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FF16クリア後の感想(システム編)

皆さんウィル値削ってますか?
今回はFF16のシステム部分ということで、カスタマイズ・戦闘・コンテンツについての感想を書いていきます。
支度はしっかりとね。


システム編

カスタマイズ★★★★★

今回はFFナンバリングタイトル初の本格アクションRPG(公式)となりました。
FF15がかわいそうすぎますが、あれはコマンドモード(だったっけ)もあるので多少はね?

アビリティとフィート

今作の主人公クライヴは、物語が進むにつれて様々な召喚獣の力を獲得していきます。

よりどりみどり

戦闘では、事前に最大で3種類の召喚獣を装備しておくことで、原則としてそれらの召喚獣の「フィート」「アビリティ」を使用できるようになります。

・フィート…〇ボタンで発動できる、クールタイムなしの常駐能力。移動技が多いほか、防御技、設置技などがある。ダメージ効果はほぼオマケ程度。
個人的には召喚獣「ガルーダ」のフィート「ガルーダエンブレイス」がお気に入り。軽量の敵を掴んで目の前に引き寄せる技で、吹き飛ばした敵や上空の敵を引っ張っては殴って吹き飛ばし、また引っ張っては飛ばし…でハメるのが楽しい。

・アビリティ…R2+△、R2+□で発動できる能力。再使用にはクールタイムの経過が必要。連続攻撃や範囲攻撃など非常に多彩。
個人的に最後までお世話になったのが召喚獣「イフリート」のアビリティ「ウィル・オ・ウィクス」。クライヴの周囲に小さな衛星火球を発生させて体当たりで微弱なダメージを与える地味なアビリティだが「敵の攻撃ダメージを2回(強化後は4回)無効化する」という能力があり防御面で非常に役に立つ。

このカスタマイズはFF5に通じる面白さがある。

このうち「フィート」は召喚獣と結び付けられているのですが、「アビリティ」は「AP(アビリティポイント)」を消費して強化することで、別の召喚獣のスロットに装備することができます。

「アビリティ」は召喚獣毎に4種用意されており、このうちの1つは「ダイヤモンドダスト」「裁きの雷」などFFの召喚獣お馴染みの大技となっており、クールタイムは長いものの非常に強力です。

大技は演出もド派手で楽しい


つまるところ、プレイヤーは実際には召喚獣プールの中から3種の「フィート」と合計6種の「アビリティ(小技)」「アビリティ(大技)」を選んで装備し、戦闘で駆使していくというわけです。

このあたりはFF5のシステムに非常によく似ていますので、5をプレイしたことのある方ならすぐ納得できると思います。
なお、実際に開発側はFF5のシステムをアクションに落とし込むつもりで作ったとのこと。
ここまで一切文句を書いてないあたりお察しできるかと思いますが、ここは大変よくできたシステムだと感じているので、召喚獣(フィート・アビリティ)の装備については文句なしの評価とします。

武器・防具・アクセサリ

シンプル極まりない要素となっています。

クライヴの数値的な能力は、実質のところ「HP」「攻撃力」「防御力」「ウィル(戦闘の評価で説明します)」の4つしかありません。
しかも、「攻撃力」「ウィル」は成長・装備による数値の上昇が常に同値のため、絞って言えば数値を気にする項目は3種類しかないということになります。

攻撃力とウィルは常に同値


また、基本的に武器・防具に属性や追加効果などはなく、「アイスブランド」だろうが「エクスカリバー」だろうが攻撃力・ウィル値を上げるだけの存在となっています。
と、いうかそもそもこのゲームは属性相性や状態異常が存在しません。
ここはまあアクションの爽快感最優先といったところでしょうか。非常に思い切ったことをやっていると思います。

結局、武器・防具に関しては「数値の上がるものをつけていけばよい」ということになり、戦術に影響を与える要素は無いといえます。

全ての武器防具がバニラです。


このゲームは「死にゲー」ではなく、「デビルメイクライ」に見られるようなスタイリッシュアクション寄りですので、武器防具のシンプルさは個人的には好感が持てる部分です。

一方、アクセサリはきちんと効果テキストを持っており、多彩です。
特にアビリティのクールタイムを短縮させるものが目立ちます。1種のアクセサリにつき1つのアビリティにしか対応できていないのが悩ましいですが…

アクセサリは付け替えの楽しさがある

なお、アクセサリは最大で3つまで装備することができますので、装備の組み合わせの楽しみはアクセサリに凝縮されていると言っていいでしょう。
ここは過不足なく、普通といったところです。

難易度設定・プレイ環境

アクションゲームということで、アクションゲーム苦手製の方々は尻込みしていると思いますが、本作ではその点優しいつくりになっています。

基本的に難易度はアクションを楽しみたい人向けの「アクションフォーカス」とストーリーを楽しみたい人向けの「ストーリーフォーカス」の2択です。(クリア後はさらに高難度の設定が出現します)
私は1周目を「アクションフォーカス」で通してプレイしたのですが、序盤では何度かリトライしたものの、装備やアビリティの充実した後半はラスボスも含めて苦戦することなく終えられたという感じでした。

クリア後に「ストーリーフォーカス」で一部のエピソードをリプレイ(今作では回想プレイができます)してみたのですが、ちょっと敵がやわらかいかな?と思いました。攻撃を食らったら違いがよくわかったかもしれません。

特筆すべきは最初から持っているプレイヤーの技術面をサポートするアクセサリ群で、自動でアビリティを組み合わせた攻撃を行ったり敵の攻撃を回避してくれたりします。

疑う余地のない救済措置。


正直、この「オートドッジ」は自分で使ってみてゲームバランスに著しく影響を与えると感じたため、早々に縛りました。
ただし、アクションゲームが苦手な人にとってはこの上ないサポートです。「オートドッジの指輪」「オートアタックの指輪」「オートポーションの指輪」を装備し戦闘に赴けば、あとは□ボタンを連打しているだけで大抵は勝ててしまうでしょう。おもろいんかそれ。(と思ったら適宜外して調整すればいいです)


プレイ環境はどうでしょうか。
環境設定は特に不満もなく、充実した内容になっていると思います。

特に、「モーションブラー」(移動や操作の際に残像を発生させる)をOFFにできるのは有難いところでした。カメラ設定とモーションブラーの設定を調整するだけで、画面酔いしやすい人でも比較的遊びやすくすることができるのではないでしょうか。

強いて言えば、体験版の段階で「召喚獣合戦」中の文字が非常に小さく読みづらいといった不満がありましたが、プレイに慣れるにつれ問題なく(読まなくてもわかるので意味がない)なってきたので最終的には不満を感じる部分ではなくなりました。
ちなみにキャラクターのセリフ等は充分な大きさがあり、読みやすいです。


総じて、カスタマイズに関する部分は良くできていると思います。
同じARPGでも武器防具に効果を持たせたり、重さの概念を設定するなど複雑なものもありますから、思い切って引き算したのはかえって新鮮で好感触でした。
物足りないという方もいるとは思いますが、個人的には5段階中最高評価の5としてよいと思います。
カスタマイズ評価:★★★★★


戦闘★★★★☆

モーション

本作のキモである戦闘の評価です。

「フィート」「アビリティ」についてはカスタマイズのところで述べましたし、どういうコンボが強かったみたいな話は想像しづらいでしょうからやらないでおきます。

まずはモーションについての感想です。

アクションゲームにおいてモーションは非常に重要だと思います。
「三国無双」のように俊敏であればあるほど爽快感は増しますし、「ダークソウル」のようにモッサリした動きであればプレイヤースキルの影響がより強く表れます。

本作のモーションは、近いところでいえば「デビルメイクライ」シリーズだと感じました。あれと異なる点としては、武器種が剣1種に限られるため通常攻撃のモーションがずっと同じというところですね。
これは「飽き」に繋がる点だと思うので、もし今後追加コンテンツがあれば武器種の拡張(というか武器種という概念)を期待したいところですが…

また、フィートやアビリティの使用後の硬直がもどかしいという不満点もあります。

例えば召喚獣シヴァのフィート「シヴァスナップ」は氷の上を滑るように高速移動するのですが、着地点で重めの硬直が発生します。
強力なフィートなのですが、硬直のせいで移動技としてはあとひとつ足りない印象です。

移動自体は非常に便利


硬直キャンセルの手段のひとつとして召喚獣オーディンのアビリティ「境界転移」(態勢を立て直す効果)があるのですが、入手が遅いのとアビリティであるため再使用までのクールタイムがあり、小回りが利いているとは言えません。

全体的にデビルメイクライのようなスタイリッシュで爽快感のあるモーションではあるのですが、硬直を緩和してほしいなという不満が残るといったところです。

テイクダウン

本作の戦闘において、「テイクダウン」は戦略レベルで重要になってきます。

大型の雑魚敵~ボスには「ウィル値」が設定されており(小型の敵には基本的に存在しない)、それを削りきると「テイクダウン」が発生し、「ウィル値」が時間経過で完全回復するまでの間、例えラスボスであっても一切の行動を封じることができます。

テイクダウンの瞬間は敵がアップになる演出

アビリティは武器と違って「攻撃力」「ウィル(ウィル値に対する攻撃力)」が同値ではありません。
そのため、プレイヤーは「テイクダウン」を狙うために「ウィル値」を効率的に削るための「戦略」としてアビリティ構成を考えるというわけです。

そして、「テイクダウン」させるために状況に応じてどのアビリティを使用していくかの「戦術」があり、「戦術」をこなすための位置管理や回避といった「技術」が求められるといった具合に、「テイクダウン」を中心としたプレイングを行うことになります。

「ガウジ」は威力は低いがウィルを効率的に削れる。

あ、「戦略」「戦術」「技術」の違いについては皆さん各自でググってください。

このあたりの「戦略」に関する段取りは、プレイしたことのある方は少ないかもしれませんが「ライトニングリターンズFF13」がかなり近いです。

あちらは我らがライトニングさんが一人でアクティブタイムバトルをするということで、ATBゲージ管理(FF16でいうクールタイム管理)をしながら3種の「ウェア」(ほぼジョブシステムと思って差し支えない)を切り替えながらやっていき、敵の行動を封じる「ノックダウン」を狙っていきます。

早い話、ライトニングリターンズの戦闘システムをアクションにしたものがFF16の戦闘システムであるといっても概ね通るでしょう。

ライトニングリターンズのプレイヤーが少なすぎるせいで共感を得るのは非常に難しいと思いますが、私はけっこう爽快感を得られて好きなので戦略から共通点の多いFF16も同様に評価できると思います。
FF13の「ブレイク」の仕様はこの遥か上をいっているのですが、あれに並べというのは高望みでしょう。

仲間の存在

FFといえばパーティー編成の楽しみがありますが、本作では自由なパーティー編成は行えず、主人公に追従する飼い犬(狼)のトルガル以外は加わったり抜けたりとわりと目まぐるしく変わっていきます。
まあ、そもそもARPGでパーティー行動というもの自体が珍しいですね。大半のゲームは主人公の単独行動だと思います。

いまいち何やってるのか掴めない頼れる仲間たち

ただし、トルガルについてはコマンド指示ができ、攻撃から回復までサポートしてくれるので良いのですが、他の仲間(サブキャラクター)は何をやっているのか、どれほど貢献できているのかが非常にわかりづらいです。

ドミナント(召喚獣の力を持つ人間)の仲間キャラは派手な魔法もガンガン使ってはくれるのですが、普通にプレイしているぶんには意味をあまり感じませんでした。
せめて弾除けにでもなってくれればいいのですが、恐らく全ての敵のヘイトは主人公に集中しており、仲間が挑発で敵を引き付けている間に回復を~みたいな行動を期待することはできません。もちろん操作キャラとしての切り替えもできません。

旅の同行者として、という演出なのはわかるのですが、参加するならするでもう少し戦闘での動きをハッキリとさせてほしいというか、せめてメニュー画面でステータスくらい見せてくれという感じですので、この要素は(戦闘の要素としては)評価するに値しないと思います。

総じて、戦闘においてはスタイリッシュで爽快感があり、戦略から技術に至るまでの要素をしっかり体感できるという点では良し、一方で硬直が戦闘のテンポを崩しており武器種の概念がなくずっと同じ通常攻撃のモーションを行うことになるという点・仲間の存在意義が不明な点が不満といったところです。
ただし、不満と言っても仲間に関しては良かった点に水を差すようなことではないので、純粋にはモーションにやや不満が残るということでここでは5段階評価の4としておきます。
戦闘評価:★★★★☆

コンテンツ★★★☆☆

おつかいクエスト

最後にコンテンツの評価です。ここでは何と言ってもみんな大嫌いおつかいクエストの評価をしておかなければならないでしょう。

これはすき。

現代RPGではもはや定番となったおつかいクエスト(おつかいクエストがどういうものなのかは説明不要でしょう)ですが、本作の特徴としては、関係者からの依頼が多いというところです。

少数ながら、誰だオマエみたいなNPCからの依頼もあるのですが、大半のクエストはクライヴの所属する「隠れ家」に住む仲間やその支援者からのものになっています。
これらのNPCは人物相関図があればどこかに書き込める(卒業写真の欠席者ポジではないような)程度の繋がりのある人々なので、おつかいクエストの進行によって依頼者のバックボーンだとかそういうものが垣間見えるというのは評価に値します。

リスキーモブ

FF12にあったリスキーモブ討伐ほぼそのままの内容で、掲示板に張り出された強敵の情報から位置のアタリをつけ、赴いて倒すというシンプルなコンテンツです。

これだけの情報量から位置を割り出します

これもARPGにはよくあるものだと思いますが、本作では「隠れ家」で掲示板を見る以外で位置の情報を得られないので、一度確認したものはメニュー画面から再確認できるようにしてほしかったなという思いがあります。

なお、リスキーモブはストーリーのボスよりは強い「かもしれない」程度の難易度に感じました。確認していませんがもしかしたら2周目は2周目以降限定の敵もいるかもしれません。ヤズマットみたいなやつを期待したいですね。
リスキーモブの評価は、よくある普通のコンテンツということで、普通です。

チャレンジ

各地の石碑から、特定の召喚獣のフィート・アビリティだけを用いて攻略するチャレンジに挑むことができます。

こちらは1周目ではなんか面倒くさくて殆どやっておりません。
やれば面白いのかもしれませんが、フィートやアビリティは普段使っているものの「慣れ」の依存度が強烈なので、改めて「バハムートの能力だけでやれ」とか言われると正直抵抗が出てきます。

やるかどうかの前にリワードを提示すべき

あまりやっていないのに評価をするというのも良くないですが、やること自体に抵抗があるということは自分にとっては間違いありません。

総じて、コンテンツに関してはどうしても普通と言わざるを得ない様子です。
過去作のカードゲームやブリッツボールのような気合の入ったミニゲームも無く、基本的には結局ずっと戦いっぱなしということで息抜きにもならないといった感じです。

また、このゲームでは「探索」要素がほぼなく、徹底的に戦闘とストーリーにフォーカスしたつくりなんだなということがわかります。
ここは5段階評価の3とします。
コンテンツ評価:★★★☆☆


まとめ

今回はシステム部分を見ていきました。
12点/15ということで、「良い」のひとつ上のラインと言っていいでしょう。
戦闘は本作でも特に力の入っている出来で、フィートとアビリティを組み合わせてテイクダウンを狙っていく戦闘は爽快感や戦略性、さらにはプレイヤー毎の個性があり、本当に面白いと思います。
個人的には、遊んで損はないという評価です。

全体のまとめ

さて、前回の記事と合わせて8つの項目を評価し、感想を書いていきました。
総合すると27点/40ということで、私の言葉で言うと、「手放しで他人に勧めることはできないが及第点はクリアしており、個人的には満足。」といったところです。

ここまでそれほど書きませんでしたが、このゲームからはクリスタルの重要性や召喚獣の扱い、王道のストーリー、登場人物の厨二病などから「ファイナルファンタジーらしさ」が強く感じられます。
いろいろ不満な部分もあるにはありますが、ナンバリングタイトルとして不足はないんじゃないかなと思っています。

あとは、多くのプレイヤーが遊んで知見が集まり、やりこみプレイが活発になるなどコミュニティの拡がり次第でも評価が変わってくるでしょう。

前述の通り勧めづらいタイトルではありますが、「召喚獣合戦」という大きな強みもあります。気になっているなら是非購入して遊んで、自分の感想をまとめてみてはいかがでしょうか。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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