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スイスワインの地⑤ Ticino:ティチーノ
ローマ時代からワインが作られていたとされるイタリア語圏のTicino。
Ticinoなら絶対にメルローを探求したいところです。
余談ではありますが、Ticinoには船に乗ってしか行けないとても小さな税関ミュージアムあります。
イタリアと面しているからこそ戦時中はお米の密輸等が行われていたとのこと。Ticinoの陽気さ・朗らかさの一面だけではなく、ほの暗い歴史も感じられます。
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Ticinoのスイスワインについて
Ticinoで最も知られているのは何といっても黒ブドウのMerlotです。
地中海性気候*の影響を受けるため、Merlotの栽培に好条件であるのみならず厳格なルールに従って醸造されたMerlotは、ボルドーの真のライバル、Merlot第二の故郷とまで言われています。
Merlot Biancoとして白ワインに仕立て上げられることもあり
そのふくよかさと風味に虜になる人も少なくありません。
*地中海性気候(温帯冬雨気候)
夏は中緯度高圧帯に入り晴天が続き乾燥する。
冬はアフリカ北西部に中心を持つアゾレス高気圧と大陸高気圧の気圧の谷の影響によって前線や低気圧が活動し、降水量が増加する。冬の最多雨月の雨量が、夏の最小雨量の3倍以上のところと定義される。古くから西洋文化発祥の地として知られる。
実はMerlotは、フィロキセラによって壊滅したブドウ畑を復活させるために1906年にTicinoの州策によって、この地で栽培する主たるブドウ品種として選ばれました。
ローマ時代から続くワイン産地ではあるものの、それまでに栽培されていたブドウ品種で生き残ったのはBONDOLAだけです。
BONDOLAからは酸味が高く、チェリーの風味とアロマを持つアルコール度数がそこまで高くないワインが生産されます。
Ticinoの生産地について
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アルプス山脈の南斜面に位置するTicinoは豊富な降雨量と豊富な日照量に
恵まれていて、ブドウ畑の約80%がMerlotを栽培しています。
北部のソプラチェネリは急斜面の段々畑で、酸性土壌です。
南部のソットチェネリはなだらかな斜面の畑で、石灰岩土壌です。
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TicinoのAOCについて
TicinoのAOCは AOC TESSIN (TICINO) の一つだけです。
このエリアの大らかさを表している印象があります。