#49.地球の動きを止める/Chappell Roan - Good Luck, Babe!
おはようございます。7月に入ってからずっと、わたしの住む街はものすごい暑さに襲われています。ちょっと普通じゃない暑さですね。こういう暑さ続きの日には、冷たいアイスが食べたくなりますね。大人だから、一気に2個3個と立て続けにアイス食べたい!
けど、実際にアイスを立て続けに2個も3個も食べたことはないですね。なんでだろう。やろうと思えば今すぐにもできそうなものだけど。大人だから下手に現実的になって、「お腹壊すかもしれないな」だとか、「カロリーの摂りすぎだな」って思っちゃうからかな。
大人だからなんでもできるわけでもないですね。
諦めがいいことは、なんとなく世間ではいいこと、ポジティブなことにとらえられているような気がします。けど、あらゆる物事について、諦めがいい悪いで簡単に割り切れるのかなあという疑問もあります。
世の中には諦めがいいタイプと諦めの悪いタイプがいますね。わたしは諦めが悪いので、こうして世界の片隅で小説を細々と書き続けているわけですが。そうしていれば、いつかなにかいいことがあるかもしれないし。
そんなふうに考えてみれば、諦めが悪いってこともそれほどネガティブにとらえる必要もないんじゃないかなという気もしますよ。
たとえば学校の勉強なんかは諦めが悪いと困るもの。どうも自分には英語は向いてないみたいだし、英語は諦めよう! みたいなことは言えないし。特に受験が控えている場合には。なるべく諦め悪く勉強しなきゃいけない。きついけどね。
これは仕事も同じ。上司に割り振られた仕事が面倒だし、成果が出る見込みも薄いから諦めちゃえ! みたいな態度もそれなりに困る。こちらもさすがにもう少し諦め悪く取り組む必要がありそうです。
そうすれば、なるようになるんじゃないかな。少なくとも上司や同僚から「アイツは難しい仕事に熱心に取り組んでいて感心なやつだ!」くらいの評価はもらえるかもしれない。我ながらサラリーマン処世術みたいなこと書いてるけど。
もちろん、職場でセクハラやパワハラを受けていたり、あるいは長時間労働を押し付けられている場合は別ですよ。そういうときは諦めがいい悪いの話ではなくて、労基署や労組の話ですからね。
逆に諦めが悪くて困るものは、なんといっても人間関係ですね。たとえば、恋人から別れを告げられても諦め悪く、その恋人に執着してもこればかりはしょうがない。これは配偶者であってもパートナーであっても同じこと。
一度離れた心はよっぽどのことがない限りは修復できないからね。よっぽどのことってなんだろうと考えたけど、すぐには思いつかない。宝くじで10億円当たるとか、5年くらい山奥のお寺で滝に打たれて修行して心を入れ替えるとか。それくらい例外的な状況かな。
こういう場合はすっきり諦めないと、下手したらストーカーみたいになっちゃうと困るし。けど、恋人みたいなそれなりに親密な関係を築いた相手との関係をすっぱりと諦めよく断ち切れるかというと、それはさすがに難しいものがあるのも事実。
Chappell Roanの"Good Luck, Babe!"は、恋人やパートナーといったそれなりに親密な関係を築いた相手にすっぱりと別れを告げる曲です。公式動画は「20年くらい昔のワード文書」みたいな雰囲気があふれています。あえてそう作ったんだろうけど。
Chappell Roan - Good Luck, Babe! (Official Lyric Video)
この曲の主人公は恋人に対してすっぱりと別れを告げているんだけど、その別れを告げられた相手はまだまだその現実を受け入れられずにあれこれと言い訳を並べ立てている、みたいな状況が見えてきます。
ただ、すっぱりと別れを告げたと言っても、なんだかんだでこの曲の主人公は、心の奥底では簡単には割り切れない思い、断ち切れない思いを抱えている感じもなんとなく見え隠れします。
さすがに親密な関係を持っていた人との関係は簡単に割り切れるものじゃないからね。だからこそ、この曲には「その感情を止めるには地球を止めなきゃいけない」みたいなフレーズが繰り返し登場するのかもしれない。
なかなかの強いフレーズですね。この曲の主人公にとっては、恋した相手は地球=世界そのものだったのかもしれない。だから、相手への感情を完全に断ち切れないのなら、地球そのものの動きを止めるくらいしか手がない。それくらいの強い思いがあった。
けど、だからこそすっぱりと別れをちゃんと口に出して告げることも大事なんじゃないかなあとも思います。この曲の主人公のように。
それは自分の気持ちに区切りをつけるために必要な行為。特に相手がまだ別れたくないみたいなことを言っていても、こっちは別れを決めたんだから。ときにはそうやって自分の手で地球の動きを止めることも必要なのかもしれないね。
※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。
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