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第5回 考察 ー大切なことー

 自分たちのやっていることに対して、外部から「文句は言われたくない。」という感情は誰しも、どこの組織にもあるでしょう。
今回の私のコンサルは、O常務の「コストを見直せ。」という指示から始まっています。
なぜ、技術部は常務の指示に応えようとしなかったのでしょうか?

 O常務は、社長になられて直ぐに、排水処理の所管を技術部から生産部に移します。 
 責任者はN部長からH工場長になりました。工場長は排水処理経験はありません。 
 このH工場長が、排水処理の現場担当者として配置したのが、F係長でした。
 彼もまた、排水処理未経験者でした。 
そして、私はコンサルに復帰します。

 詳しいことは後の回に書きますが、この所管変更によって排水処理の運転コストは、2年後にはそれまでより3,000万円も下がりました。
 これは、従来のコストと比較して約60%以上の削減となり、大幅なコスト改善と言えるでしょう。

 この結果から、N部長率いる技術部には、以下の様な問題点があった可能性が考えられます。

  • 排水処理に関する専門知識が不足していた。知識の習得を怠っていた。

  • 部門間の連携が不足しており、情報共有や意思疎通が円滑に行われていなかった。

  • コスト意識が低く、自分たちが改善してきたことに対する自信過剰が原因で改善に向けた取り組みが積極的に行われていなかった。

 また、技術部がO常務の指示に応じなかった背景には、社内政治が影響していた可能性も否定できません。

 N部長は、この後、関連会社の工場長として異動になりました。
 私は排水処理のコンサルですから、社内の権力闘争などは知ることはありませんし、知りたいとも思いません。ただ、私が思うことは、自分の仕事に真摯に向き合うことが出来なかったN部長を大変残念に思うだけです。

 いろんな、なぜが頭に浮かびます。
言ってもしようがないことですが、自分の仕事に本当の意味で、責任をもっておられれば結末は大きく違っていたことは間違いありません。

自分を見失うことなく生きることは難しいことなのかもしれませんが、私は鈍クサくても自分のやるべきことに真摯でいたいと思います。

次回は、大幅なコストダウンを達成できた過程を書いていきます。排水処理未経験者がなぜ?その理由は?


私の投稿は専門的過ぎるかもしれませんが、この後は私がこの仕事を通じて感じていることなども投稿します。いろいろ人の生活とも通じることもあります。よかったらフォローして以降の投稿をお待ちください。

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