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僕の細道(本編)15 病葉流れて

僕の細道(本編)15 病葉流れて

今日の寝ぐらはここ

(写真)

遠くにはいよいよ明日から目指す『細道』ヤマ場の出羽三山を望み

眼下には将棋の駒で有名な天童の町が遠く一望できる

冬はスキー場、夏はキャンプ場にしているようです。

一応昼間に電話を入れて予約しておいたのですが

午後6時には管理人は誰もいません。しかも、客も一人もいません。

またオイラはひとりです。

結構立派な施設が作ってありますがテント1張り一泊450円です。

トイレも洗い場も新設で超きれいです。

こりゃイイやとゆっくりテント張って一旦街に下りてお風呂へ入って帰ってきた。

残念ながら曇り空で星は見えない

することもないし結構疲れが溜まっているので9時頃には寝ちゃったのですが

なんと、夜中に次から次と車やバイクがやって来る

ここまで登って来る道が結構なワインディンロードで

走り屋のお兄ちゃん達の練習場所?って感じ

何往復もしてる。うるさくて全く寝れない。

そのうち、キャンプ場の施設にみんなで溜まって騒ぎ始める始末

夏だしなあ、自分の若い時を思いだし

文句言うのは控えた。こっちが殺される。(笑)

思えば山のテントではいろんなことがあった。

登山途中で道に迷ってしまい野宿したのはいいんだが

恐ろしい雨と強風でペグが抜け飛び

ただ身体にテントをまとっているだけの状態になり

岩場で夜が明けるの待ち続けてたこともあった。

又、多分10km四方人間は居ないと思われる山奥でテント張ってるのに

真夜中ふと気が付くと物音がそして複数足音が近づいて来る

寝ぼけてるのも手伝って怖くて外へ出れない

テントの中でただ一人緊張で心臓が張り裂けそうになり

ナイフを握りしめていたこともあったっけ。

今から思えば多分、鹿か何か動物が

縄張りに入って来たオイラを確認しに来たのでしょう。

ただ、いつもその恐怖の中で結果どうなったか?なのですが、、、

オイラ、寝ちゃうんです(笑)

長時間の緊張感が保たないんですね

あんなに怖くてビビりまくっていたのに

気がついたら朝なのです。いつも。。。

夢だったのかな?それとも、あまりの恐怖に気を失ったのかな?

で、オイラいつも思ってるんです。

シャバで面倒臭いことが起こったら寝ちゃえ!って

いつかは夜が明ける。嵐も去る。そしてまた陽が登る。

最悪の場合も寝てたら痛くないし

そうやって、人が聞いたら作り話としか思えないような無茶苦茶な人生を

偶然くぐり抜けて来たわけですが

オイラが若い頃愛読した開高健大先生のお言葉

『漂えど、沈まず!』

まさにオイラには人生の指南のお言葉

※元はフランス、パリ市のモットー。

でも何度も沈んだ。。。

そしたらそのうち水中呼吸できるエラが生えた。ウソ。

でもどうにか浮けるようになった。

コツは多少沈んでも力を入れないこと

流れが勝手に運んでくれます。

で、今日も『漂泊の思いやまず』で漂っています。

一体何の話しているのか、わけわからんようになった。

戻すと

このままでは何時まで来客があるか想像がつかないので

テント張ったまま、山を下りて町のビジネスホテルへ泊まり、朝帰ってきた。

たまにはこんなこともある。

山でも一番厄介なのは自然でも動物でもなく、やっぱり人間様ってことか?

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