摘みたてのカモミールで蒸溜ワークショップを開催しました|香林居イベントレポート
5月11日(土)、香林居にて蒸溜ワークショップイベントを開催しました。
イベントは『薬草』『器と食』そして『香』の3つのパートから成り、嗅覚だけでなく、全身で香りを体感していただく時間となりました。
今回はそんな香り高い当日の様子をレポートしていきます。
▼当日のスケジュール
10:00 香林居集合
10:15 マイクロバスで移動
10:45 ハーブ農園PAYSANにてジャーマンカモミールの摘み取り体験と見学
12:30 マイクロバスで移動
12:40 エントランスにて蒸溜見学
13:00 昼餐スタート
14:00 カモミールの蒸溜水を使った香り作りのワークショップ
15:00 終了
1部 『薬草』 緑豊かなハーブ農園PAYSANで、カモミールを収穫
イベントは石川県津幡町河北郡のハーブ農園PAYSANにて、ジャーマンカモミールの摘み取り体験からスタートしました。天候にも恵まれ、PAYSAN代表の澤邊さんのお話を伺いながら、多種多様なハーブに触れ、知識を深めました。
ショップではハーブティーはもちろん、ハーブを使用したオリジナルのアイスクリームやベーグル、パスタソースといった商品も並び、みなさんお買い物を楽しまれていました。
収穫したばかりのカモミールは、青林檎を思わせるすっきりとしながらほのかに甘い芳醇な香り。今回はこちらを香林居のエントランスに構える蒸溜機で蒸溜します。
香林居に蒸溜機がある理由。それは金沢の土地の資源を姿、形を変えてホテル内に巡らせ、風土の香りが散りばめられた宿泊体験を楽しんでいただくためです。目に見えるものだけがすべてではない。感覚を澄ませて、感じて欲しいというのが私たちの思いです。
2部 『食と器』 台湾コース料理を特別な九谷焼とともに楽しむ
蒸溜が終わるのを待つ間、地下1階のタイワニーズキュイジーヌ「karch」にて、この日だけの特別な昼餐が催されました。蒸籠の蓋の内側にはレモングラスをしつらえるなど、PAYSANさんのハーブによるアレンジも加わり、卓上が一層華やぎます。
<当日のコース>
・季節野菜のスープ
・台湾粥
-干し貝柱の豆漿粥
・菜
‐国産鶏の紹興酒漬
‐台湾式大根餅
・蒸籠
(PAYZANハーブ:レモングラスでアレンジ)
‐蒸し加賀野菜
‐能登豚角煮の割包
・豆花
(PAYZANハーブ:レモンバーベナでアレンジ)
・フレッシュカモミールハーブティー
また、今回は小松市を拠点とする九谷焼の窯元「錦山窯」さんとのコラボレーションが実現。テーブル全体のコーディネートと、料理ひとつひとつに合わせてうつわもペアリングしていただきました
窯元に長く眠っていたヴィンテージ品を素地に、季節感を纏わせるように絵付けが施された、職人の手業が光る繊細で鮮やかなうつわたちが並びます。
実は香林居の客室に備える茶器も錦山窯さんに一つひとつ手作りしていただいた「浮世(うきよ)」シリーズです。石川の雨上がりの夕焼けを模した鮮やかなグラデーションと、金彩がシグニチャーの窯元ながら香林居のためにオリジナルで入れてくださったプラチナ彩の縁取りが特徴です。
3部 『香』 カモミールの蒸溜水で自分だけのアロマスプレー作り
蒸溜を終え、窯の蓋を開けると、熱が加わったカモミールのガラからは牧草のようなまろやかな香りが立ち、空間あたり一面に広がります。同じ植物でも状態によって香りが全く違うことにみなさん驚いておられました。
そして採取が難しいと言われるカモミールの精油も抽出に成功し、白く可愛らしい花からは想像もできないような真っ青な精油を見ることもできました。
そしていよいよワークショップではフレグランスデザイナーのHarunaさんのもと、カモミールの芳香蒸溜水を活用したアロマスプレー作りを行いました。ベースには香林居とPAYSANの精油を使用し、それぞれが自分の求める香りをイメージして調香、自分だけのスプレーを完成させました。完成した香りを共有する時間はとても閑静で温和なものでした。
当日ご参加くださいました皆様、空間を作り上げてくださいました皆様、ありがとうございました。
香林居ではこれからも定期的にイベントを開催していく予定です。
参加してくださった方も、携わってくださった方も、イベントを通じて自身と向き合い、大切にしていたものを思い出すことができる、そのような一助になれたらと思っています。
また、10月には創立3周年イベントを予定しています。ぜひご期待ください。
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(敬称略)
[Perfumer]
Sema Haruna ([@haruna.sema](https://www.instagram.com/haruna.sema/)) 株式会社Selenophile CEO
「わたしだけが知っているわたしの望む香り」をテーマに、オーガニック・野生種の精油、天然香料を使用して香りのart directionを行う。パーソナルな香りの診断やコスメの香り監修、ホテルや東京オリンピック2020等のイベントの空間演出を実施。2022年より独立行政法人国際協力機構(JAICA)の香りの専門家として国内外問わず、地域ブランディングや異文化交流の活動も行っている。
[Harb]
PAYSAN ([@paysan0502](https://www.instagram.com/paysan0502/))
石川県かほくの地で、「ハーブとの出逢いが少しだけ生活を豊かにし、少しだけ人生を幸せにします。」をコンセプトにハーブの生産と販売を行っている。
[Art direction]
錦山窯 ([@kinzangama_kiln](https://www.instagram.com/kinzangama_kiln/))
錦山窯は、石川県小松市高堂町にある九谷焼上絵付を専業とする窯元。1906(明治 39)年に初代吉田庄作がこの地に開業して以来、およそ 110 年の間、窯の火を絶やさずに作陶を続けてきた。
[Food]
karch ([@karch_kanazawa](https://www.instagram.com/karch_kanazawa/))
東洋医学思想をベースとしたタイワニーズ・キュイジーヌ。今回は特別にフレッシュなカモミールを取り入れ、薬膳粥を中心とした昼食を提供する。