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語彙

自分のことを信じていなければ発すること≒書くことのできない言葉の領域があり、語彙を増やすとはつまりその自分への信頼を自分の力で得ていくことだと思っている。

ただ感覚的に、語彙というものは抱えられる容量が決まっていると自分は思っている。

新しい語彙が増えれば古い語彙は自然に淘汰される。

だから自分の中の容量をどの種類の語彙で満たすのかは注意深くあらねばならない。

否定語ばかりでは気が狂う。

かといって肯定ばかりでは語ることがなくなる。

疑いはさらなる疑いを餌に増幅してしまう。

けれども質問がなければ辿り着けない場所もある。

質問は疑問からはじまる。

嫌な語彙だからと恣意的に駆逐してしまうのは不自然なことだ。

だったら自然に身を任せ

せっかくなら美しい語彙で満たそうとも思う。花壇をつくる感覚で。

けれども美しさが生や聖や静だけを指す言葉ではないことを知ってしまっている。

破壊や死や喧騒が美しくないとは言い切れない自分がいる。

だからその花壇には、このような一人の人間のあらゆる側面が

ギリギリのバランスを保って紆余曲折しつつもここにいるという語彙を植えたい。

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