安らかな夢を。

極彩色が重なりすぎて色がくすんだ部分も、美しいグラデーションや透過した部分も、何もかも暗闇のなかで輝きを失い、静かに眠り、やがて無いものに変わっていく時がくる。

『全ての人がみんな幸福』という状態にになれないこの世界が、眠りについたあと安らかな夢を見られるように祈る。

最果ての時間の中で全部消えてしまっても、きっとまたなにかが目覚めて絵の具を散りばめていくのだとしても。

静かに還るその時を待つ。

はやく気がついて。

幻が夢を見ている。


2024

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