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結果

 第66回岸田國士戯曲賞、受賞いたしました。人生でこんなにも祝福されたと感じたのは、もしかしたらはじめてかもしれません。そして僕がこの賞を受けることによって、喜んでくれる人々がいる、ということがとっても励みになりました。みなさんほんとうにあたたかい言葉をありがとうございます。

 この賞の重みに耐えかねて軽々しく書けない、みたいなことにはならぬように、むしろもっと軽やかに、けれど激しく、大胆に、でも繊細さを忘れることなく、切実に、戯曲を書き演劇をつくり続けます。僕の身辺にこれから予期せぬ何かが起こるとしても、起こらぬとしても、すべてを創作の栄養に変えてやる、そんな気持ちです。地獄の業火を見たとしても笑う、絵仏師良秀のような作家でありたいです。

 やりたいことは無限にあって、もっともっと演劇界をおもしろくしたいし、活性したい。日本の演劇のつくり手たち、とくに若い人々が、自尊心を持ちながら創作ができる環境にしていきたい。演劇をしていること、演劇に関わっていること、を誇らしく思って欲しい。数ある文化芸術の中から、演劇を鑑賞する、ということを観客に誇らしく思って欲しい。そう思っています。しかしその誇らしさを持つ手前で変な傲慢さにねじ曲がってしまわないか、もちろんそれは自分も業界も含め冷静に見つめなければなりません。自尊心と傲慢はまったく違うものです。むしろ自尊心のなさが傲慢さの正体です。いまだに根付く、アーティストの傲慢は許される、みたいな旧世代的な思想は変換してゆきたいです。もちろん自戒を込めてです。

 作品単体だけじゃなく、演劇と社会とをコネクトさせていく意識も持ちながら活動していきたいと思っています。ワークショップやアウトリーチもその一環でしょう。来年度もまだスケジュールの隙間はありますので、ちょっと試しに声をかけてみてください。肩は温まっています。唐突な野球用語失礼しました(小学3年から中学3年まで6番ファーストでした)。それではライフワークの範宙遊泳ともども、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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