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「コロナ禍でホテルはどう変わるのか?」 に対する私なりの回答をまとめます。

新型コロナウイルス感染症が発生してからちょうど丸1年。2020年は、緊急事態宣言、イベント中止、在宅勤務…と、挙げだすときりがないですが、誰にとっても、まさに「新しい生活様式」の努力の1年だったのではないでしょうか。世界中の人々がマスクをつけているという未来を、誰が予想できたでしょう。

上半期に比べると最近はかなり街に賑わいが戻ってきました。とはいえ、コロナ禍は続いており、連日夕方のニュースでは新規感染者数が大きく取り上げられ、まだまだ行先の見えない不安もあります。

一般的に、ホテル業界や観光業界は、コロナ禍で大打撃を受けている、というイメージを持たれるのではないでしょうか。それ故、この1年、行く先々(オンライン含む)でたくさんの方々に、「コロナ禍でホテルはどんな打撃を受けているか」「コロナ禍でのホテルや観光業の在り方とは」「アフターコロナの世界でホテルはどう変わっているのか」といったご質問をいただきました。

コロナ禍でのホテルを考えると、抱いて当然の疑問ですよね。その度に、私はこうお答えしてきました。「ホテルの本質は、何も変わりません」と。いやいや、そんなことないだろう、と思われる方もいらっしゃると思います。今回の記事では、コロナで「変わらない」とはどういうことかについてまとめます。これは、あくまで私たちの考えであって、唯一の正解だとは思っておりませんが、何をもって「変わらない」と主張するのかをご理解いただければ、そして少しでも何かの参考やきっかけにしていただければ、嬉しいです。



人に求められる「価値あるもの」を提供し続けることに変わりはない

「変わらない」とはいっても、もちろん、私たちもコロナの影響を受けてきました。4、5月は経営しているホテルを全館休業。営業を再開後も、それまでたくさんいらっしゃった海外からのお客様はゼロ。でも、私たちは正直その状態を悲観しておりませんでした。

むしろ、これまでやりたくてもできていなかったことに取り組むチャンスだと捉え、実際、この1年を通して数多くの新しいプロジェクトに取り組んできました。それも、私たちの発信・提供する物事を多くの方が温かく受け止めて応援してくださり、一緒にプロジェクトを作り上げてくださったからだと思いす。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

でも、私たちとしては、コロナ前と同じように「自分たちが本当に価値のあると思うものを極め続ける」ことをしているだけなのです。コロナで生活や社会が変わっても、人が「何を素敵だと思うか」は変わらないし、人がホテルや旅行に求める価値も変わらない。だから、「コロナショック対策」「GoTo対策」というような即時的な対応は特にしてきませんでした。

もちろん、感染対策を徹底するなどのホテル側の対応は必須ですが、「感染対策をしっかりしているから」という点だけでホテルが選ばれるわけではなく、やはり「いつか行きたい」と思っていたところが選ばれる。このような価値観は、コロナでもきっと変わりません。屋外型の宿や密にならない構造の宿が選ばれやすい流れが一時的にあっても、それがメインストリームになっていくわけではないと思います。

一方で、業界全体で見ると、

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