空間メディア概論 〜「空間メディアとしてのホテル活用」前編〜
「ホテルはメディアである」。これまでも私の話の中に何度も登場してきたこのワード、そろそろ覚えてくださっているという方も多いのではないでしょうか。とはいえ、「ホテルはメディアってどういうこと?」と思われている方もきっといらっしゃると思います。
そこで、私たちの原点であり指針でもある「メディアとしてのホテル」について、具体的な事例も盛り込みながら、3回にわたり徹底解説いたします。この考えについての理解を深めていただくだけでなく、皆さんご自身のリソースをフル活用し様々な企画を作る際のヒントとなるようなお話ができれば嬉しいです。
なぜ、ホテルがメディアとなる必要があるか
そもそも、「ホテルはメディアである」という思いが生まれたのも、私たちは絶えず「ホテルとは何か」の再定義を絶えず行い続けてきたからです。
「ホテルとは、ポジティブな予定不調和が生まれる場所である」「ホテルとは、旅人を地域に生み出すポンプである」「ホテルとは、オールナイトで過ごせる場所である」「ホテルとは、ライフスタイルを試着できる場所である」、そして「ホテルはメディアである」…と、「ホテルって何だろう」と自問自答しながらホテルの定義を常にすり替えてきました。それらが蓄積し、私たちの中にはホテルの定義が無数にあるのです。だから、「この定義に照らすと、こういう余白が見つかる」と、どんどんホテルの可能性を広げることができる。「ホテルとは寝床だ」という前提で考えても、面白いアイディアやより良い企画は出てきにくいと思います。
皆さんも、ぜひ考えてみてください。答えは無限にあります。皆さんがお持ちのリソースや強みが発揮される形で、様々な活用法を探っていただければ嬉しいです。
さて、「メディア」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか。テレビや雑誌、ラジオなど、いわゆる「マスメディア」を連想される方が多いかもしれません。私たちは、これらと並行して、ホテルもメディアとして捉えています。
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