ハイキュー映画、開始10秒で号泣してしまう
「ハイキュー!!って作品名、ダサすぎるw」
2013年3月、当時中学2年生でサッカー部に所属していた私は、練習の休憩中、翌月から始まる新アニメ『ハイキュー!!』について、友人と小馬鹿にしていた。
ワイ「バレーアニメで”ハイキュー!!”って、そのまますぎるやろw」
友人「ほんまに。もし”ヤキュー!!”っていう野球アニメあったら笑うわw」
初回放送日の2014年4月6日(日)の17時、我々サッカー部数人は、友人宅に集まり、リアルタイムハイキュー鑑賞会を行った。
「な?やっぱり面白くないよなw」
と全員が叩く気満々だったが、そうはならなかった。
「まあ、悪くないな」
と全員意見が一致し、その日は解散。
次の週も友人宅に集まり、2話を鑑賞。
次の週も。
その次の週も。
全員気付いていた。
(どう考えても面白い。。。)
当時の中学生の我々からしたら、
必殺技がないアニメを見る機会はあまりなかった。
厨二病真っ盛りな我々は、いわゆる”そういうアニメ”が好きだったのだ。
(中でも黒子のバスケが好きな人は多かった。)
ハイキューの登場人物の見た目は、それほど個性的ではない。
ただ、物語が進むにつれ、一人一人の個性が分かっていく構造だ。
いつの間にか一期が終わっていた。
中学を卒業し、その頃の友人は皆、どこかへ行ってしまった。
高校になった私は、帰宅部に所属した。
家で一人でハイキュー2期を観た。
家で一人でハイキュー3期を観た。
白鳥沢編で何回か号泣した。
大学生になった。
ハイキュー4期を観た。
続編を待った。
全然来ない。
数年待った。
やっと来た。
必ず公開日に行くということは、この告知があった1年前から決めていた。
気付けば、あの日から10年が経っていた。
14歳だった私は、今は24歳。
放送開始日は「高校生の先輩」として観ていた烏野高校は、
「7つ下の高校生の後輩」になっていた。
ようやく来れた。
鵜飼監督の「バレーは常に上を向くスポーツだ」が好きすぎて、
前列で上を向きながら鑑賞することにした。
映画が始まり、7秒で涙が出てきた。
「やっと来れた」という安心感、
そして、中学の頃からの思い出がフラッシュバックしてきた。
実は私は、この大会の最終結末を知っている。
2018年、大学受験に失敗し、河合塾京都校で浪人をしていた時の。
14時間勉強生活での唯一の息抜きが、
コンビニでハイキューを立ち読みすることだったのだ。
その時に連載していたのが、ちょうど今回の烏野vs音駒。
毎週のモチベーションだった。
浪人時代を支えてくれて、ありがとう。
上映前・上映後の感想
上映終了直後、スマホのメモ帳に殴り打ちした感想をまとめていく。
岡山イオンシネマに入ってまず思ったのが、
中高生の多いことなんの、、、。
金曜日の17時って放課後で一番都合良い時間帯か。。。
前列のど真ん中を取ったのだが、両サイドにはJKさんがいて、
開始前から緊張感に包まれていた。
場違い感が凄かった。
それでも写真は撮る。わくわく。
一言で言うと、「最高」であった。
iMAXで観ればよかったと反省しているところだ。
これは私の本垢のツイート。
隣のJKさんは「今まで見た映画の中で一番良かった!」と言っていた。
なんかこっちまで嬉しい。
通路では「縁下か田中かどっちが好き?」
という会話が聞こえてきた。
この二人に想いを馳せる人は、にわかファンにはいない。(失礼)
本当にこの作品が好きなのだろう。
ここは映画を観る場所であると同時に、
ハイキュー好きが集まる場所だということに気づいた。
今まで、こんな空間に来たことは無かった。
公開日に来る人=作品への熱量が一番高い人
これからも、公開日映画鑑賞はやめられない。
内容の感想
散々泣いたが、内容自体は思い出補正に救われている部分が多かった。
映画全体としては、総集編に近かった気もする。
そもそも今回の作品を”映画”にするというのは、
本当に難しかったのではないだろうか。
音駒戦との対局をなすのは、白鳥沢戦である。
白鳥沢戦は「未知の敵→絶望→勝利」というシナリオなので、
映画向きである。
一方音駒戦は、1~4期で築き上げた一人一人のストーリーの集合体である。
これを85分間に圧縮するというのは不可能である。
だから今回は、研磨を主人公にして、物語を進めるしかなかったのだろう。
本当はもっと観たかった。
この試合だけで3部作にして欲しかったレベルだ。
両チーム一人一人の回想が"少しずつ"入る。
初見で観に行った人は「作品全体を観てみたい」という衝動に駆られたことはずだ。
ただ私としては、研磨&その他大勢という形にするよりも、
研磨、黒尾、夜久さんに絞るなどして、観たかった気もする。
(ちなみに音駒で一番好きなキャラは福永、その次が犬岡である。福永みたいな友達、ほんとうに欲しい。)
作画の感想
序盤は少し不安だったが、後半(特に第3セット)からは凄まじかった。
日向のドンジャンプ。
連載中、コマ割りの「ド」が一時期話題になっていたが、
このシーンを映像で観れて本当に良かった。
この時の日向の顔を見るだけのために、
もう一度映画館に足を運んでも良いかもしれない。
もう一つは、最後の研磨の一人称視点である。
ラストプレーが研磨視点で描かれるのだが、これが凄すぎる。
作画が凄いとかいう話ではない。
まず「これをやろう」と決めた制作チームが凄い。
あの瞬間は、会場全員がコートの中に放り込まれたのだ。
そこは、いつも観ている第3者視点のバレーとは全く違う。
定点カメラではなく、常に動き続ける研磨の目のレンズ。
バレーの特徴を
「レシーブ→トス→アタック&ブロック」
という説明をするとき、我々は第3者視点での説明をしており、
脳内に映る人間は3人程度だ。
しかし、実際の試合は、一人一人が意志を持って複雑に動く。
想像を超える「カオス」な空間がそこにある。
今回本当の意味でハイキューを観たのかもしれない。
【まとめ】
中学から観続けている作品の一つ。
数年間、待った甲斐があった。
こんなに泣くとは思ってなかった。
「懐かしい」という感情は、何ものにも代え難い。
数年後、数十年後の「懐かしい」を作るために、
これからも新しい作品には触れていこうと思う。
次回の鴎台戦でまた書きます。
フォローしといてね。
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