藤本タツキ「さよなら絵梨」を読んで

ネタバレあるから気をつけてね










 たぶん、タツキ先生は漫画を描く上で、自分がやりたいことを最優先にして描いてるんだと思う。中盤、絵梨をとった映画がみんなの涙を誘った、有り体にいえば、作品が認められたけれど、主人公は全く満足出来ず、その作品を編集し続けた。そして、最後にとても清々しい表情の背景で廃墟が爆発するコマで終わる。あの、クソだと散々言われた爆発オチで。

 きっとタツキ先生はみんなによく分からないと言われたり、商業的な成功なんかよりも、自分が描きたいものを描いてるんだと思う(もちろん全く無視できるわけではないだろうけど)。その姿勢の強さと、それを表現しきれる画力や構成、この人にしかできないのだろうなぁと思った。

 描きたいものや作りたいものを貫くって難しいんだなって。でも、誤魔化せない想いがあの読み切りにはあったと感じました。

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