#175新聞記事の検索について(1)
近年では、新聞もデジタル化が進み、紙の新聞購読よりデジタル版を見ているという方も多いのではないでしょうか。
デジタルの新聞の利点としては、紙面の大きさ、文字の分量にとらわれずに写真を大きく掲載したり、あるいは文章も紙面にとらわれない文字数で十二分な情報を提供出来るという利点があります。また、速報性という点においては、新聞紙面であれば、朝刊、夕刊、あるいは号外というタイミングになりますが、そのタイミングにとらわれずに、いつでも掲載、公表出来るという利点があります。
これまで筆者などは必要に応じて逐次、新聞紙面をマイクロフィルムで一頁づつめくって記事を確認していました。最近ではデータベースで検索出来るため、キーワードで該当する記事を短時間で検索することで、目で見て紙面をめくって記事を探すよりは、記事の取りこぼしが無いと言えるでしょう。例えば朝日新聞では、二〇二二年春には、朝日新聞の有料記事検索データベース「聞蔵Ⅱ」がリニューアルして、「朝日新聞クロスサーチ」として、より使いやすくなったと言われています。短時間でより正確に記事が検索出来るというのは、資料集めという点では非常にありがたい話と言えます。
新聞記事データベースの利便性としては、目的の記事を検索するのが早い、または正確に、取りこぼし無く検索出来る、という点が挙げられると思います。著者が自治体史執筆の際に経験したところでは、どうやらそのような利点だけでは無いようで、その検索結果には、既知の記事が抜け落ちていたり、全ての版の記事の検索が出来る訳ではない、という問題が孕まれているようでした。というのも、著者の執筆した論文で使用した「大阪朝日新聞」の記事が、データベースで検索した際にはヒットしていないようでした。もちろん、これらの記事の検索の抜け落ちは、検索する人の見落としや、検索漏れ、ということもあったと思います。
国立国会図書館関西館に行く機会があったので、試みに、同館で「朝日新聞クロスサーチ」を使用してみました。
今回の確認では、これまでマイクロフィルムで確認出来ている記事がデータベースに掲載されているか、見出しや本文などのどこの文言が検索でヒットするのか、「のど部分」の速報記事は掲載されているか、という点でデータベースの利便性を確認してみました。
確認したものは下記の拙稿に使用した「大阪朝日新聞」になります。
今回はここまでにいたしまして、次回は実際に検索をして見た結果をご紹介したいと思います。