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月組公演「グランドホテル」を映像で見たょ✌

ということで、初めての宝塚を鑑賞してみました。
今回はDVDを拝見しているので、やっぱりいつか生の舞台に行きたいですね。

見ながらリアルタイムで思ったことを率直にメモしていっているだけなので、支離滅裂かもしれませんがご了承を…

オープニング

主演の方がセンターで独唱。今回は珠城りょうさんという方ですね。
めっちゃじっくり顔見せてくれるんだな、といった感じ。
このまま全出演者の紹介が始まるみたいです。とにかく人数が多くて画面の迫力も満点。
色んなミュージカルを見てても、アンサンブル・コーラスラインの人数には差がありますが、宝塚ではとにかくアンサンブルの方も多くて、声や画面の迫力は常にありますね。

ロビーの回転扉のセットがかなり好き。これだけでホテルの雰囲気出るよね。

ドクターという方が出てきました。舞台下手に座ってます。これ固定なんでしょうか…
よく固定で座って説明係をしている配役がありますが、役者さんこのシーンどうしてるんだろと思って、つい何度も目を向けてしまいます。ふとした時に下手を見て、完全地蔵になってるのか、ある程度自由に動いてるのか…何度も見てしまうのはわたしだけではないはずです。

ドクターは基本説明係でしょうか。説明台詞ありますね。
ドクターのこの老けメイク?でしょうか、年配を演じるためのメイクが凝ってますね。どうしてもメイク濃いおばちゃんがちらついてしまうところもありますが、何とか脳内補正で年配男性ドクターをイメージしてみることに。

一人一人紹介が始まったみたいです。

バレエダンサー、エリザヴェッタ・グルーシンスカヤの紹介。動作がとにかく美しいです。お名前からロシアが連想できましたが、この時点でそれについては分からない状態ですね。さよなら公演の旅の途中とのこと。真っ赤な衣装も美しいですね。
ラファエラ・オッタニオさん…顔めっちゃ好き!!!いや顔というより髪型かもしれないけど、この髪型とお顔がとっても似合ってて雰囲気大好き。

舞台上で縁者さんが吸ってる煙草の小道具すごいですね。当然リアル煙草ではないし、でもちゃんと口から煙を出せてる。どういう原理で煙出てるんだろ。水蒸気系のやつかな。でも水たばこ的な水蒸気のやつって肺に入ると危ないから舞台向きでなさそうだけど、どうなんだろ。

乱暴な運転手の役の方、どうしても顔から上品さが出ていてかわいい。言動や所作にこそ乱暴さはあれど、顔や声の厳つさには限界あるわよな。それもいい。

貧乏人労働者のような方が出てきました。小道具すごいですね。小型の檻のようなものにアルミ食器?みたいなのを入れてガシャガシャ音を鳴らす小道具。舞台の雰囲気をガラッと変えられます。ただこういうのって必要ないときに音鳴らさないようにしなきゃいけないから、持ってる人も結構緊張する小道具に見える。コツがあるのかもしれない。

そうこうしてるとミュージカルパートで下手に座ってるだけのドクターが映りました。歌に参加せず座って見てる感じですね。うん気になる。

仕方ないのかもしれませんが、この労働者・使用人のミュージカルパートでところどころ歌詞が聞き取れないところが出てきちゃった😢
DVDの音源って限界あるし、こればっかりは仕方ない。けどこのシーンで労働者の方の嘆きの内容が聞き取れないのは筋に影響しそうな…しないかもしれないけど。
しかしその後の主演の歌パートすごい…聞き取りやすさが全然違う。さすが。

ホテルのフロント係さんが電話するシーン。エリックさん、顔が美形…オールバックが似合ってます。銀の細縁眼鏡が似合うのすごすぎる。

エリザヴェッタが登場、初台詞。

このセリフの勢い、発声、動作、仕草が求めてたブロードウェイミュージカルのそれ!!洗練されてますね。この方の演技好きです。
エリザヴェッタの動作がかなり良い。とにかく良い。
「彼のハンガリー訛りひどすぎるわ!」
このセリフいいですね。

ホテル支配人がエリザヴェッタに対し花束を持って大げさにロシア語で挨拶をして出迎えたことに対し、エリザヴェッタは喜びながらも
「私フランス人よ、どうしていつもロシア語で話すの?メルシーボークー」と返す、一連の流れが好き。あと地味に「メルシーボークー」の発音良すぎた。フランス語で感謝を述べたのが印象的。これも本筋に関係あるのか。

名前からエリザヴェッタはロシア人かと思ったけど、フランス人と騙っている状態なのでしょうか。支配人が大げさに迎えたようなのも、観客にロシア語でのあいさつを分かりやすくするためか、支配人が大げさに動作したのかどちらかが今のところは分かりませんね。

エリザヴェッタを取り巻く興行主なども含め、皆話す言葉が違う(出身が違う)という設定にも今後意味が出てくるでしょうか。

とにかくエリザヴェッタの目線や動作が上手すぎます。演技そのものが上手い。カメラで寄って撮られてなくても、その細かい動作にちゃんと意味があり、観客にそれを届かせている。すごい。

男爵の人物紹介パート。

とにかく男爵には金がないという状況説明ですね。
「6か月分の滞在料金が未払い」という支配人に対して
「7か月だ」
と返すコメディ加減も良い。
そして男爵が持っている金のシガレットケースも何か意味ありげですね。
フロント係が男爵の金のシガレットケースを褒めたことに対し、男爵が
「君の手に渡るように遺書に書いておこう」と返すのも、ジョークのように見せながら紳士さも匂わせて、男爵の人柄を演出するに良い会話ですね。

男爵が椅子に座っているところ、男性所作が追及されていて良いですね。宝塚の男役の肩って、立ち姿より座っている姿の方が男性所作がはっきり出るポイントな気がします。

オットーさん、無事チェックイン

各登場人物がホテルのフロントサービスで電話をしている様子から、「とにかくお金を必要としている」ということ、「時間が残り少ない」ということを5者5様の理由で見せています。

オットー・クリンゲラインという病気で寿命残り少ない男性が支配人と揉めています。支配人がホテルに入れてくれないと。オットーについて、声はやはり高いのですが、自然と男性に見えてくる馴染みがありますね。アニメで男児役の声を女性声優さんが演じているみたいな感じする。

ドクターの説明台詞も踏まえれば、オットーは生い先長くない人生の意味を見るけるためにグランドホテルに来たみたいですが、私個人としては「??」といった感じ。動機がいまいち掴めません。

まあ、男爵のかっこつけ紳士ポーズのおかげでオットーは無事にグランドホテルに泊まれるようです。オットーがグランドホテルに求めていることが謎ではありますが、様子を見ます。

エリザヴェッタ、売れなさすぎる。

サヨナラ公演行脚をしているエリザヴェッタですが、チケットが全く売れていない上に、かといって公演キャンセルにも金がかかるという厳しい状況に追い込まれているようです。ショービジネスは厳しい。
エリザヴェッタの良評を書いた新聞記事に対しても、皮肉っぽく
「炎は消えかかっているし氷は溶けかかっているわ」
とこぼすエリザヴェッタ。このセリフの言い方が綺麗…
エリザヴェッタはこれ以上公演を続けることを苦痛に感じているみたいですね。キャンセルしたいとまで言っています。

しかし興行主から「チケットは完売で満席だ!」の説得などを受け、何とか踊り続けることを決めます。
「エンジェルのような踊りを頼むよ」と言われ、
「わかってるわ、炎と氷ね」
と返すところも好き。

しかし実際のところは、タダ券を配っても受け取ってもらえず満席は嘘。
タダ券も受け取らないなんて貧乏性の私にはわかりませんが、それくらい厳しいんでしょうかね…

エリザヴェッタのマネージャーはこの事実に驚きますが、興行主から
「マネージャーはマネージするのが仕事だろ?二度とバレエはごめんだ。ジャズだよ。ジャズだけ!それにヌード!」
と怒られる始末。しんど…

てかバレエに手を出したのが初めての興行主が打ち出しミスってるだけなんじゃないかとすら邪推してしまいますね。だってエリザヴェッタ綺麗だし上手いもん。ヌードだ!とか言ってる興行主がまともなわけなくない。

エリザヴェッタとラファエラ。

この後はエリザヴェッタとラファエラのパートが続きます。冒頭とは変わってバレエ衣装とトゥシューズを着用しているエリザヴェッタは、立ち姿に所々ルルベ(トゥシューズでつま先立ちをする)を用いているので、とにかく美しいです。シーンの中でバレエ仕草を忍ばせているおかげで、場面のいつでも画になりますね。どこを切り取っても絵画みたい。

ラファエラがエリザヴェッタの力になるために必死なときの表情のつくりも素敵です。たださすが主演女優(?)のエリザヴェッタ役の方はとにかくレベルが違いますね。振る舞いやセリフの自然さが他と比べて飛びぬけています。

そういう意味でラファエラは見比べてしまうので、すこ~~しだけ気になったのが、ラファエラがセリフを話すときの口および口周りの筋肉の動かし方ですね。歌唱中は問題ないのですが、セリフの時だけところどころ発音が難しそうに話しているというか、実際に嚙みかけたのかな?みたいなところが見えるのですが、ラファエラの顔のアップでこの辺が原因に見えました。緊張というわけではないでしょうし、低い声域の発声と発音のために無理して変な口の形になっているように見えました。もっと力が抜ければ綺麗な発音になりそうなのにな~と思ったりした。

ラファエラはエリザヴェッタに「貯金がある」と言っていました。ラファエラはお給金のすべてを投資しており、いつかエリザヴェッタが頼れる人が自分一人になることを望んでいるみたいですね。メンヘラ感出てきましたけど、これが重度かどうかによっては誰か死ぬエンドが見えてきましたね。ああいやなフラグ。

ラファエラがエリザヴェッタへの思いを歌いだします。
「感じていたのは愛です」
ラファエラは女性のようですが、どの種類の愛情なのかが気になるところです。ラファエラの歌唱をバックに踊るエリザヴェッタ、これぞバレエ!といった感じですごい。

フラムシェンと男爵、出会う

次にタイピストをしているフラムシェンと男爵の出会い。ここで男爵の色気に初めて気づきました…

男爵にナンパされたフラムシェン(彼が男爵とはまだ知らない)は
「私が何もかも投げ捨ててあんたのところに飛んでいくと思ってるのね」
と男爵に軽く言いますが、それに対し男爵が
「うん」
と本当にちい~~~~~~~~~~~~~~~~~~さい声で言ってから、フラムシェンの肩から腕をすっと撫でながら
「頼むよ」
と言って
「じゃ、夕方5時に、パビリオンで」
とキメ顔で去っていくんですが、この流れがすっっっっっっごい色気だった…シンプルに惚れた…これが主演男役の魅力か…!!!と言いたくなりました。グッときました。とにかくかっこよすぎた。

フラムシェンが女優になりたい気持ちを歌うミュージカルパートも素敵でした。ダンスも歌声も良い意味で宝塚宝塚してない感じ!
「I have to go! I have to go!!」
かわいかった。ここまで歌いながら踊ってるパートは始まってから初めてなので楽しそうでとっても良かったです。

男爵、結構やばそう

男爵の部屋にパートが移り、部屋には男爵と運転手。男爵は運転手のボスから金を借りているようです。

金持ちの未亡人でも捕まえろという運転手に、男爵は
「俺はジゴロじゃない」
と返します。そこには割とプライドがあるみたいですね。

ここで、お金に困りすぎている男爵は”必要に迫られて”盗みを働いていたということも明らかになります。男爵が盗みをする世界。意外とそういうもんなんでしょうね。盗みをするのは許せて、ジゴロになるのは許せないという範囲がこの時代の男爵のプライドを描写するのに面白いですね。観客から見てもアンバランスなように思えるのが良い。

ここで、運転手からエリザヴェッタの持っているジュエリーを盗んでくるように言われます。明日12時までに持ってこないと殺すとの脅し付き。

それを受けてまだ男爵は
「すべてをわが手につかむ」
とどや顔で歌っています。それどころちゃうやろ。

フラムシェン、男爵、そしてオットー

フラムシェンと男爵の待ち合わせにパートが移ります。
待ち合わせ場所で踊ってるフラムシェンを見てほほ笑む男爵。かっこえ。惚れるねんそれ。
フラムシェンが
「私があんたに会いたくてここに来たんだと思ってるんでしょう!」
とツンデレみたいなことを言い始めますが、男爵は
「とんでもない、俺が君に会いたくてここに来たんだ」
と返します。歯の浮くようなセリフというか、キザがマックスみたいなセリフって場合によっては聞いてられないんですけど、こればっかりは惚れる。いちいち好き!なる。

男爵もあれほどの脅しを受けても女ひっかけてる余裕があるのメンタル強いですね。さすが。

そしてこの場に偶然居合わせたオットーにより、フラムシェンは男爵が男爵だと知ることになります。このシーンで、オットーが男爵に対する感謝を述べているのをほほ笑んで見つめながら、ノールックでフラムシェンの腰に手を回してエスコートしていく男爵の一連の動作がかっこよすぎて涙出てきた。ホント好き。これが宝塚の男役か…と思わされました。こんなエスコートされたら泣いてしまう。

ここにきて、女性役の方たちの女性レベルが高くて、必然的に男性役がちゃんと男性役に見えるようになってきました。慣れてきたというのもありますが、女性役の女性仕草の美しさで男性役も際立つようになりますね。

男爵はオットーに必死に株を勧めます。男爵は株の購入を勧めれば何かしら大金が入る算段なんでしょう。金の工面に必死なようですね。

さらに運転手が追い打ちをかけるように、公演中の今のうちにエリザヴェッタの部屋からジュエリーを盗めと言います。

エリザヴェッタ、屈辱のノーアンコール

エリザヴェッタの公演にシーンは移ります。
がらがらの客席に、まさかのノーアンコール。
「アンコールの声もなしよ…あんなステージに戻れやしない!」
「私なんかもうお呼びじゃないのよ」
というエリザヴェッタの悲痛な声が刺さります。しかしエリザヴェッタのセリフ一つ一つが絶妙。

演者にとってアンコールなしのステージ…客席がガラガラなことよりこたえる仕打ちです…自分が舞台に立っていた経験もあるので、とてもじゃないけどもう次の舞台には立てなくなるくらいショックを受けると分かります。しかし本当にそういうこともあるんですかね…

もうエリザヴェッタはボロボロ。ラファエラが何とかエリザヴェッタをステージに立たせようと説得しますが、アンコールがないのに幕を開けられない、と会場から逃げ出すエリザヴェッタ。

興行主とマネージャーの間でも揉めます。キャンセル料も払えない、損をするという興行主に対し、
「何とかするよ。今までもそうしてきたじゃないか」
と言い捨てるマネージャー。それぞれが苦しそうなのに、何とかする、どうにかする、その意思があるのが心えぐられますね。妙に力強いセリフなのが却って心苦しくなります。

男爵、盗む。そして見つかる。

そして場面はエリザヴェッタの部屋に盗みに入る男爵の様子へ。
無事に入室、ジュエリーを取り出したところで部屋に帰ってきたエリザヴェッタに見つかります。

「フロントに電話するわ!」
というエリザヴェッタに対し、自分はファンであなたを愛している、という男爵にエリザヴェッタは手を止めます。

エリザヴェッタが私の踊りは終わったのと言いながら、
「ダンスはね、生きる喜びなの。でも私はそういうものを感じない。もう何も感じない」
というエリザヴェッタの声が切ないけれど、落ち着いた大人の声に聞こえるんですよね。

ここでエリザヴェッタが39歳と39か月ということが判明するんですが、なるほどその落ち着きを表現しているエリザヴェッタの声色やセリフの言い方、動作仕草に納得です。正直30前半くらいのイメージで見てた。

このままエリザヴェッタの部屋で二人は恋に落ちます。
最初は盗みに入ったことの言い訳に、ファンを名乗り愛していると言い始めた男爵も次第に本気になります。ミュージカルパートも相まって、ダイナミックに恋に落ちていきます。壮大すぎてなんか一緒に泣いちゃいます。

この場面で起きてるのは、部屋に入ってきた泥棒とバレエダンサーの一目惚れなんですけどね。

ラファエラの独唱

この後すぐに、ラファエラのミュージカルパートに変わります。
「彼女に必要なのは頼れる人ね」
「私は強くない」
「利口でもない」
「でも傍にいられたら強く利口になれそうよ、あの人のために」
と歌います。顔が好き。美人だ…

ラファエラ、一応闇落ちもしなさそうだしメンヘラこじらせて男爵刺したりもしなさそうで、本当にただの良き理解者になってくれそう。フラグ回避かな。良かった。

そのあとはフラムシェンと社長に変わり、社長からボストン行きを持ち掛けられます。フラムシェンのハリウッドへの強い思いからボストン行きを希望します。社長の挙動不審見れば、どう考えても怪しい誘いですが、この怪しさの出し方も女性ならではだなと思います。

女性って自分のキャリアのために犠牲にしたり見ないことにしたりすることもあるし、それを利用する男の多いこと…グロさを感じましたね。
一夜を過ごしたエリザヴェッタと男爵のパートに移り、男爵はエリザヴェッタに全てを明かします。

男爵とエリザヴェッタの死亡フラグ

ネックレスを盗むつもりでこの部屋に来たという男爵に対し、意外とあっさりと
「あ、そう?」
と返すエリザヴェッタ。
「ネックレスならあげるわよ」
とまで言っています。

男爵はもう完全にエリザヴェッタを愛していて、エリザヴェッタも男爵を愛している、とお互いに認識しあいます。おめでとう。

エリザヴェッタは男爵のおかげで踊りたくなった、次の公演のウィーンについてきてほしいと男爵に持ち掛けます。

金がないという男爵に、それくらい私が何とかする、とエリザヴェッタは返しますが、やはり
「私はジゴロじゃない」
と返し、何とか自分の力でウィーンについていくことにします。

「方法なら何とかするさ。いつもそうしてきたんだ!
駅で会おう。腕いっぱいのバラを抱えていくよ!」
と男爵は盛り上がってますが、完っ全に死亡フラグ。最悪。これ行けないパターンやん。つら。頼むしハッピーエンドになってくれ。

エリザヴェッタ幸せの独唱

男爵が帰った部屋で、エリザヴェッタが恋をしている喜びを歌い上げるミュージカルパートになります。

この楽曲があまりに力強い歌唱とダンスで華やかながら、恋をした時のどうしようもない高揚感をあまりに忠実に再現した楽曲だったのでドキドキしましたね。
いくつになっても、恋した時ってときめき高ぶって、「私恋をしている!」と胸いっぱいで泣きたくなるんですよね…

最近ウエストサイドストーリーの「I feel pretty」でもこういう恋して舞い上がっている女性の曲聞いたんですけど、まあこれも完全に死亡フラグ。
この場合死亡フラグというより、この恋がどう足掻いても悲恋に終わるというバッドエンド耐性のない私には苦しい展開が待ち受けていること確定なんです…

男爵あっさりフラムシェンを振る。オットー大儲け。

場面代わって、男爵がフラムシェンと再会します。

男爵は当然エリザヴェッタと恋に落ちてるので、あんなに口説いたフラムシェンを気軽に振ってしまうんですけど、フラムシェンも物わかり良くあっさり了承するのが切ないような、でも美しいような気がしますね。
素敵だよフラムシェン。
でもこういうのに落胆しすぎない人って、こういう裏切られ方に慣れてたり人生大変だったりするんだよな…フラムシェン(涙)

そこにオットーがやってきて、男爵が進めた株を買ったことが明らかになります。しかもオットーが買った株はちゃんと上昇し、大金を手にしたと。やったやん男爵!

お祝いにオットーと男爵が一杯交わすミュージカルパートに入りますが、ここでグラスを持っているフリをしているのが印象的でした。中に何も入ってないグラスくらい小道具として渡してもよさそうですが、そこで敢えて実物を持たせないところはこだわりでしょうか。

ていうか、男爵はオットーが株を買ったことで何か紹介料でももらえたんでしょうか?
でなければ男爵のお金の件も解決してないし、そもそも取引としてオットーに株を勧める理由がないのですが、これについてはまだ分かりません。

それから、こういう時に常に全出演者がコーラスアンサンブルとして後ろに並んで踊ってるのが意外です。迫力はすごいけど、たまに「この人たちなんでいるんだ?」みたいな気分になります。アンサンブルとかコーラスラインが多いミュージカルに慣れてないから分からないけど、その方がいいんだろうか。

男爵とオットーのお祝いでのダンスで、踊りすぎて死にそうになっているオットーが儲けた札束を落とします。男爵はそれを盗む。あーあ。嫌な予感ですね。
オットーが本当にこのまま死んでくれればいいですが。と思ったら、意外とすぐにちゃんと男爵がオットーに返してくれました。しかし目を見ないで返す後ろめたさ。まだ良いことをしているけど切ないね。

オットーは、男爵のその後ろめたさに気付いているような素振りですが、「友達じゃないか」
と男爵の背中を押すような、優しさを感じる後押しでしたね。

同時に、フラムシェンと社長のシーンもあります。フラムシェンが契約したのは秘書契約ではなく愛人契約だったということに気づきながら逃げています。フラムシェンはある程度分かってて引き受けて、うまいこと逃げ切るつもりだったみたいだけど無理だったか。フラムシェン頑張れ。

場面戻って、オットーは儲けの取り分だと言って男爵に金を渡します。断ろうとする男爵でしたが、背に腹は代えられない様子。そもそも、本当に男爵の取り分がなかったのなら、本気でなんで株勧めたんだ。その辺がよく分からない。

男爵は金を受け取る代わりに、金のシガレットケースをオットーに担保として渡します。金も、「借りる」という名目にします。

オットーは友達の間柄で担保?と不思議がりますが、
「友達の間だからこそ必要なんだ」
と男爵は言います。この辺本当に分からない。男爵は金を素直に受け取れよ。何のために株勧めてん!!!!!!

男爵、金取られて振り出しに。フラムシェンに危機迫る。

まあ想像通り、男爵は手にした金を運転手に持っていかれ、今度はフラムシェンのいる社長の部屋に忍びこんで金を盗むようにと言いつけます。銃まで持たせて。ハイ確定。誰か死にます。お疲れ様でした。

男爵は言われた通り銃も持ったまま社長の部屋に盗みに入るわけですが、隣の部屋でフラムシェンが社長に襲われているところを発見。男爵が助けに入ります。
慌てた社長とも結局揉めて、銃声が響きました。
撃ち殺しちゃったみたいです。
しかし、この時点では撃たれたのが誰かは分かりません。まあ社長か男爵どっちかが死んでるだろうな…

男爵のイマジナリー?

そのシーンの後すぐにバラを抱えて駅でエリザヴェッタを待つ男爵に代わります。恐らくここからは男爵のイマジナリーの世界です。現実じゃないシーン。

男爵は罪への罪悪感を歌っていたかと思うと、急に恋の甘さについて歌いもします。
このあたりがイマジナリーの支離滅裂さというべきでしょうか。
私を含めた観客は何が起きているんだと不思議に思います。
楽曲もずっとオペラぽいのが気になります。悲劇感マシマシ。

次のシーンで男爵が部屋のベッドでバラを抱えて横たわっています。
そこに黒い服のエリザヴェッタが現れ、その口づけとともに男爵は起き上がり、二人は踊りだします。なんでや。これもまあ、順当にいけば男爵の妄想、イマジナリーといった感じでしょうね。

黒い服のエリザヴェッタは当然悲劇を表していますから、このあとは残念なエンド確定です。もうダメだ。でもダンスめっちゃ綺麗。とにかく踊りが美しい。

現実へ。衝撃の事実。

二人の踊りが終わり暗転。

シーンはラファエラが
「言えないわ」
と歌いだすことから始まります。

刑事から尋問を受ける支配人。
ここで初めて撃たれたのは男爵の方だったことが分かります。

ラファエラが言えないと嘆いたのは、男爵が死んだことをエリザヴェッタに言えない、ということだったのですね。
これでさっきの男爵のシーンがやっと辻褄の合うものになって観客も起きていたことが何だったのかを理解します。

しかしラファエラがちゃんと闇落ちせずに最後まで良き理解者であってくれそうで助かった…でも男爵死んじゃったから何も誰も助かってない…

フロント係、子供生まれる。おめでとう

場面は変わって、冒頭のフロント係の息子が生まれたことが分かります。フロント係がそれについて歌う。意外と重要な役どころだったのかな?独唱パートがもらえているし、結構尺のあるテーマですね。

登場人物、締めに入る

ここからは登場人物たち一人ひとりのストーリーが締めに入っていきますね。
オットーはホテルを出ることにし、ドクターに建物の中に人生があるわけじゃないのだと気づいた、として礼を言い後にします。

豪華なホテルで過ごせば自分の人生に意味を見いだせる、そのホテルに滞在したことが自分の何もない人生の意味になると信じていたといことですね。動機としては分かりやすいんですが、それにしてもオットーの人間描写が少ないので違和感は残ります。

ラファエラは、刑事や支配人に、エリザヴェッタには事件のこと、男爵のことを一言も言ってくれるなとくぎを刺します。
ラファエラは男爵が死んだことを、エリザヴェッタに知らせないつもりなんですね。

エリザヴェッタの姿はまだ見えません。
あまりに出てこないので、エリザヴェッタも男爵の死をとっくに知っていて後追いしてるかも、と邪推してしまいます。でもとことんまで悲劇作品だとこういうのよくある展開ですよね。後追い自殺で究極のバッドエンド的な。

ホテルを後にする運転手。この人も、男爵と関わり続けていたのが本当に純粋にただの金のため、みたいな描かれ方でした。もうちょっと読み込める部分もありそうでしたが、まあでもいっか…

フラムシェンもロビーへ登場。ホテルを出るフラムシェンと後に続こうとするオットーでしたが、オットーはフラムシェンを呼び止めてパリに行くことを伝え、フラムシェンに
「一緒に来てほしい」
と告白。

ここでやっとエリザヴェッタが登場!真っ白の衣装です。まだ男爵の死を知らない様子。まだ最後の落胆があるか…どうなんだ…

エリザヴェッタはホテルのロビーで
「彼を待ちましょう!」
と上機嫌。ラファエラはなす術もなく、荷物だけ運びます、と言い残します。
これはもう一段階、最悪の落差がやってきそうですね。ここまで来てエリザヴェッタが男爵の死を知る描写が入らないなんてあるはずないので、最悪のシーンを見る心の準備を…

フラムシェンはオットーとのパリ行きを断ろうとします。フラムシェンは妊娠していると。当然夫は誰か分からない。フラムシェンはもっと自分を大事に生きて!と言いたいところですが、そうでもしないと生きていけないんですよね。お金も時間もない。このホテルの登場人物はそういう曰く付きです。
しかしオットーは動じず、子供がいることを喜びフラムシェンにパリについてくるよう頼みます。フラムシェンはそれについていくことを決めました。泣いちゃう。


さらにフロント係がオットーに子供ができたと声を掛けます。
その報告に、オットーは男爵から預かっていた金のシガレットケースをフロント係に渡しました。
ちゃんと冒頭の男爵とのやり取りである
「君の手に渡るように遺書に書いておこう」
が回収されました。男爵が本当に遺書書いてたからではないと思いますが、まわりまわってオットーがフロント係にシガレットケースあげたのは、いい話だけどやっぱり動機が謎ではあります。

シガレットケースを受け取るフロント係。オットーとフラムシェンは二人で仲良くホテルを出ます。ここだけめっちゃハッピーエンドになってて草。あとエリザヴェッタ残ってるぞ。

この間ロビーで待ち続けているエリザヴェッタに、ラファエラは
「彼はきっと駅で待っている」
と伝えます。

エリザヴェッタは、確かに男爵が駅で胸いっぱいのバラを抱えて待っていると言い残したことを思い出します。全然覚えてないやんエリザヴェッタ。
しかしエリザヴェッタ、急に不安になって
「本当に来るかしらね」
とラファエラにこぼします。ラファエラは手を取って、
「はい。きっといらっしゃいます」
と言います。なんて残酷な。

エリザヴェッタがホテルの回転扉から出る一瞬、真っ白の衣装に身を包んだ男爵とすれ違います。エリザヴェッタが見た男爵の幻影といったところでしょうか。

男爵ステージ前面に登場。オープニングテーマのリプライズかな?を歌います。

その後ラストはなぜか急に男爵とエリザヴェッタ再会。めっちゃ踊ってる。カーテンコールかと思ったらそうでもなさそう。何が起きてるんこれ。
と思ってたら、ショー部分はこれで終わりました。

「???」となってしまったエンド

…何エンドなんこれ。エリザヴェッタがかわいそうやろ。なんでこれで終われるん。え、なんでこれで終われるん…
というのが率直な感想でした(笑)

貧乏労働人みたいな、いかにもすごいストーリーや反逆を展開してきそうだったシーンは特に回収もなく、カタルシスみたいなものも特になかったし、まあそこがお話の軸ではないとはいえ、謎や残されたままのような伏線が気になってしまうところではありました。私が見逃しているだけという説も濃厚です(笑)

エリザヴェッタが男爵の死を知らないままストーリーとしては終わりを迎えるのも、ラ・ラ・ランドみたいな後味の悪さがあってしんどくはありました。エマ・ストーン大好きなので、ラ・ラ・ランド見た時の後味の悪さは衝撃だったな…

ミュージカル映画って最近はハッピーエンドじゃない方が評価される風潮ありません??知らんけど。私は雨に唄えばみたいなハッピーエンドが見たいの!楽しいミュージカルがいいの!と地団駄 踏んで駄々こねちゃう

DVDを貸してくれた方にお伺いすると、そもそも元の演目での主役はオットーであり、役者さんの都合上 主役を男爵に変えたストーリーにしたのが今作らしいので、辻褄の合わない感じとか回収しきれなかった伏線みたいなのも致し方なかったんですかね。

でも皆さん演技力歌唱力もずば抜けていて、お芝居として面白かった!
ストーリーは二の次でもいいんですよこういう時は。

本当に楽しいお芝居でした。やっぱりいつか必ず生で見ないとですね。

レヴューについて

同じDVDに収録されていたレヴューを見た感想も、と思うのですが、本当に正直に言うと、出てくる皆さんが二丁目のオネエさまに見えちゃってからあまりまともに見えなくなっちゃいました…

衣装とメイクの問題でしょうけど、レヴューってもう衣装もメイクもこういうもんなんですよね…
あと会話もがっつり音楽でやってるのもなんかちょっと…芝居部分欲しいよ…となってしまっている。

でもその中でもトップスターはやっぱひと際輝いてる。体格もそうだし踊りの見せ方も完成されてる。無駄とかムラがない。ちゃんとかっこよく見えるから、それだけで素晴らしいよね…

男性の姿で女性のエスコートしている様子にはずっとキュンキュンしているので、そういうところはやっぱり好き。

レヴューが好き!とはまだなれないかもしれませんが、じっくりゆっくり慣れていけば、あのファビュラスで豪華絢爛なステージもきっと好きになれる。かも。

今後も果敢に宝塚の世界に踏み込んでいきたいと思います。

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