、タルにしても、当時はメジャーなグループこぞって広島に来たがっていた時代だった。
ラジオの深夜番組で、「ボブ・ディランにも来て欲しい」とハガキで投稿したノー天気な御仁がいて、湯川れい子だったか、「(金にシビアなディランを)ノーギャラで招こうなんてムシが良すぎるわよ」と諌められたていたが、良くも悪しくもヒロシマのブランドは絶大だった。
このジェスロ•タルを知ったのも悪ダチだったYの家のリビングでの、おふたりレコード鑑賞でのこと。
たぶんタル2枚目のアルバム「STAND UP」だったと記憶する。
こちらはツェッペリンとはひと味ちがう出会いで、じんわりときて、シュワシュワと沁みいってきた。
ボーカルパートでないときもギターに主役取られたくなかったイアン・アンダーソン、何か楽器をせむと選んだ楽器がフルートだったせいか、名演「ブーレ」を持ち出すまでもなく、もともとクラシックとは親和性の高かったグループ。クラシックから転向したにわかロックファンには馴染みやすかった。
このタルについてもYとはライブラリーはかぶらない。
ファーストの「#日曜日の印象」とセカンドの「STAND UP」はすでにヤツが持っていたから、以後の「#BENEFIT」と「#AQUALUNG」、「#ジェラルドの汚れなき世界」をわがものとし、先行2アルバムの欠落埋めるために買ったのがこの2枚組みのベストアルバム「LIVING IN THE PAST」だった。
4面のうち2面にライブ演奏が収録されていて、これは新譜も同然。穴埋めどころか、おもわぬボーナスもついて、めっけもののアルバムだった。
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