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きりむらかすい / 霧村禾穂
2024年1月19日 12:43
彼が我が家へ訪れるすこし前、わたしは、机に向かって必死で想いを書き留めていた。そして、到着した彼を招き入れ、B5の紙にびっしり連ねた君への感情を、覚悟を決めた表情の前に差し出した。わたしは怖くてお手洗いへと逃げる。そうしてつづいていく「別れ話」への階段を、知らないうちにわたしたちは2時間ほど、戻れないままにかけ上がっていた。『とびきりのおしゃれして別れ話を』コーヒーへのお誘いをデ