渡辺 寿規(Toshiki WATANABE)

バレーボール戦術系ライター。 ハイキュー!! にも登場する【同時多発位置差(シンクロ)…

渡辺 寿規(Toshiki WATANABE)

バレーボール戦術系ライター。 ハイキュー!! にも登場する【同時多発位置差(シンクロ)攻撃】の名付け親です。 旧ブログ → http://suis.cocolog-nifty.com | FBアカウント→ http://fb.com/toshiki.watanabe.35

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「TOKYO 2020 男子大会における、アルゼンチンチームの特徴的ブロックに関する検討」(日本バレーボール学会 第27回大会 一般研究発表 演題番号No.1)の資料公開

(Photo by FIVB)  「サーブ戦術の変遷」という、壮大なテーマを扱う連載に取りかかったばかりだったのですが、先月(3月5〜6日)に開催された日本バレーボール学会 第27回大会で本記事タイトルにあるとおりの、一般研究発表を行っておりましたので、連載(その2)を出す前に、その内容をお届けしたいと思います。  過去のバレー学会での発表では大抵、学会当日よりも前に予告として発表スライドの一部を公表し、発表前後には学会公式サイトや、ネット上の別の場所にスライド内容はすべ

    • 【ショート・サーブ】が、こんなに増えているのはなぜなのか?(その1)

      (photo by FIVB)  コロナという強大な逆境の中で、何とか無事に開催されたTOKYO 2020。  日本の男子ナショナル・チームが13年ぶりに、オリンピックのコートという晴れ舞台で躍動する姿を見て、やっぱりバレーボールは面白い! と再発見した方もいらっしゃることでしょう。  中には、久しぶりに決勝戦はじめ、海外勢同士の試合を見たくなった方もいらっしゃったのでは?  そして久しぶりに、海外勢の、五輪での頂点を争う舞台での本気モードの対戦を目の当たりした皆さん

      • 東京五輪 ポルスカ初戦、イラン戦での勝負をわけたポイント

        ご存じのとおり、ポルスカの五輪初戦は、因縁の対決とも言えるイラン相手にフルセットの死闘の末、敗北でのスタートとなってしまった。 この試合の、勝負をわける象徴になってしまったプレーが、個人的には第1セット早々の、7-6でポルスカ1点リードの場面だったように思う。 (動画では18分50秒くらいの場面から。) ジズガの恐らく意図的に緩く打ったサーブが、イランのコート中央、ゾーン8あたりに飛んで行き、それをイランのリベロが身体をコートに投げだして(ダイブして)レセプション。そのせ

        • 「押し合い」の判定が、バレーボールという競技の未来を滅ぼしかねない件

          ◎ ことの発端 それは、2020年12月5日、ウイングアリーナ刈谷での出来事。   V.LEAGUE男子 DIVISION1の ジェイテクトSTINGS 対 ウルフドッグス名古屋 戦の第3セット、ジェイテクトが16-15とリードの場面で〝事件〟は起こりました。  GAORAで中継があり、ご覧になっていた方も多いでしょう。私もテレビで見ていました。いや、テレビは「ついていた」というのが正確かもしれません。  正直言うと、今シーズンはバレーボールそのものへの興味が薄らいでしま

        「TOKYO 2020 男子大会における、アルゼンチンチームの特徴的ブロックに関する検討」(日本バレーボール学会 第27回大会 一般研究発表 演題番号No.1)の資料公開

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          【期間限定(4/6まで!)】「世界標準のバレーボール」DVDを無料公開させて頂きます!!

           こんにちは。  今日は、簡単な告知をさせて下さい。  昨今の学校の休校や、部活動の自粛などの状況で、バレーボールができない、指導したいのにできない … そういう現場の皆さんのために、現場にはいない私に何ができるだろうか?   そう考えていく中で、私にできることと言えば、これくらいしか思いつきませんでした。  有り難いことに、そういう気持ちを発売元のジャパンライムに率直にぶつけたところ、快諾いただいた上に、短時間でステキなページを作って下さいました。ジャパンライムの関

          【期間限定(4/6まで!)】「世界標準のバレーボール」DVDを無料公開させて頂きます!!

          ワールドカップ2019 男子大会において【デディケート・シフト】がトレンドであった理由を考察してみた(その2)

           ...(その1)からのつづきです。  こちらは、2つめのアドベントカレンダー用の記事として投稿します。 ◎ 北京五輪以降の、同時多発位置差攻撃の質的変化 北京五輪 男子決勝がターニング・ポイントとなり、同時多発位置差攻撃の方にも少しずつ質的な変化が生じ始めました。  以下でそうした変化をいくつかご紹介していきますが、いずれも、相手に【デディケート・シフト】を敷かせないため、という意図が働いていた、と考えられます。 A)前衛MBのクイックが〝遅く〟なった  まず前衛

          ワールドカップ2019 男子大会において【デディケート・シフト】がトレンドであった理由を考察してみた(その2)

          ワールドカップ2019 男子大会において【デディケート・シフト】がトレンドであった理由を考察してみた(その1)

          Merry Christmas!! Joyeux Noël!! Wesołych Świąt!! メリー・クリスマス!! みなさん、きっとステキなクリスマスをお過ごしだと思います。 いや、そんなことないよ、って方も、年末の押し迫った時間をわざわざ割いて、この記事を読もうかとページを開いてくださった皆さんにまず、お礼を言わせて下さい、本当にありがとうございます!! 主催者の 垣花 実樹 さんからお誘いを受けて、実に久しぶりにバレーボールにまつわる記事を書こうと思い立ち、遅

          ワールドカップ2019 男子大会において【デディケート・シフト】がトレンドであった理由を考察してみた(その1)