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”昔、トマトを描いていたあの人は今は悪魔を描いてるそうな” 頭をぶつけて気を失っていたアリスは、ぼそぼそ聞こえる音で目を覚ましました。 音が聞こえる方向に頭を向けると真っ赤な顔をした集団に囲まれています。 「ひっ。」 良く見るとあまりにも不気味なトマト人間たちがこちらを睨みつけながらいぶかしげに話し込んでいて、アリスはとても怖くなって黙り込んでしまいました。今にも目から涙がこぼれそうです。それでなくても薄暗い森からはガサガサと変な音がしてアリスの恐怖心を煽り立てます
”あれらはそれらがあると上機嫌で語りだし、それらが去るとやけに不親切だった” ある良く晴れた朝に、庭で遊んでいたアリスは母親に呼ばれて、台所に向かいました。 「どうしたのお母さん?。」 アリスが聞くと、アリスの母親はお昼の準備をしながらこうこたえました。 「近所のマギーおばさんがまた新しい調味料を分けてくださるって言うから、アリスに取りに行って来て欲しいのだけど、おつかい頼めるかしら?。」 マギーおばさんというのは、近所でも有名な調味料収集家で、家の留守を旦那にまかせて世