空間メディアとしてホテルの可能性を広げる 〜「空間メディアとしてのホテル活用」後編〜
前回は、私たちが企画を作る上で実践している、6つの思考プロセスをご紹介しました。「①柔軟で自由なコンセプト」「②競合から見る需要予測」「③信頼をベースとした体制構築」「④コンセプトに沿ったクリエイティブディレクション」「⑤PRファースト」「⑥UGC設計」でしたね。
本日は、これらを実践することで、具体的にどのような企画や成果が生まれるのか、弊社で行なってきた事例を取り上げながらお伝えいたします。
The Ryokan Tokyo YUGAWARAの事例
「原稿執筆パック」
普段の日常生活の中ではなかなか没頭できないような作業や家やカフェなどで行う作業を、旅館でしていただける、言うなれば「旅館×作業」のコラボレーション企画です。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、内容を簡単にご説明しておきます。
湯河原には、近くの熱海や伊東といった温泉地とは違った特殊な地域性があります。例えば、観光地や繁華街はなく、夏目漱石や樋口一葉などの文豪が逗留していた歴史がある。熱海がハレの温泉街だとしたら、湯河原はケの温泉街と言いますか、「都会の喧騒を離れて自分たちだけの世界に籠るための場」だと思っています。このような湯河原の個性を生かし、旅館にこもって何かに没頭するのにぴったりだと考え、「湯ごもり」というコンセプトが生まれました。
かねてから、特に若い人の中には旅館に対して高級で敷居の高いイメージがあるように感じており、もっと気軽に旅館に行けるようなカルチャーを浸透させたいと思っておりました。メンバーとそういう話をしている中で、「旅館で卒論を書いてもらったらどうだろう」とひらめいたのです。
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