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「大手ゼネコンの現場監督からクリエイティブディレクターへ。」正解のない中で自分なりの正解を生み出していく挑戦

水星には、多様なバックグラウンドを持つ人材が集まっています。今回紹介するのはプロデュース事業部でプロデューサー、ディレクターとして活躍する松田早也香さん。20歳で高専を卒業後、大手ゼネコンに入社し、マンションの修繕・施工の管理職を経験したのちに2023年1月、水星プロデュース事業部にインターン生として入社。そして現在は正社員としてホテルや企業のブランドプロデュースプロジェクトなどに参画されています。そんな様々な経験を積まれた松田さんがいかにして水星へ辿り着き現在どのような活躍をされてるのかお話を伺いました。

プロフィール:松田 早也香
1999年京都府生まれ。舞鶴高専を卒業後、大手ゼネコンに入社し、マンション大規模修繕工事の施工管理職に従事。2023年1月、水星プロデュース事業部にインターン生として入社。その後社員となり、ホテルや企業のブランドプロデュースプロジェクトに参画。1人前のプロデューサーを目指し日々奔走中。


新しい環境として高専へ進学

ーーまず、高専への進学を決めたきっかけを教えてください。

松田:子どもの頃から建築が好きで、家の間取り図を描いたり、マンションのチラシを見て楽しんでいました。それに、実家の近くで家が建つ様子を見て“大工さんになりたい”って思うようになったんです。幼かったので建築関係の仕事はもう大工さんしかないとか思っていて、建築家とか設計職とか、そんな仕事がいっぱいあると思ってなくて。漠然と大工さんになりたいって思ってたのが、小学校高学年の頃でした。

ーーすごく幼い頃から建築に興味を持っていたんですね。

松田:はい。それと、地元の小中学校ではずっと同じメンバーで過ごしていたので、すごく狭い世界にいるんだろうなとずっと思っていました。なので新しい友達だったり、いろんな刺激を受けられるようなところに行きたいなと思って、新しい環境として高専を選びました。寮生活も魅力的でしたね。「友達と一緒に住めるのめっちゃ楽しそう!」みたいな。

ーー高専での生活はどんな感じでしたか?

松田:女子の割合はすごく少なくて、クラスで3~4人しかいませんでした。でも、みんなと仲良くできましたし、楽しかったです。勉強はハードでしたけど、寮生活の規律があったからこそ、自分を律して取り組めた気がします。

ーー高専生活の5年間は、初めから大学の建築学部と同じような内容を学んでいくんですか?

松田:1~2年は高校の内容を凝縮した感じで、3年からは専門科目が増えました。製図や模型作りは楽しかったですし、4~5年では建築と土木を選べたんですが、私は迷わず建築を選びました。

ーー大学に編入する道もあったと思いますが、なぜ就職を選んだのですか?

松田:家庭の経済的な事情もあり、早く自立したかったからです。それに、私は双子なので、親の学費負担のことも考えました。高専を選んだ理由として学費が安かったからということもありますね。あと、在学時点で将来的に設計に関わりたいと思っていたんですが、現場を知らない人が設計するのって多分なんか違うだろうなと思って。実際に出来上がる建物の知識がないまま設計職に就くことがすごく怖かったというか、地に足が付いていないと自分なりに感じたので、それでまずは現場を知ろうと思ってゼネコンに入りました。

初配属から現場監督に

ーー現場ではどんな経験をしましたか?

松田:最初から現場監督という立場として配属されたんですが、本当に何もわからないのでずっと職人さんにへこへこしてましたね。折衝力だったり、統率力も必要で、あと最初に担当したのはマンションの改修工事だったんですが、新築の現場と違うのは、 マンションの住民さんが普通に暮らしている中での作業になるので、接客も必要でした。騒音や不便さへの配慮だけでなくクレーム処理などもあって。最初は大変でしたけど、やりがいはありましたね。

ーー大変な仕事ですが、責任感が伝わってきます。

松田:5件ほどの工事に携わりましたが、300-400戸ほどの大きめの物件ばかりで、協力業者数も居住者数も多い規模の大きい工事が多かったです。全現場を無事故無災害で終えることができました。新卒1年目で二級建築士の資格も取るなど若手のうちから任される仕事も多くて、学ぶことがたくさんありました。工程管理や職人さんとのやり取りもすごく重要で、日々成長できたと思います。

ーー営業やマネジメントの度合いが強そうなイメージがありますが、日中は現場で夜は事務作業という仕事の中でスキルが問われる側面はありましたか?

松田:すでに建物は建っているので、設計業務はほぼなくて。施工管理職って、安全と工程と品質が大事なんですが、品質が一番専門的なところになりますね。最後のクオリティチェックをして、責任持って納品できるものかどうかを見るという仕事はちょっと今のクライアントワークにも似ているなとも感じますね。

もっと枠を超えた挑戦がしたかった

ーー転職を考えたきっかけは何だったんですか?

松田:楽しかったんですけど、面白くなかった。「楽しい」と「面白い」は結構違うなって、自分の中でも思っていて。施工管理の仕事ってルールに縛られてるというか、安全面だったり品質面だったり、いろんな法律とか規格に従って、 それを守るのが仕事みたいな感じなんですけど、それがちょっとつまらなかったのかなと自分で思っていて。決まったことをやるのではなく、ルールを変えたり、そもそも作っちゃうとか、多分はみ出してみたくなったんですよね。もっと枠を超えた挑戦がしたかった。今やってることはまさに、そもそものルールを作っちゃうとか、自分たちのアイデアを正解にしていくっていう仕事だと思うので、結構良い選択をしたなと思ってます。

ーー施工管理の仕事から一転してどのようなことから動き始めたんですか?

松田:一生続けたくなるような仕事ってなんだ?と考えた時、もっと自分の手や頭を動かして、より深くものづくりに携われるような仕事に就きたいと思いました。職人さんの研ぎ澄まされた技術や、長年の経験を活かしてなんでもパパッとやってのけてしまう姿にも影響されたのかもしれません。現場で職人さんの動きを見ていて、色々考えた末に浮かんだのがWEBデザインでした。とりあえず学校に通い始めましたね。ただ、デザインだったりクリエイティブの業界に興味は湧いたんですけど、少し自分のインサイトとはまた違うと思う部分もあって。「デザインを考えてください」っていうオーダーを受けて、デザインを作っていくのがデザイナーさんの仕事だと思うんですけど、WEBデザイナーも少し違うな、もっと本当の0から1を考えるような仕事に触れられる方が、 自分のやりたいことに近いなと気付いてからは色々悩みました。

趣味で始めたCGデザインが水星との接点に

ーーちなみにその時日常的に接していたクリエイティブやデザインはどのようなものがあったんですか?

松田:ウェブデザインの学校通っていた時に、同じタイミングで趣味でCGデザインを始めてみようと思って、無料ソフトから始めてみたりしました。ただそこでいろんなクリエイターだったり知識は広がったけど、「この人みたいになりたい!」というような気持ちは無かったですね。でもこのCGデザインが実は水星との出会いに繋がっていくんです。
HOTEL SHE, KYOTOにお客さんとして泊まりに行った時に「めっちゃデザイン可愛い!」と思って。HOTEL SHE, KYOTOをテーマにしたCG作品を作ったんですよ。その後厚かましくタグをつけて投稿したら、翔子さんからメッセージが来たんですよ。(笑)
それと同じくらいのタイミングで、自分の理想を叶えられる職種も会社も見つからず途方に暮れていた時に、翔子さんのXでインターンを募集しているのを見かけました。ただ「あの時のCGの者です」とは言わずに、普通に面接を受けましたね。そのCGが全然仕事で使えるレベルではなかったので。

ーー興味あることをどんどん開拓して作ってみるその行動力が素晴らしいですね。

当時実際に作ったHOTEL SHE, KYOTOをイメージしたCG作品

限られた条件の中で正解を生み出していく面白さ

ーーインターンとしてこれまでと異なる業種、異なるカルチャーの企業にジョインされたわけですが、現在のプロジェクトマネージャーとしての業務に就くまでの経緯はどのようなものでしたか?

松田:初めはなんかいろんなその土地のリサーチだったりとか、ベンチマーク施設のリサーチや簡単な提案資料作成など部分部分で、いろんなプロジェクトに参加させていただいてました。だんだん自分が持つタスクのボリュームだったり領域が広がってきて、スケジュール管理だったりお金の管理なども徐々に出来るようになっていった流れでした。

ーー管理業務やクライアントとのやり取りは前職のスキルが活かせているんですね。現在はどのようなプロジェクトに関わってますか?

松田:ブランドのポップアップのイベントの空間だったり全体の管理といったブランディング支援やマーケティング支援みたいなところをお任せいただいたりしました。直近だと2024年に東京と京都で開催したsleepy tofuさんっていうマットレスブランドのポップアップイベントは始めて企画の提案の段階から実行するまで深く関わらせていただいたので、かける時間だったりエネルギーもすごく大きく自分にとってかなり印象的なお仕事でした。

ーー業界誌にも取り上げられましたね。こういったランニングプロモーションも0から1を考えるお仕事だと思うんですが、ご自身の目線でどのような面白さがありましたか?

松田:前職はわかりやすく正解があって、縛られてる感じがしてたんですが、sleepy tofuさんの企画なんかは特に正解がない中で、自分たちのアイデアを正解にしていくみたいな点の自由度や、自由でありつつもビジネス的にちゃんと成功するかどうかを探っていくところですかね。イベントだったらちゃんとお客さんが来てくれるものだったりとか、どれぐらい注目度を獲得できるかみたいなところだと思うんですが、そういう限られた条件の中で正解を生み出していくみたいな仕事はとても面白いなと思います。

ーー確かに。正解のないところに水星なりの新しい解を提示していくという部分がクライアントさんに求められてることだと思います。今後の展望などはどのようにお考えですか?

松田:いまホテルの新規開業プロジェクトにも参加させていただいてるのですが、まだそのお仕事の中で自分の得意分野や伸びしろがどこか分かってないんです。これまで幅広くいろんな領域や立場を経験させていただいた中で、自分の武器を何となく1個ずつ集めてるみたいな感覚があって。でも他のプロデュース事業部メンバーはもう既に自分の手にフィットする武器がある。私以外のメンバー皆さんは割とキャリアを長く積まれてきていて、「この人といえばこの領域!」という武器が部署内や社内でも認知されるくらい強みとしてあるので、私もそこに行けたらいいなと思います。
なのでプロデュース事業部の中で自分の武器を持って一人でも戦えるようになるのが目の前の目標ですね。

ーー現段階で興味も含め、武器にできたらいいなと思う分野はありますか?

松田:そうですね。それこそsleepy tofuさんのプロジェクトもそうだったんですが、ホテル開業支援よりブランディング支援の比重が大きかったこともあり、クリエイティブディレクターとして今は頑張りたいなと思っています。

ーー水星で働くのにどんな人が向いてると思いますか?

松田:まず、自分が本当になかなか良い選択をしたなという感覚があって、今生きがいを強く感じているので、これまでの自分や今に至るまでの過程もすごい肯定的になれたり、どういう風に自分が成長していくのかみたいなところが楽しみに思えていたりします。なので自分と同じように興味関心の矢印がいろんな方向に向いてる人がマッチするのかな、と思います。
実際に今の水星のメンバーってみんなそうなのかなっていう風に思いますね。ホテルスタッフでもデザインのことにチャレンジしてみたりとか。
そんな中でもプロデュース事業部が一番矢印がいろんな方向に向いてると思うんですけど、本当にいろんな仕事をしてるなと思います。マットレスのことを1時間調べて、その次は土地のリサーチをして、その後すぐクリエイティブのパートナーさん探しでインスタグラムを漁って・・・。同じ仕事をしてると思えないくらい幅広い領域なので、そういうことを面白がれる人はすごく向いてるんじゃないかなと思います。


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