【保守・リベラル・全体主義】「年収の壁」見直しと思想対立の奥にあるもの
アメリカ大統領選挙の話題が多い中、年収の壁見直しも目が離せない。
抵抗したい勢力が多いようだ。
国家財政については先日書いたので省く。
今度は地方税収が減るという話が出ている。
年収の壁見直しは実質減税になるので、そりゃ減るだろう。
先日述べたように、民間の負担を減らし、経済を活性化させ、企業収益が改善し、賃金も上がり、経済を成長軌道に乗せ、最終的には税収増となる。
地方では名古屋市が住民税減税をし、結果的に税収を増やした例がある。
名古屋市の財政状況
https://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000140/140586/3zaiseijoukyounoshoukai.pdf
税収を増やすには経済の活性化が必要で、そのための減税である。
増税で税収を増やそうとすれば経済が冷え、中長期的には税収が減る。
一般会計税収の推移
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/010.pdf?ss_ad_code=iot
減税の利点は大きいが、なぜ懐疑論が飛び交うのか。
理由のひとつは「財政均衡主義」。
「財政は黒字でなければならない」という思い込みである。
国家財政は赤字でも問題ないことは先日述べた。
ひとつは思想。
税負担を減らして政府の役割を減らし、自由経済の原理に委ねるべきという考えが保守自由主義。
税をたくさん取って分配しようというのがリベラル全体主義。
「リベラル」の定義は難しく、「自由主義」と訳されるが、現代の「リベラル」は自由主義の逆の全体主義に近くなっている。
全体主義とは
「個人の自由や社会集団の自律性を認めず、個人の権利や利益を国家全体の利害と一致するように統制を行う思想」である。
現代のリベラルの特徴は、過剰な人権意識や個人の尊重を重んじるがあまり、自分たちの考えを社会正義と信じて疑わず、異なる考えを攻撃し、排除しようとする傾向が強い。
もはやリベラル(自由な)とは名ばかりの統制思想である。
そしてもうひとつ、利権。
税を吸い上げて分配すると、利権が発生する。
たとえば「貧困をなんとかしろ!」という声が高まり、「これだけ予算をつけます」となったとする。
その予算をどこに落とすのか。
貧困対策事業を行うNPO法人(特定非営利活動法人)などの業者に落ちる。
そのNPO法人は「貧困をなくす」を旗印に事業を展開し、メディアにも出て啓発も行う。
「補助金」「事業委託費」などの名目て政府や自治体からお金を受け取り、事業を運営する。
本当に機能しており、社会の安定に資するものであれば良いが、必ずしもそうではない。
その事業者はそれなりに事業を展開するが、公的機関から受け取る金額に見合うことはせず、一部を自分の懐に入れていたりする。
少し前に「公金チューチュー」というワードがネットで広まったが、まさにそれである。
「私たちは苦しんでいる人のための事業をしたいんです!予算をください!」といって予算を獲得し、事業はそれなりにして、自分の懐にも入れるのだ。
もっと予算が欲しいので「こんな問題がある!解決しなきゃ!」と訴え、もっと予算が大きくなり、公金チューチューが増えていく。
そしてリベラル・左翼的思想も広がっていく。
保守・リベラル・右翼・左翼の思想対立の奥にはこんな利権構造があるのだ。
かつてソ連共産党は、世界共産革命とソ連の国益のため、世界中に共産主義思想を広げようとした。
政権中枢やメディア、キリスト教団体、労働組合などに入り込み、共産主義思想を広げると同時に、ソ連と敵対していたドイツと日本を「ファシズム」として貶めようとしていた。
「1対9の法則」と呼んでいるのだが、「1割の確信犯に9割の無垢な人が騙されて利用される」というものだ。
(「1対9」という割合は適当だが)
一部の確信犯に大多数の人が騙され、利用される。
先に述べた利権の場合、一部の確信犯は自分が利益を得るために特定の思想や言説を広め、多数の無垢な人がそれを信じ、さらに広め、声が大きくなれば政府も無視できなくなり、予算をつける。
思想対立の奥にはそれで得をする者がいる。
それをさせないために政府の役割は絞り、民間に委ねるべきというのが保守自由主義である。
減税は経済対策でもあるが、不逞な輩を跋扈させないためでもある。
脱炭素や移民問題には大きな利権がちらついている。
利権には大きなものから小さいものまである。
公金チューチューで話題となった某団体は小さなものだが、あのような小さな利権が無数にある。
すべて掘り出すのは普通の人間ではできない。
ゆえに減税によって利権の原資を減らし、政府や自治体をスリム化しようというものだ。
ちなみに私も小さな公金チューチュー団体を調査したことがある。
守秘義務があるので細かくは言えないが、団体の役員は左翼、スタッフは左翼に近いリベラルであった。
役員の中には国内外で従軍慰安婦の嘘を拡散する活動をしていたり、「憲法9条を死守する行進」のようなものに名を連ねていたりした。
いろいろな対立軸があってややこしいが、どこかできれいにまとめたい。
今回はこのへんで。
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