ムーディーブルース「A Question of Balance」
このアルバムが発売された1970年前後だったか、若くして芥川賞を手にした作家が、執筆はムーディーブルースを聴きながらしているとコメントしていたと記憶する。
目的と成果は違っていたにしても、私もBGMにはよくムーディーブルースを選んでいたから、共感を覚えたものだった。
なぜか?
当時、そんな理由を考えてみたこともなかったが、何かそれらしいわけはあるのだろう。
ムーディーブルースをひとことでいえば、紳士的でやさしい。
同じロックでも暴力的ではなく、創造的だ。
既存の体制を破壊するベクトルではなく、あらたな神話を語るような指向性がある。
きっと彼らの曲と演奏には第六感か、霊感かを刺激する旋律が忍び込ませてあるのだろう。
ちなみにウィキペディアによると、このアルバムのオリジナル盤の裏ジャケットには、『ナショナルジオグラフィック』誌に掲載されたジョン・ブラッシュフォード=スネルの写真をモデルにした人物(ピスヘルメットを着用し銃を持った男性)が描かれていた[5][8]。そして、これに対してスネルがバンドとレーベルを訴えたため、該当する部分は後に、ピスヘルメットをかぶっていない人物に描き直された[5][9]。
とあったが、たしかそれらしきものが描かれていたはず、と見直してみたら、やっぱりあった。
「もしかして、これってレアもの?」
長く生きてるといいこともあるよ。(笑)