第６回　あれから２年後　再契約

回想

　２年前、コンサルタント契約が終了し、私は某飲料メーカー㈱を去った。技術部との対立、A係長との出会い、そして別れ。
Ａ係長はその後、自身で降格を希望してまで部署移動を願い入れ、それが認められたそうだ。

　様々な出来事が頭をよぎった。
技術部の人々の考えを一つも修正できなかったことへの失望。
何の成果も出せなかった後悔。
当初は、こんなことを考えながら悶々としていたのだった。

　ただ、今回の件を通して私は、「私の信じる道を進むんだ。」
という決意を新たにした。
　排水処理コンサルタントとして、正しいと思うことを貫き通す。
たとえ、それが孤立無援の戦いになろうとも。
たとえ、目に見える成果を出せなかったとしてもだ。

　今回私は、私の信念を曲げなかった。
それだけは、自分を誉めてやろうと数か月たって思えるようになった。