見出し画像

「子どもの初めての瞬間の数々を真横で見守れた育休期間は、人生においてかけがえのない時間」社内初の育休取得!ホテルスタートアップ社員の子育てのリアル |水星・福利厚生レポートvol.1

昨年、水星として初めて育休を取得した、HOTEL SHE, OSAKA ホスピタリティスタッフの松下拓海さん。松下さんは、2019年7月に入社し、コロナ禍のピンチの期間などを通して、施設やメンバーを支える心強い存在の1人です。現在は復帰し、再びHOTEL SHE, OSAKAで活躍している松下さんですが、お子さんが生まれるのを機に、一時は退職を考えたそう…。

今回は、水星労務担当の西岡が松下さんに、初めての育児と仕事の両立についてお話をうかがいましたいました。スタートアップやホテル業界への転職を考えている方やそのパートナーの皆さんはもちろん、これから出産育児のライフステージを迎える全ての人にお届けしたい内容です。


プロフィール:松下拓海
大阪生まれ大阪育ち。新卒で入社した文具メーカーで法人営業に従事した後、2019年水星入社。HOTEL SHE, OSAKAで生粋の大阪のホスピタリティ精神でゲストを迎えながらHOTEL SHE, のPrivate Brand 「BOY MEETS SHE,」の商品企画や社内報の作成を担当する。

プロフィール:西岡ゆり絵
京都生まれ京都育ち。神戸大学発達科学部卒業。新卒で京都の老舗企業の総務に従事し、2020年10月に水星にジョイン。労務・庶務、代表秘書業務、社内行事の企画・運営、広報などを担当している。龍崎とは中高時代を共に過ごした。


水星、福利厚生強化中です!

厚生労働省「令和5年度 男性の育児休業等取得率の公表状況調査」によると、男性育休等取得率は46.2%。「あれ、意外と高いな」という印象を受けますが、この調査の対象は労働者が1,000人以上のいわゆる大企業。日本全体で見れば大企業の割合はたった0.3%だそうで、中小企業が圧倒的に多いことを考えると、この数字が日本の男性育児休業等取得の状況をそのまま表しているわけではないのです。

水星のような、スタートアップ、あるいはホテル業界では、育休を取りづらい印象があるかもしれません。「従業員に育休を取らせたくても制度を整えられていない」「人員に余裕がない」という会社も、少なくないのではないでしょうか。

創業当時は、20代前半の若い社員が中心だった水星。現在は、キャリア採用で入社した社員も増え、30歳前後のメンバーが中心となり、これから多くのメンバーが結婚・出産・育児のライフステージを迎えようとしています。水星人事部でも、従業員たちがより安心して働きながら家庭での時間も大切にできるような福利厚生制度やサポート体制の強化・改善を行なっているところです。

前置きが長くなりましたが、ここからは本題。「スタートアップ」「ホテル」「社内初」という中で育休を経験された松下さんに、育休のリアルを語っていただきます。

松下さんの育休スケジュール

当初あった退職の選択肢…ホテルへの復帰を後押ししたものは

―育休取得までの経緯について教えてください。育休取得にあたり、迷いや不安はありましたか?

子どものことを会社へ初めて伝えた時、育休について相談しようとはまだ思っていませんでした。「育休」という選択肢は頭にあって、自分でも少し調べてはいたのですが、制度も複雑だし、そもそも会社として取れる状況なのか、取れたとしてもどういう取り方になるのか…と、自分が実際に育休を取っているイメージができなかったんです。

でも、報告をした時に翔子さんの方から育休の提案をもらって、そこでようやく現実味を持って考え始められたように思います。

ただ、当時のHOTEL SHE, OSAKAは、今よりもスタッフが少なく、その上、2023年5月に支配人の入れ替わりが決まっていたこともあり、今自分が抜けても大丈夫なのかという心配はありました。でも、僕の報告をメンバーもすごく祝福して応援してくれて、仲間たちの温かい言葉に心が支えられたことを覚えています。

実は、退職の選択肢も考えていました。ホテルの仕事は好きでしたが、現場・シフト制の働き方をこの先子供を持ちながらも続けられるのかという不安があって。このことは翔子さんに伝えていて、大阪のメンバーにも「戻るかどうかわからへん」と話していました。

当時のHOTEL SHE, OSAKAメンバー

―松下さんのように、結婚・出産・育児というライフステージの節目で、キャリアチェンジを考える人は少なくないと思います。そのような不安や悩みもあった中、水星でホテルの仕事を続けることを決めたのはなぜですか。

1つは、「お世話になってきたこの会社でこれからもっと活躍して、貢献していきたい」という強い思い。不安を打ち明けた時、翔子さんからの「とりあえず育休取りながら考えてみたらいい」という言葉にも救われました。

もう1つは、奥さんとゆっくり話し合ってふたりで答えを出せたこと。子供が生まれ育休に入ってからも、ホテルの仕事と育児との両立への不安は消えず、僕が育休を終えてホテルに戻ったら奥さんの負担が大きくなってしまうことへの心配もありました。でも、育休期間中、奥さんと相談を重ねる中で、少しずつそんな不安や心配を取り払っていくことができたように思います。僕が水星でホテルの仕事を続けても、これからも2人で力を合わせていけば大丈夫だ、という話ができて、水星に戻る決心ができました。

―当初6ヶ月の予定が、実際は約3ヶ月で復帰されたのは、何か理由があったのでしょうか。

生後3ヶ月くらいになると子どもの生活リズムもだんだん落ち着いてきて、夜も寝るようになり、少し余裕が出てきて。奥さんが、僕が仕事に行っている間も家庭のことは大丈夫だと言ってくれ、僕はこれからの生活のためにも少しでも稼ごうということで、予定より早く復帰しました。

ただ、落ち着いてきたとは言ってもやはり波もあり、親である僕たちの生活は全然落ち着いたとは言えませんでしたね(笑)奥さんも僕が仕事の間は大変だっただろうなと思います。でも、「我が子、家族を守らなければ」という親としての責任感から、以前とはまた違うモチベーションが生まれました。家で子どもが待っていることに喜びを感じながら、働いている日々です。

メンバーの協力もあり、業務自体は滞りなく復帰することができました。時期的にもバタバタしていた中で僕が休んだことで、メンバーには負担をかけた部分もあったに違いないのですが、改めて感謝しています。

復帰後、SHE, OSAKAで2024年1月~3月に開催されていた「泊まれる演劇」にて

自宅に戻ってからが子育て本番。事前の準備が育児の余裕に繋がる

―育休期間は、幸せいっぱいでありながら大変な日々でもあったと思います。今振り返って、改めていかがでしたか。

心の準備はしていましたが、初めての育児は予想以上に大変でした。生まれる前に、ネットや知人から子育てについては色々と情報収集していましたし、必要なものも一通り準備していたつもりでしたが、いざ育児が始まると、予想外の事態や必要物資が次々出てきて…それまでの生活とは一変し、3ヶ月あまりの育休期間は本当に怒涛の毎日でしたね。でも、そんな毎日が幸せですし、我が子は可愛くてしょうがないです(笑)

僕たちの場合、お互い両親は車で1時間ほどの場所に住んでおり、育休中も月に何度か来てもらっていました。でもすぐに飛んで来れる距離でもないので、僕がいない時に何か起こったら…と思うと、育休を取らなかった生活なんて想像できません。改めて、育休を取ってよかったです。

里帰り出産する方も多いと思いますが、いずれは自宅に戻り、そこからが子育て本番とも言えます。僕たちも1ヶ月ほど里帰りをしました。出産前はどうしても里帰りでの生活に意識が向きがちですが、里帰りが終わってから自宅での新生活をスムーズにスタートするための準備はとても大事です。夫婦2人での暮らしから赤ちゃんが1人増えるだけで、必要な生活用品が増えるのはもちろん、家のレイアウトも変えなければなりません。ただでさえ怒涛の育児生活の中、模様替えしたり頻繁に買い物に行ったりはできないので、早いうちに情報収集やイメトレをして準備万端にしておけば、育児に対する心の余裕も生まれると思います。

―水星では今、社員の皆さんがより働きやすい環境づくりの1つとして、産休・育休などサポート制度・体制のアップデートに取り組んでいます。ぜひ、育休経験者の松下さんから何かアドバイスをいただけたら嬉しいです。

自治体ごとに使えるサポートや制度などの情報を、会社から案内をしてもらえたらありがたかったかなと思います。自治体によってサービス内容も違いますが、例えば僕が住んでいる町の場合、申請すればベビーシッター利用の無料チケットをもらえるサービスを利用できるんです。どうしても赤ちゃんを連れて行けない用事の時など、いつでも親を呼べるとは限らないので、いつでもベビーシッターを利用できるのは心強いですよね。僕は、知人から聞いてそれを知ったのですが、その時にはもう申請できる期間が過ぎてしまっていて…子育て中は自分たちであれこれ調べる余裕もないので、会社から有益な情報をもらえると助かると思います。

育児に正解はない。壁にぶつかるたびに夫婦で一緒に解決策を見つけていく

ー退職を考えた時期も経て、現在またホテルに復帰して活躍いただいていますが、今後のキャリアについては何か考えておられますか。

現時点ではキャリアチェンジは考えておらず、いけるところまでこの場所で頑張りたいと思っています。職場復帰してからも、周りの理解のおかげもあってなんとか子育てと仕事の両立はできていて、今年4月から子どもは保育園に通っています。まだ1歳なので、最初は、寂しがらないだろうか、泣かないだろうか、と心配していましたが、思ったよりスムーズに馴染んでくれて安心しました。小さいうちから色んな人と触れ合って色んな経験をして、世界も広げ強い子に育ってくれたらなと願っています。

悩みを挙げるとしたら、保育園で子供が熱を出すなど何かあっても、現場に出ているとすぐに行けないこと。いざという時は、早退したり「子の看護休暇」を使ったりできるのですが、自分が抜けたら回らないような状況ではなかなか難しいな…と。今のところ、そういう時は奥さんが柔軟に動いてくれていますが、奥さんも仕事復帰しているので心苦しくもあります。奥さんも本当はもっとバリバリ働きたいかもしれませんし、子育ての負担はできれば平等に持てたらいいなと…

とはいえ、どんな仕事でも大変なことや思い通りにいかないことは絶対にあります。その中で、壁にぶつかったらその都度夫婦で話し合って一緒に解決策を見つけていくしかない。子どもを見ていると、そんな大変さも苦でなくなるし、壁を乗り越えていくたびに家族の絆も深まっていくのだと思っています。

―夫婦でお互いが理解し合って助け合いながらお子さんを育てているのが素晴らしいですね。松下さんのお話から、すごくあったかい家庭なのだろうなと伝わってきます。
最後に、これから結婚・出産・育児を迎える人たちへのメッセージをお願いいたします。

まず、我が子の誕生から成長を真横で見守ることができたことは、言葉に尽くせないほどの喜びでした。日々の小さな変化や初めての瞬間に立ち会えるのは育休の期間があってからこそでした。勿論嬉しい事ばかりではなく大変な事も多いですが、それも含めてパートナーと力を合わせて子育てをすることで家族力も強くなったと思います。

その中でも今回僕の育休生活の中で伝えたいことはこの1点だけです。
自分達のできる範囲で、楽しみながら育児をする。」
僕たちも体感しましたが育児に正解ありません。子供を想う親の気持ちはみんな一緒のはずです!初めての事ばかりでわからない事も多く自分たちの思い通りにいくことなどほぼありません。沢山の情報が色々な場所に載っていて、あれもこれもしなければ、こういうやり方でしないと、など正解を探すのでなく、パートナーとふたりで前向きになれる方法で子育てをする事が一番大事だと感じました。

育児休暇は、人生において貴重な時間を提供してくれる素晴らしい機会です。皆さんもぜひ、この特別な時間を活用して、家族との絆を深め、かけがえのない思い出を作ってください


取材後記

先日7月31日に結果が発表されたばかりの、厚生労働省「令和5年度 雇用均等基本調査」における男性育休取得率は、30.1%と、前年度の17.1%から大きく上昇し過去最高の数字に。社会全体で、男性の育休取得への関心が高まっていることは間違いありません。

出産・育児は、家族にとってかけがえのない時間。そこには、私の想像を遥かに超える、大きな感動と幸せがあれば、その分の困難や葛藤もあるでしょう。お父さん・お母さんの両方が、子育て以外のことは心配せずに、我が子へ大きな愛と時間を捧げられる環境を作るのは、会社の責任でもあると考えています。
水星を支えてくれている従業員たちが、これから出産・育児を迎えた際にも、会社としてできる限りのサポートをしたい。水星は、今後も育休取得率100%のスタートアップとして、従業員たちとともに走り続けます!

水星noteでは、福利厚生についての記事をどんどん発信予定ですので、これからの投稿もぜひご覧いただけると嬉しいです。


よろしければ、ぜひサポートをお願いします💘いただいたサポートはホテルのさらなる満足度向上のために活用させていただきます🙇🙇