本のはなし2

 お久しぶりです。最近、「私が読んできたどの本の、何をすきだと言いたいだろうか」と考えます。
 好きだ! という気持ちはそれだけで伝わるものだけど、その「好き」は奥深く、どう言葉を尽くせば自分が読書をした時の喜びや興奮やときめきが伝わるだろうと思いますか。そういう深堀りという意味も含めて、noteはじめてよかったと思います。

 今回は本への愛と信頼に満ち溢れた本のお話しをしたいです。

「本屋さんで待ちあわせ」三浦しをん だいわ文庫

 書評と本にまつわるエッセイ集です。もう本当に、本への愛が全ページから溢れてきます。
 著者の本は小説からエッセイ、書評と色々読んでおりますが、どれも言葉や言葉の根底にある自分の気持ちに丁寧で真摯だという印象を受けます。
 エッセイはおもしろく、小説は人の心の機微を繊細に紡ぎ出す。
 この方の内にはどれほどの語彙が渦巻いていて、どこでどういう言葉を使おうか、丁寧に考えられていると読むたびに感嘆してしまいます。

 あといつも驚くのは、沢山本を読んでいること、そしてその感想に沢山に言葉を紡がれるということ。
 こんなにも沢山の本に触れているから、こんなにも色彩のある語彙になるのだろうなと思います。
 読んでいる本のジャンルも多様です。エッセイ、小説、短歌、インタビュー……。普段私がタイトルも目にしたこともない本も、この著作の中には沢山でてきます。でもどの書評も読むと「なんだかおもしろそう……!」と思わせてしまうすごい本です。

 本を読み、自分の血肉にするというのはなんと難しく、そしてなんと素晴らしいことなのだろう。それをおもしろいや好きという言葉で感想を締めくくらず、書評という形で他者に紹介までしてしまうのは本当に簡単なことではないなと、noteをはじめて実感しました。
 そして著者が自分の血肉とした本をこうして片りんだけでも一気に味わえてしまうこと本は、何と贅沢な本だろう。
 著者の本にまつわる文章を読むと圧倒されるし、それと同じくらい自分ももっと沢山、貪欲に本に触れていきたいと思います。

 そのためにも、もっともっと自分の心の琴線を震わせる本探しに貪欲になろうと、この本を読むたび決意を新たにするのです。

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