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じぶんマネージャー ~Automatic~

 まず、やる。
これがわたしの勉強法だ。

「事件は会議室で起きているんじゃない!
 現場で起きてるんだ!」

映画「踊る大捜査線 THE MOVIE」(1998年)より

 勉強したい対象について、まずあたってくだける。いわゆるせっかちで好奇心旺盛、とにかく「リアル」に触れたい。家電を買うとせっせと大急ぎで箱から取り出して組み立てて、実際に使ってみる。手っ取り早く肌感でどんなものなのかを確かめたくなってしまう。
 わからないものがわからない状態、何が足りないのか見えない状態が続くのが苦手だ。

 作業にあたり、はじめに教科書、マニュアルを渡されて熟読したとしても、実際やってみると5割はじぶんの頭で考えなければ進まない「応用編」だったりすることもある。
 とりあえずまずは失敗だらけでやってみて、「なるほどね」とその作業をする理由をじぶんの中で見出し納得させ、向き不向きと難易度を確かめる。 
 わたしはあまり理解度が高い方ではなく、説明やマニュアルだけを眺めていても実際にどんなものなのか想像がつきにくい。現実とイメージが違っていたらと思うと歯がゆい時間に感じてしまう。
 手っ取り早いのは実際にやってみる、やらせてもらうことだと思っている。
 恐れ知らず、恥知らずといわれればそうなのだと思う。命の危険がある場合はこれに限らない。ライオンのエサやり、劇薬の取り扱いなどであれば、はじめに必死に説明やマニュアルを読み込むはずだ。

 わたしにはとても合っている勉強法だと思うけれど、万人におすすめできる方法ではないと感じている。大きなデメリットもある。

  • いちばんはじめにした作業のクオリティは低い、もしくはできないため、手直しややり直しが必要な場合がある

  • いちばんはじめに難しいと感じた場合、挫折したり苦手意識をもつ危険性がある

  • 周りの方を心配させてしまう / テストができるものでなければ難しい

  • いちばんはじめに成功してしまうと、図に乗ったり間違え続ける

「失敗」というよりかは「感触や理由を確かめる」というニュアンスで取り組むので、人によっては「だから失敗するって言ったのに!」とびっくりするかもしれない。
 作業と説明が逆になるので、もしつきっきりのサポート役の方がいるとすれば、一番はじめは手間をかけ、ガッカリさせて無駄な時間になってしまうのかもしれない。

 対してメリットはこうだ。

  • マニュアル、教科書に書いてあることが本当の意味でわかる

  • 次にマニュアル通りにやってうまくいくとその差に感動する

  • 実際にやっているのでマニュアルがスラスラ頭に入ってくる

  • 不出来だったことが悔しいので改善するために必死に読み込む

  • 図に乗った際にガッカリされたくないため、焦ってコソコソ勉強する


 次に、理屈で、じぶんを納得させる。 
 わたしはとても頑固で、真面目すぎる、めんどくさい人間だ。
 柔軟性がないのでファーファを使った方がいいと思う。あたってくだけた際に「はじめてだから仕方ないね」と開き直る裏で、悔しい気持ちがメラメラ燃えているので「次こそは」と復讐心(復習心)が芽生える。これを利用する。
 また、挫折しそうになっていたら「何の準備もせず前知識もないんだから当たり前じゃないか」と理屈をこねて納得させる。
 そして必要なものをピックアップし、意志をもって勉強する。
 差し迫って疑問や危機を感じて必要性を見いだせなければ動き出せないし覚えられない方だ。丸暗記や「そういうもの」というものを頭に入れることができない。
「こういう理由があるから、こうする」
「この文字列は、こういう意味、意図」
「じぶんの思いを反故にしたくないから、言い訳したいから」
 そこから「なるほどね!の連鎖」でスムーズにじぶんの中で様々な作業を繋ぎ合わせて覚えたり動くことができる。
 じぶんが納得できるまで、その作業の細かいひとつひとつについて理由を見いだす。「なんで? どうして? どういうことなの?」
 納得できれば「こういうことか、やりたい、見てろよ」と動き始めてくれる。

 じぶんという使い勝手の悪い機械に自動で自主的に動きだすようにプログラミングしていくような感覚だ。
 めんどくさがりで、やりたいことしかしたくない。
 「めんどうでもやりたいこと、やった方がいいとじぶんで思えること」にするために、道順を作っていってあげる。
 そうすると「そうだよなぁ、やった方がいいよなぁ」と動き始める。


 最後に、じぶんすごい、と褒める、肯定する。
 これは大事だ。
 わたしはじぶんのことを尊敬している。ただ、とてもぐうたらでめんどうくさがりで小心者で意思が弱いことを知っている。だからこそ、偉業だと賞賛する。「わたし、案外やるじゃん」と。
 この場合は、結果より過程を肯定した方がいいかもしれない。
 ここまでの過程で、間違いなく「じぶんを動かす何か」をしている。
 意思が弱いじぶんを動かすためのガソリンを探してきて、注いで、火をつけているのだ。わたしのぐうたらさを嫌というほど知っているからこそ言える。思ったよりやるじゃん、と。


 なんでもはよくないけれど、なんでもいいからやらせたいと思っている。
ぐずぐずして悲観して何もしない日を続けさせてしまうと「やっぱりやらないじぶん」にガッカリしてしまい、信頼を取り戻すのに時間がかかってしまう。
 じぶんに言い訳できるもの、悪あがきしたものを誇らせる。
「何をやってるんだろう」と思うこともある。そこも屁理屈で「準備してたんだよね」「楽しかったね、ありがとう」と肯定する。
「何もせずに自己嫌悪する」よりはマシだ。おなかに力が入って「じぶんのために何かはしてましたよ!」と言い訳する。

まず、やる。
次に、理屈で、納得させる。
最後に、じぶんすごい、と褒める、肯定する。

 これを自動でやる。
 まずは調べましょうというけれど、はじめのとっかかりに調べていると小心者のわたしの場合、萎縮して動けなくなりそうだという部分もある。
 小心者ゆえに、無意識にはじめはおっかなびっくり作業をするとも思っている。(大胆に失敗することも多々あります)
 わたしには「やらせて失敗させて、勉強をはじめる」ぐらいがちょうどいいと思っている。

 外向けのじぶんにぐうたらなじぶんをマネジメントさせる。
 できれば長い時間「まず、やる」のピリッとした姿勢を保ちたい。


#わたしの勉強法

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