【埼玉県議会会派紹介】無所属県民会議
概要
無所属県民会議は、埼玉県議会で自民党県議団に次ぐ第二会派で、10人の無所属議員が所属する。2015年に上田知事(当時)が応援団長を務めた政策集団“プロジェクトせんたく”の推薦を受けた無所属議員らで結成された。2019年の埼玉県知事選では、所属議員が上田氏の後継指名を受けた国政野党系の大野元裕候補を支援し、当選に導いた。現在の代表は岡重夫。
会派史
前身“刷新の会”
2007年、上田県政与党の立場の無所属議員4人(鈴木正人、中屋敷慎一、小野克典、舟橋一浩)によって結成された。代表は鈴木正人。
2010年、江野幸一が会派入り。
2011年埼玉県議選で、所属議員5人全員が当選し、更に新元無所属議員ら4人(石田昇、菅原文仁、井上航、藤沢慎也)が会派入り。
※藤原はみんなの党所属
2013年、小野克典が県議を辞職し、桶川市長選挙に出馬(当選)。これにより所属議員が9人から8人に。
2014年、中屋敷慎一が会派を離脱(その後自民党に入党)。これにより所属議員が8人から7人に。
2015県議選と政策集団“プロジェクトせんたく”
2015年埼玉県議選を前に、政策集団“プロジェクトせんたく”が結成され、上田知事(当時)が応援団長を務めた。刷新の会所属6人(石田は不出馬)を含む無所属候補を5人公認・17人推薦(他にも民主党所属の11人を推薦)し、自民党の過半数割れを目指した。しかし上田知事と自民党との対立が激化する中で、新人候補が相次いで辞退し、幹部も保守層の離反を懸念し無所属出馬するなど、選挙前から不穏な状況に。県議選では、自民党を過半数割れに追い込むことができず、せんたくも微増の9人当選にとどまった。このうち刷新の会所属6人も舟橋、江野、藤沢が落選するという厳しい結果となった。
“無所属県民会議”結成
選挙後、刷新の会は解散した。そして、刷新の会所属だった3人(鈴木正人、菅原文仁、井上航)と、せんたくの公認推薦を受け当選した現職2人(岡重夫、醍醐清)、新人4人(石川忠義、並木正年、吉良英敏、大嶋和浩)、更に完全無所属で当選した美田宗亮の10人よって会派“無所属県民会議”が結成された。
相次ぐ会派離脱と自民入り
2016年6月、吉良英敏が会派の離脱届を提出、自民会派入り。これにより所属議員が10人から9人へ。
同年9月、美田宗亮が会派を離脱し、自民会派入り。これにより所属議員が9人から8人へ。
尚、吉良は離脱を認められず除籍処分が下されたが、美田は先の選挙で“せんたく”の支援を受けなかったため離脱は了承された。
2018年、菅原文仁が県議を辞職し、戸田市長選挙に出馬(当選)。これにより所属議員が8人から7人へ。
2019県議選を経て
2019年埼玉県議選では、出馬した6人(大嶋は不出馬)全員が当選し、新人6人(八子朋弘、柿沼貴志、平松大祐、岡村ゆり子、金野桃子、杉田茂実)と現職3人(江原久美子、松坂喜浩)が会派入り。改選前7人から14人に倍増。
2021年11月、衆院選後に杉田茂実が会派に離脱届を提出(認められず除籍処分)し、自民会派入り。所属議員が14人から13人に。
2022年7月、並木正年が県議を辞職し、鴻巣市長選挙に出馬(当選)。所属議員が13人から12人に。
2022年8月、柿沼貴志が会派を離脱。所属議員が12人から11人に。
2023年2月、鈴木正人が会派に離脱届を提出(認められず除籍処分)し、自民会派入り。所属議員が11人から10人に。
関係する人物
所属議員
代表…岡重夫
(4期/東6区、白岡・宮代)
連合埼玉組織外推薦、救う会埼玉副代表、元自衛官、元白岡町議2期。前回の衆院選では立憲・三角創太候補を支援。
幹事長…石川忠義
(2期/東4区、久喜)
連合埼玉組織外推薦、元久喜市議6期。前回の衆院選では立憲・三角創太候補を支援。
副代表…醍醐清
(4期/南21区、朝霞)
連合埼玉組織外推薦、元朝霞市議3期。
政調会長…井上航
(3期/南22区、和光)
元和光市議1期。前回の衆院選では国民・浅野克彦候補を支援。
渉外対策本部長…松坂喜浩
(2期/西12区、東松山・吉見・川島)
連合埼玉組織外推薦、元東松山市議4期。
幹事長代理…江原久美子
(2期/北3区、深谷・美里・寄居)
連合埼玉電機連合・情報労連二産別保証、元深谷市議1期。
幹事長代理…八子朋弘
(1期/西6区、富士見)
元参院議員秘書、元富士見市議4期。
総務副会長…岡村ゆり子
(1期/南2区、川口)
元川口市議1期。父は川口市長などを務めた岡村幸四郎。
政調副会長…金野桃子
(1期/南20区、戸田)
元参院議員公設秘書、元戸田市議2期。
政調副会長…平松大祐
(1期/南18区、新座)
元吉田芳朝県議秘書、元新座市議3期。
離脱した議員
中屋敷慎一
(現4期/南16区、鴻巣)
2014年に前身“刷新の会”を離脱し、自民入りした。
吉良英敏
(現2期/東11区、幸手・杉戸)
2015県議選において“せんたく”公認候補で唯一当選したが、2016年6月に会派に離脱届を提出(受理されず除籍処分)し、自民入りした。
美田宗亮
(現2期/東10区、三郷)
2016年9月に会派を離脱し、自民入り。2015県議選で“せんたく”の支援を受けなかったため除籍処分は下らなかった。
杉田茂実
(現1期/北4区、熊谷)
2021衆院選では、熊谷選出だった元県議で立憲公認の森田俊和候補の陣営選対副委員長を務めたが、直後の2021年11月に会派に離脱届を提出(認められず除籍処分)し、自民入り。
柿沼貴志
(現1期/東1区、行田)
2022年8月に会派を離脱し、会派に属さない議員として活動。
鈴木正人
(現5期/南17区、志木)
2023年2月に会派に離脱届を提出(認められず除籍処分)し、自民入り。
首長に転出した元議員
桶川市長…小野克典※
(元2期/南14区、桶川)
2013年2月に県議を辞職し、桶川市長選挙に出馬。現職の岩崎正男の支援を受け、当選。その後3期務める。
※小野は前身“刷新の会”所属
戸田市長…菅原文仁
(元2期/南20区、戸田)
2018年3月に県議を辞職し、戸田市長選挙に出馬。現職の神保国男市長から後継指名を受けた前副市長の石津賢治(自民推薦、元北本市長)らを破り、当選。
その後2期務める。
鴻巣市長…並木正年
(元2期/南16区、鴻巣)
2022年7月に県議を辞職し、鴻巣市長選挙に出馬。自民推薦の加藤英樹らを破り、当選。
現在1期。
その他
舟橋一浩
(元2期/旧西8区、川越)
2007県議選で無所属で初当選し、2015年まで2期務めた。県議時代は前身“刷新の会”に所属していた。2015年に落選。現在は川越スカラ座支配人、NPO法人理事を務める。父は元川越市長の舟橋功一、祖母は元衆院議員の松山千恵子。
江野幸一
(元2期/旧西14区、東松山→西12区、東松山・川島・吉見)
2007県議選で無所属で初当選し、2015年まで2期務めた。県議時代は前身“刷新の会”に所属していた。2015年に落選。
藤沢慎也
(元1期/旧東9区→東8区、越谷)
2011県議選でみんなの党公認で出馬し初当選。2015年まで1期務めた。県議時代は前身“刷新の会”に所属していた。2015年に落選。2019県議選では希望の党公認で出馬も、落選。
大嶋和浩
(元1期/旧北5区、熊谷)
2015県議選で無所属“せんたく”推薦で初当選し、無所属県民会議に所属。2019県議選は不出馬。
あとがき
いかがでしたでしょうか。地方議会の会派は一見分かりづらいですが、調べてみると単純でないからこそ面白みがあります。内容の訂正・追加等ありましたら、教えてくださると幸いです。
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