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YoloLiv社から、縦型ライブストリーミング専用のライブ配信機材「Instream」が登場

以前、Facebookのライブ配信部で、一台でスイッチャー、エンコーダー、テロッパー等を兼ねて、それ一台でYouTube等に配信ができるYoloBoxProをお借りして、配信した記事を書きましたが、そのバリエーションである縦型ライブストリーミング専用の「Instream」が、日本国内でも発売開始されました。
日本国内では、株式会社システムファイブさんが取り扱われています。

Instream

PRONEWSさんの記事はこちら

ちょっとお高いな、と思いつつ、これは面白いものだなぁと、国内販売の前から感じていたので、これを書いています。
これはけっこう衝撃的かも、と思う機器だからです。

なにが衝撃なのか

これまでインスタライブやTikTokなど、スマートフォンを縦に持って見る「縦長」のライブ配信は、配信する側からすると、いろいろ課題がありました。
いずれもアプリから簡単に配信ができるので、誰でも配信できるという手軽さがある反面、カメラはスマホに内蔵のものしか使えません。
そのため、画質を上げるためにビデオカメラを接続して使うといったことが難しかったのです。

ビデオカメラなどの映像は、横長で、縦横の比率もスマートフォンで見るインスタライブやTikTokの比率とは違っているため、画面の一部を切り取ってそれを配信するといった、映像の加工が必要になります。

また基本的にはアプリから配信することが前提のため、ライブ配信用のソフトウェアを使った配信には基本的に対応していません。
一部、PCから配信可能になったという情報もあるようですが、基本的にはそのアプリからスマホを使った配信というのが前提です。

ですが、インスタライブやTikTokを使う人にも、画質や音質を上げたい、またテロップを入れるなどして配信のクオリティを上げたいという要望があると思います。
多くの人が配信をする時代だからこそ、差別化のために画質のいいカメラをつないで使ったり、画面にアイコンやテロップを入れて、テレビのように映像を演出したい人も増えていると思います。

Instreamを使えば、複数のカメラを使ったインスタライブやTikTokを、自分で配信しながらワンオペでも行うことができるということです。

Instreamでできること

Instreamは、外部入力の映像端子を3つ持っています。
HDMI入力が二つあるので、HDMI経由でビデオカメラや、ミラーレスカメラなどのスチルカメラを二台まで接続できます。
さらにUSB Type-Aでビデオ入力が可能となっているので、USBで接続できるWebカムが使えるということです。

つまりInstreamを使うと、外部カメラを使った高画質な配信が行えるということです。
さらにその映像は、スイッチングと言って、本体でタップして切り替えての配信が可能です。

例えばライブコマースなどでは、トークする人の顔と、販売したいものを、それぞれ別のカメラで撮影して、切り替えながら配信することができるようになります。

Webカムも、3万円を超えるものなどでは非常に高画質なものもあるので、こうしたカメラを使えば、画質を上げられます。

YoloBox Proやminiでは、画面上にテロップ等を出す機能がありましたが、こちらのモデルにも、同様に映像に重ね合わせて文字やマークを表示できる機能があるとのことです。
コメントオーバーレイ機能という、コメント表示の機能もあるので、視聴者とよりインタラクティブなやりとりを演出するのも簡単にできます。

165,000円という価格は高いか

個人でいきなり買うには、165,000円はちょっと高いかと思いますが、仕事としてインスタライブやTikTokを使っている人にとっては、非常に魅力的な配信機材だと感じます。
個人的には、Zoomにも対応しているとのことで、ぜひ試してみたい機能でもあります。

本体内蔵のバッテリーで2時間駆動し、無線LANやSIMカードも使用できるので、これ一台に、カメラとマイク(カメラはWebカムでもOK)を準備すれば、リッチな配信が可能になります。
バッテリー駆動するので、SIMカードを本体に挿したり、モバイルルーターを使用すれば、アウトドアでの配信もできるのは、個人的にとても魅力的です。

しかもこれは、ワンオペでも可能だと思います。
インスタライブであれば、今も、そもそも演者さんが自分自身で、一人で配信されているものがほとんどではないでしょうか?
テロップなどは準備しておく必要がありますが、カメラの切り替えやコメントの切り替えはタップするだけなので、準備さえきちんとしておけば、配信がスタートした後の運用は、一人でも可能だと思います。

導入のハードルと懸念事項

ここまで書いてきましたが、使用するハードルと、懸念される部分がいくつかあると思うので、それも書いておきます。

日本語での情報の少なさ

こうした機器を買うとき、使うときのハードルとして、もう一つ、日本語での情報が少ないことが上げられると思います。

まだ発売直後と言うこともあり、国内での情報が少ないので、使い方に迷うかたもいると思います。
以前、YoloBox Proをレビューさせていただいたとき、私も使いはじめの段階でかなり迷いました。

ですが、一度設定できてしまえば、あとは楽に配信できました。
最初のとっかかりとして、導入部分が分かりにくいと思います。
YoloBoxのシリーズは頻繁にバージョンアップされているので、画面などが変更になっているかもしれませんが、私がレビューしたときの記事を貼っておきます。
最初の手順なども記載していますので、参考になれば幸いです。


機能が集約される分の怖さ

今回のInstreamも含め、YoloBoxシリーズは、映像のエンコーダー、モニター、映像を切り替えるスイッチャー、そして録画機能(レコーダー)、さらにネットワーク接続して配信する機能を、ひとつの機器で行えるようになっています。
そのため、どこか一つに不具合がでると、配信できない、あるいは録画ができないということも考えられます。

スイッチャーや映像レコーダーが別々になっていれば、その部分だけ、別の機材に取り替えるということができるますから、その切り分けができない機材は恐い、という考え方もあります。

次善の策は、どんな機材でも必要

ですが、担保したい配信の品質と、かけられるコストを考えたら、Instreamはアリだと思います。

どんな機材でもトラブルがあるかもしれない、ということは同じです。
インスタライブやTikTokであれば、iPhoneやAndroidスマホを次善の策として用意しておけばよいのではないでしょうか。

そもそも予算が潤沢にあって、人数をかけられる配信なら、Instream以外の機材を検討できると思いますが、画質はもっと良くしたいしカメラも複数にしたいけれど、人はいない、というような現場、あると思います。

私の考える使い方

私はいま小さいプライベートスタジオを持っていますが、これを設置して、セルフでインスタライブをよりリッチな画面でできるサービスをしてみたいです。
YouTuberさん向けのスタジオなど、いまはたくさんあるので、そうしたところで付帯サービスとして、配信用のアカウント設定とテロップ等の設定をしてあげて、あとは自分でやってね、というようなサービスって成立しないかな、と考えたりします。

あとは外に持ち出しての配信が楽しそうです。
小規模なライブコマースなどにも、おすすめの機材だと思います。

自分が今すぐ買うか、というと、私はインスタライブもTikTokもやっていないのでちょっと迷うところですが、これからは縦型動画の時代だと思うので、機材費に余裕ができたらぜひ試したい機材です。


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下司智津惠(GeshiChizue)
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