UIデザインは第一印象がすべて
ユーザがWebサイトを訪れてからスクロールせずに離脱する割合は平均で70%、ランディングページにおいては90%とも言われており、すべてのユーザーのうち半数以上は3秒以内に離脱します。
第一印象とWebサイト全体の価値が必ずしも一致するわけではありませんが、ユーザーは第一印象ですべてを評価します。
そして驚くことに離脱せずにしばらく閲覧した後においても、「視覚的な魅力度・興味の度合い・わかりやすさ」は第一印象と大きく相関します。
このように第一印象が確証バイアスとなり、その後の判断に大きく影響する現象をハロー効果と呼びます。
第一印象はどれくらいの時間で決まるか
Googleの研究ではWebサイトを訪問してから第一印象が決まるまでにかかる時間はたったの0.017秒、カナダのカールトン大学による研究では0.05秒と発表しています。
なお1回のまばたきにかかる時間は0.1〜0.15秒なので、人は驚くほど短い時間でサイトの有用性や好き嫌いを判断している事がわかります。
第一印象は思考や行動する前段階で起きる無意識の情動であるため、人がどのようなUIデザインを本能的に好むのかを理解する必要があります。
人が本能的に好むデザイン
「頭が楽ならほほえみ」という論文では参加者に静物写真を見せて表情の変化を測定する実験を行いました。
何枚かの写真は参加者が分からないように輪郭を認識しやすくしたところ、写真が理解しやすいと感じるとかすかに笑みを浮かべたり表情が和らぐ反応をみせました。
このように認知しやすいと気分が良くなるのはシステム1と呼ばれる脳の特性によるものです。
なお画像からも分かる通り「経験のあるもの・見やすいもの・見た経験のあるもの(プライム)」は認知が容易になります。
この事からECサイトを新たに作成する場合は、創造性を駆使した奇抜なデザインやレイアウトよりも、Amazonを参考にした平凡なECサイトの方が多くのメリットを享受できる事がわかります。
まとめ
人は見やすく構造がシンプルで慣れ親しんだUIデザインを本能的に好みます。
そして自覚しているしていないに関わらず認知しやすさから第一印象を形成し、最終的なサイト全体の評価にまで多大な影響を及ぼします。
UIデザインはあくまでユーザーが目的を達成するための橋渡し役です。他社にはない独自の個性を生み出せると考えているとすれば、それはUIデザイナーのエゴである可能性があります。
Webサイトの差別化は表層的なデザインではなくコンテンツによって行われるべきであり、製品やサービスの特徴や独自性を明確にして伝えることが基本であることを忘れないようにしましょう。