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井ちゃんドン

さいきんイチャンドンの映画を観まくっているのは、この容赦ない世の中の冷たさに、なんとか耐性をつけようと必死だからだ。なのに、井ちゃんドンと、変換される!なぜだ。イチャンドンくらいきちんと変換されてほしい。

近況

8月の中旬にKAAT神奈川芸術劇場にて「2分間の冒険」という岡田淳さん原作の小説を、演劇化する。そのための上演台本の執筆をしている。キッズプログラムなので、小学生あたりを対象に書いているのだけど、大人も鑑賞できるものを目指している。原作が小説で、それを演劇用の台本に書き換える、というのははじめての作業。ゼロから作品を書くオリジナル台本の執筆とはまた違う感覚で、端的にいえば、気が楽だ。むろん、原作ファンや作者をないがしろにしないよう心がけつつ、そのあたりは神経質にやっているけど。

暇な時はバンクシーがほんとにマッシヴアタックの3Dなのか、そんなことばかり考えているような気がする。「スパイダーマンスパイダーバース」は、ちょっと落ち込んでしまうくらいよかった。あの映画をみて落ち込まないクリエイターはいないんじゃないだろうか。すくなくとも物語を扱うクリエイターたちは。それぐらい周到につくりこまれている。スパイダーマンだからニューヨークが舞台なのだけど、たとえばそういうある種土着愛的なものを東京に混ぜ込んでぼくは物語を書けるだろうか、あるいは東京はそれほどまでクリエイターに愛された都市なのだろうか、そんなことを考えた。結構知ってる人も多いみたいで、会うたび会うたび「いつ行くんだっけ?」と人に聞かれるのでここに書いておくと。ぼくは今年の9月から2020年の2月半ばごろまでニューヨークに滞在する。ACCニューヨークフェローシップグランティアーティストとして。で、そんなにあらゆるクリエイターに愛され、その愛を表明されてきたニューヨークをみつめてくるわけなのだが、おそらくその作業は、同時にぼくは"東京"を愛せるのだろうか、という重い重い問いを背負っていくことにもなるのだと思っている。"ニューヨークを"でなく"東京を"。遠くにいて愛をみつめる。ぼくは東京を愛せるのだろうか?

渋谷のラジオで流した曲LCD Soundsystem - New York, I Love You But You're Bringing Me Down。これはぼくの親友の写真家雨宮透貴とヴィレッジヴァンガードでジャズを聴きにいくために乗ったUberの車内で聴いた曲だ。彼がiphoneから大音量でそれをかけるので、ぼくのUberの評価が下がったのはあれだが、特別な思い出として頭の中に残っている。その夜と友達という作品は、彼と過ごした記憶とは無縁ではない。


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