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のたりのたり/屠る《翠曜日》vol.24

春の海終日のたりのたりかな 与謝蕪村

旧暦的には今は春
極寒だが。
のたりのたり、という言葉の持つ時間の流れはまさに「のたりのたり」で、有名な句だけど改めて良すぎる。



またまたNHK俳句が偶然やってて(多分再放送)
すんごぉ…って思った冷たい冷たい句を記録


屠られし 牛は左目より氷

ほふられし うしはひだりめよりこおり


屠殺(とさつ)という言葉があるように、屠る(ほふる)というのは、生命を奪うこと 主に獣を切り裂いて殺すことなどを表す。この牛は人間に飼われ、人間の利益のために殺されたのだろう。もう温もりも残らない体の、眼球の表面に残った水分が、氷となって浮かんでいる様子を想像した。涙にも見える虚ろな左目のその残酷さがリアルで、「氷」という兼題からこの場面を描くことに至ったことも作り手の人生が窺えて、なんか、言葉にならなかった。

好奇心で作者さんを調べてみたら、本当に俳句・短歌がお好きな方なようで、今までもたくさんの賞を獲っていた。
本当に色んな場面を言葉に閉じ込めていて想像力に脱帽してしまう


短歌だと

深夜勤入るナースと準夜勤終えたナースが指差すリゲル

が目に入った。リアルすぎリアルすぎ、病院行った帰りに作ったんかな?最近入院したとか?なんで準夜勤を終えた看護師とこれから働く深夜勤の、昼間とは絶対違う空気感にに思いを馳せられるのか…!!



もう一個痺れたのがありましてね

AIの代筆したる恋文は カロリーゼロのコーラの甘み

すげー
AIが書いたラブレターを受け取ったこともなければ書かせたこともなければ、カロリーゼロコーラも1回しか飲んだことない(意外とその1回が大事ってのはある)けど、とにかく比喩としてカチッとハマっているのが伝わってくる。

AI(人工知能)とカロリーゼロ(人工甘味料)
恋文(甘酸っぱくてくすぐったい)とコーラ(甘くてシュワシュワ)
のこの対応っぷりよ!
すごくない?

この人何歳なんだろ
というか性別とかも謎

竹内一二さんという方です



ちょと疎遠になってた短歌・俳句に向き合いたくなるような魅力的な言葉の並び

私の友達に短歌大好きオンナ(というか古典全般大好きオンナ、本日お誕生日!)がいて、私の20歳の誕生日の時に、私を歌題にして俳句を作ってくれた。
あまりにも素敵で、とっても大事にしている。
ほんとにほんとに嬉しかった!
そういう贈り物ができる人ってすごすぎるし、プレゼントしてもらえる私はあまりにも贅沢。

ここに書いちゃうか、、迷ったんだけど
もうちょっと自分だけのもので大事にしていたい


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誰か、なーんでもいいよ、私にお題をください
短歌になるか俳句になるか、詩になるか、
なにかしらの言葉に綴じてお返しします
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