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僕の細道(本編)⑥ 雲巌寺

僕の細道(本編)⑥   雲巌寺

鬱蒼と左右からのしかかる杉木立の影に道路が薄暗い

全く気づかずに通り過ぎてしまったことに
カーナビの反応で気づく
表道からではわからない
そのくらいひっそりと控えている

駐車場だと思われる道向かいのだだっ広い空地に車を止め
杉木立の間を分け入ると
表からは想像出来ない空間が静かに広がっていました。

この寺の仏頂和尚は芭蕉の禅の師匠

「縦横の 五尺にたらぬ 草の庵 むすぶもくやし 雨なかりせば」  仏頂和尚

この寺の奥に和尚が山ごもりした庵があるという
そこを踏まえ

『啄木も 庵は破らず 夏木立』  芭蕉

啄木鳥(きつつき)もさすがに仏頂和尚の庵は破らないでしょう

まっ、単なるヨイショの句でしょなa

芭蕉は俳諧師である。
俳諧は複数の人が順に句を詠み合う座です。
そのリーダをつとめ教授し料をいただくのが仕事。

当然のことではあるがスポンサーへの心遣いも必要ですが
それ以上に禅の師匠への崇敬の念もあっての句かと、、、

境内には人影は全くなく夏の真っ直ぐな日差しと蝉の声だけが満ちています。

そんな境内のまん中に高さ1m直径20cmはあろうかという
大きなヤマユリが静かに風に揺れています。

『山古刹 静かに揺れる 百合の影』  無精

⚠️この日記は10年前に書いたモノです。

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