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"そのへんの3cm"ロゴをデザインする!

路上観察をして、一日二枚スマホで撮影したなにかを投稿し続ける企画、"#そのへんの3cm"。2023年4月時点で1800回を超え、いろいろな人の目に届くようになってきましたので認知しやすいビジュアルロゴをつくることにしました。

普段のクライアントワークでは、なかなか自己表現はできませんので自由に書いてみたいと思います。

世のデザイナーさんたちの中で、もし、ご自身のロゴデザイン手法と異なる点などあればコメントしていただけると幸いです。


どんなロゴをつくるの?

ロゴと言といっても、企業ロゴから、Webサイトの左上につくもの、アニメーションやジングルまで、多種多様です。

まずは「用途」を確定させて、機能性の定義を行います。

・noteをはじめとするSNSやWebサイトのビジュアルロゴ
・SNSの広告を出したい
・ステッカー・名刺的なカードを作りたい
・【追記】コインを作りたい!

つまり「静止画」で「ぱっと見て活動内容や要点が汲み取れる」ものが良さそうです。


誰に向けたデザインにするの?

・小学生から中学生ぐらいで、自然の中であそぶ機会が多いキッズ。スマホやカメラが使える層。

・幼児か小学生ぐらいの子供を持つお母さん。ついでにお父さん、おじいちゃん、おばあちゃんなどの保護者層

・コロナ禍で暇を持て余した人々

だいたいこんな感じ。

"#そのへんの3cm"は「道ばたの観察をやってみませんか?」というところから出発しているので、忙しい学生さんやばりばり働いている社会人よりも、ファミリー向けなのかなと。はい。


キーワードを整理しよう!

メインのコピーライトは「”とくべつ な ふつう”を探しだせ!」なので、それを補足する形でキーワードを燻り出します。

3cm。マクロ。
・生活感。LOHAS。豊かな生活。
たんけん。知的好奇心。
自然。アウトドア。
・動物。虫。植物。
スマホ。お手軽。安価。
・やさしい。わんぱく。げんき。

着地点のサンプリングをしよう!

経験則から、ロゴを作るにせよなんにせよデザインを行う際には「着地点」を明確にしておくと失敗が少ないです。ざっくり言うと「はやい話がこんな感じ」があるといいのです。

実際にサンプリングした例を紹介しておきます。

なんとなく、ロゴにイラストが融合しているタイプなんじゃないかなーという感じにまとまってきました。

さらにボクの脳裏には、隣のトトロのオープニング「さんぽ」のイメージがありました。

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われわれの世代の原体験はだいたいこのあたり

だれと作るの?

優しい感じのイラストが描け、ロゴのデザインができるデザイナーさんと作ると楽しいかなと思いました。

いろいろ探していたところ、身近にいるじゃないですか。ってことで、うちの会社のスタッフ「namba_nano.coさん」に個人的にお願いすることにしました。

もちろん会社の仕事ではないので、ポケットマネーでギャラを支払います。いいデザインにはお金を支払わなければなりません!(ねぎったのは内緒)


最初のラフだ!

さて、チーム編成も終わり(総勢2名ですが)ましたので、情報共有。なにを、だれ向けに、どんな風につくるか。ブレストを兼ねて打ち合わせを行います。

"#そのへんの3cm"の理念を伝えながら、ヒアリングの時間をとったりで、数回打ち合わせを行います。その間に固まってきたイメージをアウトプットしてもらいます。

以下が最初のラフです。思いついたアイデアをどんどん形にしますので精度は必要なく「着地点はどこか?」を探しています。

みどりで括ったものが、いい線いってる。と判断したものです。

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実在する動植物をモチーフにしたい!

当初より、イラストロゴを作成する際に「なんとなくの動物」や「なんかみたことあるような植物」にはしたくないと考えていました。

なので、イラストには具体的なモチーフを定義してもらうようにしました。以下はボクのラフです。特徴を捉えやすく、ある程度メジャーで伝わりやすいモチーフを提示しています。

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その要望に応じてもらったのが以下の習作。後で聞いた話によると、ロゴに落とし込むにはデフォルメが必要になるため、個別に特訓してくれたみたいです。

iOS の画像 (1)
iOS の画像


最終選考!

いずれの案も魅力的で、ラフの段階では決めきれなくて最終選考まで2案並行で進めてもらいました。(並行2案でブラッシュアップするとコストと時間がかかるので、普通あまりやらない。)

A案:草木や虫が組み合わさりスマホの形になるやつ

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3cm_logo-A210411のコピー

ボクの当初のイメージを進めたパターン。収まりも良く、スマホだとわかるし、デザイン的な特性からイラストも多用できるためバラエティ豊か。

被写体がなんであるか」が一目瞭然で、洒落も効いている。細かいバランスを整えつつ、精度を上げていきました。


B案:スマホと手。スマホに草木と虫を這わすやつ

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3cm_logo-C210411のコピー

A案よりも、さらに具体的にシーンを抽出したパターン。草木や虫の量は減ったが「どんな活動なのか?」という問いかけに答えることができる

最終的にこのB案に決定するのだけれど、A案よりも具体的であるというポイントが決定だとなった。ただ、下部の収まりが悪く、不安定な感じが否めなかったので、工夫することに。

しあげ。そして完成へ。

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スクリーンショット 2021-05-25 17.06.08

紆余曲折を経て、ビジュアルロゴが完成しました。

最後にネガポジ(白地に黒と黒字に白)の2パターンを作成して完了!個人的にも満足度高いぞこれ。


実際に使ってみる。利用例をいくつか。

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背景に写真を配置する方法がメインになりそうなので、これまでの写真のいろんなタイプに重ねてみた。

結論から言うと、淡い色合いで、全体的な色のトーンが統一されているものが相性が良さそう。


ネガパターンの場合の使用例

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ネガ(黒っぽい背景に白いロゴ)パターンでは、モノトーンが良さそう。色がつくとごちゃつく。

さらに写真の明るさをかなり抑えると視認性が上がる。が、全体的に暗いイメージになりがち。


ポジパターンの場合の使用例

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ポジ(白っぽい背景に黒いロゴ)パターン。たとえば「グリーンなスギナの水玉」や「たんぽぽ綿毛」のような場合は、ロゴの色相を背景のものと同調させるとなじみやすい。

ポジパターンの方が、"#そのへんの3cm"のイメージにはあっている気がしますね。


まとめと感想

自分勝手な要望を具現化するというのは、普段の仕事ではなかなかできないので、新鮮な体験でした。

ロゴを使った販促物(ステッカーとか名刺とか!)も作って配りたいのですが、お金がない!さあ、どうしよう?!

noteのサポート機能とか投げ銭とかでなんとかならないか考え中。ボクが提供できるものなんてたかが知れてるので上手い戦略が必要だなぁ。

おしえてえらい人!


あと、冒頭でも書いたのですが、世のデザイナーさん方、ご自身のロゴデザイン手法とことなる点などあればコメントしていただけると幸いです。


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