頭の中の青い海
最近会社に仕事のできる後輩社員が数名入ってきて自分の立場がますます危うくなってきている。今やっている業務はどうも自分には適性がないのか、もう三年以上同じ仕事を続けているがどうも身につかない。
努力していないからだと言われたらそこまでかもしれないが、何回やっても同じようなところでつまづいて、一日中その問題と向き合っているような始末だ。
そのせいで上司にはしょっちゅう迷惑をかけており、その尻拭いまでしてもらっている。
初めのうちはできなくても仕方ないで済む話だったけど、三年も経ったら流石にそうはいかなくなるのも自然な話で、「いつまでやってんだ」とか「何でわからないんだ」とか、そういうことをしょっちゅう言われるのだが、わからないからわからないのだとしか答えようがなく、そんなことを言ったら怒られるのは必定なので言わない。ただ謝り続けている。絶望的だ。どうもネジが緩い。
取り返しがつかなくなる前に質問すればいいんだけど、三年もやっててそんな質問をするのか、と何度も怒られているうち、どこまでが質問に値する質問なのかがわからなくなってきた。と同時に質問すること自体が恐ろしくなって、とにかく自分の時間を削って自分一人で問題に対処しようとするようになった。
まあそんなことをやっても解決まで至らないのだが。
そんな折に年の近い、もしくは同い年とかの後輩が入社してきてバリバリ自分の意見を言ったりこれまで培った経験や技術でもって仕事に精を出している。成果を上げていく。そういうわけだから社内の人たちとのコミュニケーションも盛んである。
一方自分はというと、日がな一日デスクに座り、トイレに立つ時以外は動かず、ずっとラジオや音楽を聴いている。もしくは作業に行き詰まり、ブツブツ独り言を言いながら頭を抱えている。頭を抱えている時はなんだが、暇な時間が結構あったおかげで何千回という放送分のラジオを聞くことができたり、くだらないどうでもいい知識が増えたりはするのだが、今のところ実生活に役立つことでもない。
そんなことより実用的なことをもっと知識なり経験として吸収し、会社の利益のために働くのが会社員なんだろうな。と思う。
自分には席がない…。