戸隠珍道中第1話
だらだらツイッターしかせず無為に時を過ごすよりは140文字より長い文章を考えた方が幾らか生産的かなぁなどと思いつつ第1話を綴る運びと相成りました。適当に読み飛ばしながら目を通して頂ければ幸いです。前回の流れが気になる方は第0話をお読み下さい。
さて───おにぎり君と合流した僕は5時41分新宿、6時35分八王子と中央本線に揺られて順調に西へ向かっておりました。乗車していた列車は18キッパーにはお馴染みの429M、3時間ほどかけて八王子から中央東線を走破し篠ノ井線の松本まで運転します。列車は高尾駅を出ると一瞬神奈川県に入りその後山梨県へと突入、ここからは今までと打って変わって両側に山や畑が広がりすれ違う列車もオレンジではなく青色の中央本線になります。過去に中央本線を利用した時はロングシートで岡谷まで耐久なんてこともあったのですが今回は無事ボックスシート付きの車両を引き当てたので車窓を眺めながら旅情を噛み締めることができました。
ボックスシートから眺める車窓って良いですよね。「旅」って感じで。…下の部分に写ってる緑のは何だろう。しばらく眺めてるとキャベツと車窓のコントラストも悪くないんじゃないかと思い始めました。慣れなんですかねこういうのって。
というわけでなんやかんや4時間ほどで東京から茅野までやって来ました。ここからは1日目のメインイベント、諏訪大社参拝をしたいと思います。諏訪大社は全国に2万5千あると言われる諏訪社の総本社で上社前宮、本宮と下社春宮、秋宮の4社があります。上社は茅野駅、下社は下諏訪駅が最寄となっていて少し距離がありますが基本的には徒歩で参拝することになります。上社は上諏訪駅からバスでも行けますが本数が少ないので要注意です。茅野駅から30分ほど歩くとまず上社前宮の鳥居が見えてきます。前宮の本殿は少し登ったところに位置しており参拝は軽い山登りのような気分です。上社には洩矢神やミシャグジ神といった古い信仰、儀式が残っていて背後に守屋山も控えることから自然との繋がりが強く伺えます。
前宮で御朱印を頂いてから前回行けず心残りだった神長官守矢史料館を訪れました。ここでは諏訪大社の神長官を代々務めた守矢家の資料などを見ることが出来ます。僕が訪ねた時は他にお客さんがいなかったので受付にいた地元の方に展示の説明までして頂けました。入館料は大人でも100円と破格なので諏訪大社を参拝する時に時間があれば是非立ち寄ってみてください。因みにこの史料館の横にはかつて東日本広域で信仰されていたというミシャグジ様の総本社的存在である御頭御社宮司総社がひっそりと鎮座しています。
購入しました。この本は200円と同人誌よりも遥かに安く内容も充実しているのでお勧めです。東方Projectをご存知の方なら執筆者にもピンと来るのではないでしょうか。
上社本宮には本殿が存在せず、大きな神社としては珍しい造りです。表参道を入ると布橋という独特の通路を抜けて幣拝殿に至ります。境内は原生林に包まれていて厳かな雰囲気です。4社の中で最も諏訪大社らしさのある社だと思います。
上社2社で御朱印を頂きました。早足で移動していたこともあり時間に余裕があったので近くで昼食を取ることになったのですがどうも良いお店がパッと見つからなかったので
はい。こういうチェーン店ってどこで入っても美味しいんですよね。1月の諏訪は平気で氷点下に行くのでとにかく寒いんですよ。凍えた僕らに優雅にご当地グルメを探す余裕はありませんでした。冷え切った体にラーメンが入っていくのがもう最高で最高で…東京で食べるそれとは比べ物にならない美味しさでした。王将万歳!!!
残り時間も少なくなってきたので足早に駅へと戻りました。次は下諏訪駅に向かいます。この駅を最寄とする諏訪大社下社は春宮と秋宮の2社からなり春、夏にそれぞれ遷座祭が行われます。まずは駅から近い秋宮にお参りしました。秋宮はこじんまりとしていますが厳かな雰囲気が漂っています。
春宮は少し離れており道中で諏訪地域の景色も楽しめます。
良い雰囲気ですね。もうキャベツに対して何も感じなくなりました。春宮の近くには木倒坂という御柱祭の舞台となる坂があるのですが今回はパスしました。かなり距離があり坂が続くので訪れる際は車をお勧めします。途中に祠があったりと歩くのも楽しいんですけれどもいかんせん距離がね。諏訪湖を眺めつつ30分ほど歩くと春宮に着きました。秋宮同様上社よりはこじんまりとした造りですが御柱に挟まれた幣拝殿は壮観です。まさに諏訪信仰ここに在りという感じでした。
諏訪大社の御朱印を全て集めると記念品が頂けるのですが昨年は落雁、今年は巾着だったのでその時々によって記念品は変わるようです。
遂に中央本線を抜け篠ノ井線に…と行く前に岡谷で途中下車します。勿論洩矢神社へ参拝するためです。僕が諏訪に興味を持ったきっかけでもあるこの洩矢神社、去年の1月や大晦日と機会があるごとに参拝させて頂いてます。かつてこの地を治めていた洩矢神はこの洩矢神社に陣を張り、天竜川を挟んで建御名方神と対峙したそうです。住宅地に中にある鎮守の森の中にひっそりと鎮座する社にはどこか俗世とは離れた特別な雰囲気が感じられます。今まで訪れた時はいつも無人だったのですが今回は帰り際に地元の方とお会いしました。お話しさせて頂くとなんとただの地元の方ではなく洩矢神社の石柱の字をお書きになられた方だそうです。思わぬ出会いでした。
駅で少し時間があったので飯田線と記念撮影しました。今回は使いませんが。キャベツと211系のオレンジの組み合わせ良くないですか?なんかもう思考がダメですね…
久々に頭を使って疲れてしまったので今回はこの辺で終わります。次回は(もし続けば)遂に中央東線を抜け篠ノ井線で日本三大車窓と名高い姨捨へ向かいます。
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